【為替レートとは?】わかりやすく解説

為替レートについてわかりやすく解説

 

〜今日の円相場は1ドル108円27銭〜

 

ニュースでよく耳にするフレーズです。

 

為替レートの動きは、経済の動向を理解する上でとっても重要な材料となりますから、当記事で出来るだけわかりやすく解説します。

 

為替レート(かわせレート、英: Exchange Rate)とは、通常の外国為替の取引における外貨との交換比率(交換レート)である。

wikipediaより引用

 

円安と円高

 

まずは、『円安』『円高』について解説します。

 

『円安』

円の価値が外貨にたいして安い、もしくは安くなること

『円高』

円の価値が外貨にたいして高い、もしくは高くなること

 

 

例えば今日のドル円為替レートが1ドル100円だとします。この場合、100円を交換所に持っていくと1ドルと交換してくれます。

 

ところが次の日に、為替レートが1ドル110円に変化したとします。

 

すると、昨日は交換所に100円を持っていけば1ドルと交換してれましたが、今日は交換できません。

 

今日は1ドルとの交換には110円が必要だからです。

 

つまり、1ドル100円から110円への変化は、1ドル(外貨)に対して、円の価値が下がったといえます。

 

 

この1ドル100円➡︎110円の現象を円安と呼びます。 

 

数字が100➡110と大きくなりますので『円高』と間違わないように注意しましょう

 

円安

外貨に対して円の価値が下がる事

(1ドル100円→1ドル110円)

 

円高

外貨に対して円の価値が上がる事

(1ドル100円→1ドル90円)

 

【補足記事】

▶︎▶︎円高と円安の違いとは?

【わかりやすく解説】

 

為替レートが変動する理由

 

為替レートはこのように、常に変動しています。

外部リンク:為替のリアルタイムチャートはこちら

 

為替レートが変動する理由は、市場で常に取り引きされているからです。

 

この為替決定のメカニズムはあらゆる資産や商品の価格決定と同じで、極めてシンプルです。

 

買われれば価格は上がり

売られれば価格が下がる

 

つまり

需要が円に向けば円の価格は上がって円高

需要が外貨に向けば円の価格は下がって円安

ということです。

 

つまり、ざっくりといえば為替レートが決まる要因は自国通貨への需要があるかどうか?ということです。

 

【関連記事】

▶︎▶︎需要と供給とは?【図解でわかりやすく解説】

 

とはいえ為替レートが需要で決まるとしても、その需要が生まれる要因はいったい何なのでしょうか?

 

大きくわけて、下記のような要因で為替は大きく動きます。

 

中央銀行による金融政策

戦争や災害などの有事

経済危機や経済ショック

内政の変化 

 

①:中央銀行による金融政策

 

まず第一に、為替レートの方向づけをおこなうのは中央銀行による金融政策です。

 

日本での金融政策を簡単にいえば、市場に『円』を発行する量の調節をおこなう政策です。

 

自国通貨の価値を決めるのは『その通貨が外貨に対してとれだけ発行されているのか?』ということです。

 

日本銀行の金融政策で『円』があまり発行されなれば、市場での円の希少価値が上昇して円高となります。

 

一方で、日本銀行が円の発行量を大幅に拡大すれば、市場での円の価値は外貨に対して相対的に下落して円安となります。

 

参考記事:金融政策とは?

 

そして近年、金融政策によって円安が起こった例は、2012年の末から開始された経済政策アベノミクスの大胆な金融政策です。

 

この時、政府日銀では日本円を大量に発行することが決定されました。

参考記事:▶︎▶︎大胆な金融政策とは?

 

その結果、当初は80円台だったドル円の為替レートは、みるみるうちに円安方向に向かいました。

 

日本円の大量供給が開始された2013年から、為替レートは瞬く間に120円台へと円安に傾いているのが分かります。(赤線)

 

このように、各国通貨のレート(交換比率)は各国の中央銀行による金融政策に大きな影響を受けるのです。

 

外部リンク:金融政策発表スケジュールはこちら

 

②:戦争や災害などの有事

 

近年の日本では阪神大震災や東日本大震災の後には大きく円高に触れました。

 

この理由はもちろん複合的な要素を含んでいますが、大きくは日本銀行が①の金融政策を充分におこなわないまま災害対策の財政出動をおこなったことです。

 

金融政策が不在のなかでの財政政策によって、市場から資金が吸いあげられるため、『マンデル・フレミング効果』がおこったと考えられます。

【参考記事】

▶︎▶︎マンデルフレミング効果とは?【わかりやすく解説】

 

そしてもう一つは、有事が起こると投資家や企業はリスクオフのために他国通貨を売却して自国通貨に換金する傾向があります。

 

『なぜ災害が起こった国の通貨の価値が上がる?』といった疑問はよく聞かれますが、その多くはマンデルフレミング効果投資家や企業のリスクオフで説明することができます。

 

③経済危機や経済ショック

 

世界の資産市場がなんらかのショックを受けると円高になることが多く、「投資家のリスク回避が起こり、安全資産である円が買われた」と報道されます。

 

日本円が安全資産でないとは言いませんが、それは本質ではありません。

 

経済ショックにおいても円高になる背景には、世界の投資家が円の価値は下がらないという認識があり、これは『中央銀行が金融を緩和しない、つまり経済対策を取らない』と見られているのです。

 

これはバブル崩壊以降の日本銀行のスタンスを見ている投資家にとっては、合理的な判断と言えます。

 

ただ、アベノミクス開始以降は日銀のスタンスにも変化が見られ、コロナショックで大きく円高に傾くことはありませんでした。

 

これは、アベノミクス以降は曲がりなりにも経済危機に対して金融政策を積極的におこなってきたことが要因です。

 

このように為替レートにとっては、中央銀行の政策スタンスが極めて重要なのです。

 

 

購買力平価とは?

 

もう一つ、長期的な為替レートを決定させる要因として一般的に説明される代表的なものに、購買力平価説という仮説があります。

 

購買力平価説(こうばいりょくへいかせつ、英: purchasing power parityPPP)とは、外国為替レートの決定要因を説明する概念の一つ。

為替レートは自国通貨と外国通貨の購買力の比率によって決定されるという説である。

 

購買力平価説は一物一価の法則を前提として、自国通貨と他国通貨の購買力の比率から中長期的な為替レートを求める仮説です。

一物一価の法則

ある時点における同一の商品・

サービスは、ひとつの価格になる

 

購買力平価説には、絶対的購買力平価説と相対的購買力平価説があります。

 

絶対的購買力平価説

 

為替レートは2国間の通貨の購買力によって決定されるという説です。

 

例えばアメリカでは1ドルで買えるハンバーガーが日本では100円で買えるとするときに、双方の購買力が等しくなるため

1ドル=100円

が、妥当なドル円為替レートと言えます。

 

相対的購買力平価説

 

為替レートは2国間の物価上昇率の比で決定されるという説です。

 

例えば、日本の物価上昇率が他の国より相対的に高い場合、日本の通貨価値は減価するため、為替レートは下落するという考え方です。

 

ただこのどちらの購買力平価説も、成立するには全ての財やサービスが自由に貿易されたり、同じ割合で変動する事が必要ですので、厳密には成立しない事になります。

 

世界の通貨

 

世界で使用されている通貨は180種類と言われています。(2017年)

 

出典:ザイFX

これは、世界で取引されている主要の通貨一覧です。

聞き慣れた通貨も多いでしょう。

この中でも世界で取引されている通貨のシェアは以下の通りです。

 

画像出典:三井住友アセットマネジメント なるほど!ザ・ファンドVol.49)

 

やはり、米ドルは基軸通貨の地位を保ち、日本円は1割と言った所です。

 

実は世界第2位の経済大国中国の通貨『元』の取引高は、その他の15%に埋もれています。

 

日常で私たちは、通貨と商品(サービス)を交換しています。

 

世界の投資家は、それと同じように通貨と通貨を交換して少しでも利益をあげようとしているのです。

 

商品やサービスを購入すると対価として利便性を得られるように、通貨と通貨を交換すると対価として利益か損益を得る事になります。

 

この、利益を得るために他国の通貨に交換して投資していく事をFX(外国為替取引)と言います。

 

資産運用として通貨を使う場合には、このFX取引を使う事が一般的ですが、外貨建て積み立て保険などさまざまな方法で活用されています。

参考記事:資産運用とは?

 

DMM FX

 

実効為替レートとは?

 

世界にはさまざまな通貨がありますから、日本円が外貨全体に対して円安か円高かを測るには、ドル円レートだけ見ていてはわかりません。

 

そこで、通貨が通貨全体に対しての強さを測る指標として実効為替レートと言われる指標があります。

実効為替レートとは

特定の2通貨間の為替レートをみているだけでは捉えられない、相対的な通貨の実力を測るための総合的な指標です。

具体的には、対象となる全ての通貨と日本円との間の2通貨間為替レートを、貿易額等で計った相対的な重要度でウエイト付けして集計・算出します。

引用元

 

この実効為替レートは以下の2つに分かれます。

・名目実効為替レート

・実質実効為替レート

 

この名目と実質の違いは下記の一点です。

物価変動を加味するかどうか?

 

名目実効為替レートとは

指数化した為替レートを貿易相手国との取引量で加重平均し、「ある通貨の対外的な競争力」を表す指標として使用。

 

実質実効為替レートとは

実質実効為替レートは、名目実効為替レートにインフレ率(物価上昇率)を加えて計算した値。

 

資産市場では、物価変動を加味してより実質的な通貨の実力の指標となる実質実効為替レートがより注目されます。

下記グラフは2018年までの為替レート(対ドル円)と実質実効為替レートの推移です。

 

画像出典:eワラントジャーナル

このように、ドル円為替レートと実質実効為替レートでは経済環境によってらおおきく異ります。

実質実効為替レートは、長期的な為替レートを予測する際に判断の元になる事がある指標です。

 

変動相場と固定相場

 

実は世界がこのような変動相場制(常に為替レートが変動する仕組み)に移行したのは1973年の事であり、意外と最近です。

 

それまでの為替レートは1ドル360円に固定されていました。

 

これを固定相場制といいます。

 

固定相場制

為替レートを、ある特定の水準に固定もしくは変動を極小幅に限定する制度。1973年まで採用されていた。

 

変動相場制

為替レートを一定比率に固定せずに、市場での需要と供給により自由に変動させる制度。73年から現在に至るまで採用されている。

 

戦後の日本は、1ドル360円の固定相場という、輸出に対して有利な条件で経済発展を遂げられたという見方があります。

それもそのはずで、戦後日本の不況はいつも過度な円高セットで起こっているのです。

参考記事:失われた20年について

 

リーマンショック、東日本大震災を経験した日本の為替レートは超円高に傾き、2011年11月には史上最高値の75円台を記録しました。

この時の日本経済は超円高デフレ不況に苦しんだ時期でした。

 

円安

輸出企業を中心に日本企業の株価が上昇、更に業績が活発化して景気が良くなる

円高

輸出企業を中心に日本企業の株価は下落、企業業績が低下して景気が悪くなる。

 

つまり、変動相場制のメリットはこれに尽きます。

金融政策を自由に行える

 

つまり変動相場制は、景気状況に応じて通貨発行量を自由に調節出来ると言うことです。

 

残念な事にバブル崩壊後の日本がこの金融政策を失敗して、長期デフレに突入してしまいました。

 

変動相場制のメリットは、政府日銀がしっかりとした政策をとらなければ、デメリットにもなり得るという側面もあります。

参考記事:バブル崩壊の原因

 

一方で固定相場制は、通貨が変動しないように金融政策を行いますので、自由な金融政策が出来ません。

日本も戦前には、変動相場制から『金本位制』と言われる固定相場制に移行して大失敗した歴史があります。

金本位制(きんほんいせい)とは貨幣の価値を金の価値で表すことができ、 一国の貨幣価値を金に裏付けられた形で金額を表し、商品の価格も金の価値を標準として表示される。

Wikipediaより引用

 

金本位制を単純化して言えば

自国が持つ金の量を上限に

通貨を発行できる。

という事です。

 

金の量に対する貨幣量に限定されてしまう為、貨幣の量を増やしたい時に増やせません。

第一次大戦後、戦費を必要として貨幣を大量に発行した世界各国は、インフレが進んだ事を理由に、次々に金本位制に復帰してゆきます。

そうすると、世界からは金の量に見合った貨幣量に縮小されてしまいますので、深刻な貨幣不足に陥りました。

貨幣不足が招くものは、デフレーションです。

参考記事:デフレの原因

 

日本はこの当時も、金本位制の復帰によるデフレ不況に苦しむ事になりました。

 

金融政策の為替レート

 

ここで、アベノミクス開始の2012年12月に時計の針を戻しましょう。

 

2012年の安部政権が誕生する前、民主党政権だった2012年9月のドル円相場は78円台、日本は円高不況に苦しんでいました。

 

それが、安倍政権が誕生して瞬く間に100円を超える円安となりました。

 

約3年後の2015年6月のピーク時には127円の円安にまで円の価値が下落し、実に50円の円安を実現したのです。

 

黒田日銀の金融緩和政策によって日本の円を大量に発行した事で、日本円は外貨に対して希少性が低下しました。結果として円安に傾いたのです。

 

世の中の物の価格は、市場に出回るお金の量とのバランスで決まる事は様々な記事で説明しました。

 

これは、通貨の価値も同様なのです。

 

つまり、物の値段が決まる事と同様に、通貨の値段も需要と供す給のバランスによって決まるという事です。

 

外貨に対して、自国の通貨を増やせば円安に傾き、自国の通貨を減らせば円高に傾きます。

 

とても単純に説明していますが、為替レートの決定の本質は金融政策の方向性と考えて良いでしょう。

参考記事:金融政策とは?

 

2008年のリーマンショック時に日本は円高不況に苦しみましたが、その理由も金融政策の失敗にあります。

この当時、アメリカやヨーロッパはデフレ不況を回避するために大規模な金融緩和政策に踏み切りました。つまり、自国通貨を大量に発行したのです。

それに対して我が国の中央銀行、日本銀行は何も対策を取りませんでした。

 

リーマンショック時に、アメリカの中央銀行(FRB)はドルを大量に発行しました。また、EUの中央銀行(ECB)もアメリカ程ではないにしろユーロの発行を増加させました。

 

これに対して、日本銀行はまったくと言っていいほど何もしませんでした。

結果として、日本円は外貨に対して希少性が増し、過度な円高に苦しみ、リーマンショック震源国のアメリカよりも何倍も悪影響を受ける事になってしまったのです。

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