マネタリーベースとは?

マネタリーベースをわかりやすく解説

 

日本銀行による金融政策によってこれからの景気動向を予測し、資産運用や資産形成に活かしていく事を説明してきました。

基本的には、政府と中央銀行が行う金融政策へのスタンスが、景気の変動に大きく寄与してきます。

では、その金融政策が一体どの様に行われているのか?

それを数値で確認するのがマネタリーベースの動きです。

 

マネタリーベース(英: monetary base)とは、現金の通貨と民間の金融機関が中央銀行に預けた金銭の合計のこと。

中央銀行通貨(英: central bank money)ともいい、市中銀行通貨(英: commercial bank money)と対になる概念で、それぞれ現金と預金に対応する。地域や分野によってはベースマネー(base money)、ハイパワードマネー(high-powered money)やそれを翻訳した強力通貨、高権貨幣とも呼ばれる。

wikipediaより引用

 

少し難しい説明ですが、簡単に言うと、世の中に存在する貨幣量日本銀行券発行高+「貨幣流通高」および「日銀当座預金」の合計)です。

類似の概念で、マネーストック(マネーサプライ)も存在します。

こちらは、マネタリーベースから金融機関が保有している通貨を引いたもので、市中に出回っている現金の総量を指します。

 

 

マネタリーベースの調節は中央銀行の役目

 

わが国での中央銀行は日本銀行です。

中央銀行は三井住友銀行やUFJ、その他の市中銀行とは決定的な違いがあります。

それは、通貨を発行できるという事です。

この通貨発行権という権限はとても巨大な権力であり、操作一つで経済に甚大な影響を与える事ができるのです。

金融政策の説明書でも記した通り、世の中はモノとお金の量のバランスで物価が決まってきます。

中央銀行の役割は物価を安定させて経済を発展に導く事ですので私たちが日々生産しているモノやサービスの量に応じて適切なマネタリーベースの拡大が必要なのです

 

リーマンショックと日本銀行 

 

2008年9月15日に、アメリカのリーマン・ブラザーズが経営破綻しました。リーマン・ショックとして有名な出来事ですが、これを契機に世界には株価大暴落と同時に金融危機へと陥ったのです。

ここで、デフレ不況を回避する為にアメリカとEUの中央銀行はマネタリーベースの拡大に踏み切りました。しかし、不思議と日本銀行はマネタリーベースを拡大せず、日本は震源国アメリカよりも長く深い円高不況に陥ってしまったのです。

 

マネタリーベースの対前年比

出典 ニッポンの数字

 

マネタリーベースは変化率とコミットメントが重要

 

マネタリーベースは、貨幣量の総量ももちろん大切ですがもっと重要な事があります。

第一に、中央銀行によるマネタリーベースを拡大するという強い姿勢を示す事で、物価目標達成へのコミットメントを行う事です。

 

人は、「今がどうであるか?」よりも「未来がどうなるか?」という予測に基づいて行動する傾向があります。

これはマーケットや投資家の心理も同じです。

大切なのは、物価がしっかりと上昇するまでマネタリーベースを拡大するという中央銀行のコミットメントによって投資家やマーケットの『期待』に働きかける事なのです。

事実、アベノミクスが発動した2012年の末。安倍政権がデフレ脱却と物価目標達成に明確な意思を示した事で、日経平均株価は急上昇し、為替が大きく円安に傾いた事は今でも記憶に新しい出来事です。

 

次に大事な事は、マネタリーベースの変化率です。

マネタリーベースは、これだけの量があればよいという目安はありません。

市場が見ているのはその変化率であり、アベノミクス開始時は2年で2倍までマネタリーベースを増やすと発表しました。

 

出典 ニッポンの数字

 

どの様な事が起こったかのは前述した通りです。

実はこの中央銀行が金融政策を明確にしたタイミングが株式や不動産での資産運用を始める時なのです。

逆を言えば2019年1月現在、金融の緩和は継続している今は資産価格が高値圏で推移していますが、一転して金融が引き締め傾向になってしまえば、たちまち資産価格は下落してしまうと言えます。

 

マネタリーベースと物価の相関関係について

 

マネタリーベースの量は、物価を押し上げる影響がある事は間違いありません。

とはいえ、アベノミクス発動でのマネタリーベースの拡大は、物価上昇に対して初めのうちは勢があったものの次第に鈍化していきました。

 

これは、2014年に実施された消費税8%への増税が物価上昇にストップをかけたと考えられます。

消費税の増税は、個人消費を抑えて景気を冷やす効果が大きいのです。これによって、日本銀行と日本政府の物価上昇へのコミットメントが大きく揺らぎ、実際に国民の消費活動が極端に抑えらたのです。

日本のGDPは6割以上が個人消費で構成されている為、増税が経済に与える影響は甚大です。

資産価格が下落し日本経済がデフレ傾向に回ってしまいますので、資産運用を始める際には注意が必要です。

 

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リフレキャット

日経平均株価の最高値更新を祝して美味しいお酒を飲める日を心待ちにしています。テクノロジーの発展と豊かで明るい未来を想像しながら、今日も『時代おくれ』を聴いています。