健康保険の説明書

意外と知らない健康保険のメリット

 

日本は世界に誇れる国民皆保険制度を持っています。実は保険証さえあれば一定の負担でどこでも医療が受けられるこの制度は、世界でも珍しいのです。

世界第1位の経済大国アメリカですら、数年前オバマ前大統領によってオバマケアと言われる医療改革に取り組みましたが、失敗に終わっています。

 

存在するだけでありがたいと言える日本の健康保険制度ですが、病院窓口における自己負担額の軽減のほかにもメリットが存在します。これは、意外と知られていませんので冒頭に説明します。

 

高額療養費制度

 

高額療養費制度は、1ヶ月間の医療費が自己負担限度額を超えた場合、その超過分が保険者によって給付される制度です。

自己負担限度額は、所得によって下記のように5段階に分かれています。


 

ア:252,600円+(10割相当医療費-842,000円)×1%

:167,400円+(10割相当医療費-558,000円)×1%

ウ:80,100円+(10割相当医療費-267,000円)×1%

エ:57,600円

オ:35,400円

 

一か月間の医療費が上記金額を超えた額は申請によって現物給付されますので、大きな病気をしてしまった時はとても助かる制度です。

未来への資産形成を行う上で生命保険や入院保険の加入を検討する方は、過度な保険料を払わないように是非知っておきたい制度です。

 

出産育児一時金

 

出産(妊娠4月(85日)以上の分娩)一児につき404,000円が給付(2019年1月現在)されます。支給額に所得は関係なく、上記の一定額が給付されます。

正常分娩であれば死産、早産、流産、人工妊娠中絶であることを問わず給付されますが、支給申請が必要ですので、出産される時には忘れずに申請しておきたい制度です。

 

また、出産時には一時金とは別に出産手当金も支給されます。これは、出産のために会社を休み、給料が受けられない場合に支給される手当金です。働いている時の約3分の2が支給されますので活用しない手はありません。

 

傷病手当金

 

傷病手当金は被保険者が、疾病や負傷によって仕事が出来なくなった時に、療養中の生活保障として保険者から行われる給付の事です。

期間は最長1年6か月、こちらも出産手当金と同じく働いていた時の報酬の約3分の2が給付されます。

 

埋葬料給付

 

被保険者が死亡した際に埋葬料として5万円、保険給付されます。(2019年1月現在)健康保険組合の場合、付加給付として規約に定めることにより支給額を上乗せすることができますので、しっかりと調べてみると良いでしょう。

 

 

このように健康保険には病院窓口での自己負担額の低減以外にも様々なメリットがあります。

細かい規定があり、申請も必要なものなので注意しましょう。

 

 

健康保険の種類は?

 

健康保険は大きく二つに分かれます。被用者保険(社会保険)と国民健康保険(地域保健)です。

 

被用者保険

 

全国健康保険協会(協会けんぽ):中小企業の従業員とその家族


組合管掌健康保険(組合健保):大企業の従業員とその家族


共済組合:公務員や私立学校教職員とその家族など。※その他、様々な共済組合があります


船員保険:船員が加入  

 

地域保健

 


国民健康保険(国保):自営業者、職業についていない人とその家族

 

 

このように大きく分けられる国保(地域保健)と社保(被用者保険)ですが、社保は働く人を保護する役割という側面が強い為、その点では違いは大きいのです。

 

国保と社保の違いは?

 

被用者保険と国民健康保険には保障内容は共通するものとそうでないものがあります。

 

共通の保障 

 

病院窓口での医療費補助。自己負担額は3割

高額療養費制度

出産育児一時金

埋葬費給付金

 

国民健康保険にはない保障 

 

出産手当金

傷病手当金

 

 

扶養という考え方

 

もう一つ、社保には家族を扶養するという考え方があります。家族分を払わなくても保険証がもらえます。結婚したり子供が出来たとしても保険料を追加で払う必要がないのです。

国保にはこの考え方はありません。家族がいても家族の全員分をそれぞれ払わなくてはいけません。

 

社保は会社も負担してくれる

 

もう一つ社保のメリットを言えば、保険料の半分は勤め先の会社が負担してくれる所です。保険料は給与の額によって決まって決まりますが、その半分を会社が払わなければいけません。

国保にはこれがありませんので、収入によって決められた保険料はすべて負担する事になります。

 

国民皆保険制度と未来

 

国保であれ社保であれ、世界に誇れる皆保険制度であることは冒頭に言いました。

しかし、止まらぬ日本の少子高齢化によってこの皆保険制度の将来が不安視されています。

確かに高齢者の急激な増加によって、医療費の負担額は年々増えています。 

 

出典 日本経済新聞 医療制度の基礎

 

確かに年々、医療費は増えています。これには、高齢者の増加とともに医療の発達による医療費単価の上昇が考えられます。保険料の値上げや自己負担の切り上げが出てきてしまう事は致し方無いのかもしれません。

 

ただ、保険料や自己負担が増えても私たちの所得がそれ以上に増える世の中になれば実質は制度を維持できるのです。少子化にストップをかけ国民の所得を上げられるだけの経済成長を遂げる事が、国民皆保険制度の維持には非常に重要なのです。

 

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