マネタリーベースと景気の関係をわかりやすく解説。

マネタリーベースと景気の関係をわかりやすく解説

 

現代の金融政策は、基本的に

マネタリーベースの調節

によっておこなわれます。

 

マネタリーベース(英: monetary base)とは、現金の通貨と民間の金融機関が中央銀行に預けた金銭の合計のこと。(中略)

地域や分野によってはベースマネー(base money)、ハイパワードマネー(high-powered money)やそれを翻訳した強力通貨、高権貨幣とも呼ばれる

wikipediaより引用

 

マネタリーベースは簡単にいえば

世の中に存在する通貨の合計

です。

 

内訳は、この3つの合計で算出されます。

 

✅マネタリーベースの内訳

 

 ✔️ 日本銀行券発行高

(市中に出回っている紙幣の合計)

 

✔️貨幣流通高

(市中に出回っている硬貨の合計)

 

✔️日銀当座預金残高

(金融機関が日本銀行に開設している当座預金)

 

つまり、マネタリーベースは流通紙幣と硬貨、そして民間銀行が日銀に預けるお金の合計ですから、世の中に存在するすべての通貨と言えるのです。

 

中央銀行は、金融政策によってマネタリーベースの量をコントロールする事で、物価を調整し、景気を調整します。

 

金融政策と景気の関係をわかりやすく解説する。

 

 

マネタリーベースと物価

 

日本銀行は、三井住友銀行やUFJ、その他の民間銀行とは決定的な違いがあります。

 

それは

通貨を発行できる

という事です。

 

この通貨発行権限は、巨大な権力であり、操作一つで経済に甚大な影響を与える事ができるのです。

 

世の中はモノとお金の量のバランスで物価が決まります。

 

例えば、モノの量がお金に比べて多くなれば、お金の価値は上がり、物価は下がります。

 

これをデフレーションといいます。

 

⬇︎

モノの価値 < お金の価値

 

 

デフレーションは、物価が下落して世の中の消費が減退して貯蓄が増加しますから、経済が停滞してしまいます。

 

反対に、通貨量がモノの量を上回れば、通貨価値は下落してモノの価値が上がります。

 

これをインフレーションといいます。

 

⬇︎

モノの価値>お金の価値

 

インフレーションは、消費が活発化して経済に活気を与えます。

 

戦争による供給量の激減や、過度な通貨の拡大によって起こるハイパーインフレーションは警戒する必要がありますが、マイルドやインフレは経済に好循環を与えます。

 

ここで再確認です。

 

マネタリーベース=世の中の通貨の合計

 

つまり、中央銀行は生産量に合わせてマネタリーベースを適切に拡大し、経済を好循環に持っていく役割をもつのです。

 

 

マネタリーベースとマネーストックの違い

 

マネタリーベースと似た概念に、マネーストック(マネーサプライ)とよばれるものがあります。

 

2つの違いを単純化していえば、マネタリーベースが世の中に存在する通貨の合計に対して、マネーストックは世の中に流通する通貨の合計と言えます。

 

マネタリーベース

世の中に存在する通貨の合計

 

マネーストック

市中に出回る通貨の合計

 

つまりマネーストックは、世の中に存在する通貨が実際にどのくらい市中に流れているかを示す指標と言えます。

 

具体的にはマネタリーベースから、中央政府と金融機関が持つ通貨を引いた額と言えます。

 

マネーストック=

マネタリーベース − 政府と金融機関が持つ通貨

市中にでまわっている通貨残高

 

マネーストックをさらに詳しくはリンク記事を参照ください。

マネーストック(マネーサプライ)とは?【わかりやすく解説】

 

物価の形成される方法を単純化して説明しましたが、実際に物価を上昇させて経済を好循環にもっていくにはマネーストックの拡大が極めて重要です。

 

マネタリーベースとマネーサプライの関係

 

それではマネタリーベースを拡大すれば、マネーストックは増えるのでしょうか?

 

結論からいえば、増えます。

 

ただマネタリーベースの拡大がマネーストックの増加に働きかけるスピードは比較的ゆっくりしています。

 

ですので、マネタリーベースの拡大をスピーディーにマネーストックの増加につなげる方法を同時に採用する必要があります。

 

政府と中央銀行による目標へのコミットメント

 

人は、「今がどうであるか?」よりも「未来がどうなるか?」という予測に基づいて行動する傾向があります。

 

これはマーケットや投資家、企業経営者の心理も同じです。

 

大切なのは、物価が上昇するまでマネタリーベースを拡大するという中央銀行のコミットメントによって投資家やマーケットの『期待』に働きかける事なのです。

 

わかりやすい例をあげれば2012年末。

 

安倍政権がデフレ脱却とインフレ目標の達成に明確な意思を示した事で、日経平均株価は急上昇し、為替が大きく円安に傾きました。

 

実際にマネタリーベースの拡大を発表したのは翌年2013年の4月ですから、政府と中央銀行の強力なコミットメントは実態経済のマインドに強く働きかけたことになります。

 

この政府と中央銀行による強力なコミットメントは、マネーストックの増加を強力に後押しするのです。

 

②財政拡大を同時におこなう

マネタリーベースと経済危機

 

2008年9月15日に、アメリカのリーマン・ブラザーズが経営破綻しました。

 

リーマン・ショックとよばれるこの出来事を契機に、世界には株価大暴落と金融危機へと陥ったのです。

 

ここで、デフレ不況を回避する為にアメリカやEUの中央銀行は、大胆なマネタリーベースの拡大に踏み切りました。

 

マネタリーベースの対前年比

画像出典:ニッポンの数字/マネタリーベース

 

しかし、日本銀行はマネタリーベースを拡大せず、日本は震源国のアメリカよりも長く深い円高不況に陥ってしまったのです。

 

 

次に大事な事は、マネタリーベースの変化率です。

マネタリーベースは、これだけの量があればよいという目安はありません。

市場が見ているのはその変化率であり、アベノミクス開始時は2年で2倍までマネタリーベースを増やすと発表しました。

 

出典 ニッポンの数字

 

どの様な事が起こったかのは前述した通りです。

実はこの中央銀行が金融政策を明確にしたタイミングが株式や不動産での資産運用を始める時なのです。

逆を言えば2019年1月現在、金融の緩和は継続している今は資産価格が高値圏で推移していますが、一転して金融が引き締め傾向になってしまえば、たちまち資産価格は下落してしまうと言えます。

 

マネタリーベースの量は、物価を押し上げる影響がある事は間違いありません。

とはいえ、アベノミクス発動でのマネタリーベースの拡大は、物価上昇に対して初めのうちは勢があったものの次第に鈍化していきました。

 

これは、2014年に実施された消費税8%への増税が物価上昇にストップをかけたと考えられます。

消費税の増税は、個人消費を抑えて景気を冷やす効果が大きいのです。これによって、日本銀行と日本政府の物価上昇へのコミットメントが大きく揺らぎ、実際に国民の消費活動が極端に抑えらたのです。

日本のGDPは6割以上が個人消費で構成されている為、増税が経済に与える影響は甚大です。

資産価格が下落し日本経済がデフレ傾向に回ってしまいますので、資産運用を始める際には注意が必要です。

最後に類似の概念で、マネーストック(マネーサプライ)の記事をご紹介して終わりにしたいと思います。

マネーストック(マネーサプライ)とは?【わかりやすく解説】

 


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