【デフレの原因とは?】わかりやすく解説

デフレーションとは?

 

日本はバブル崩壊以降、デフレーションに悩まされてきました。

参考記事:バブル崩壊とは?

 

2020年現在においても、新型コロナウイルスの感染拡大と10%へ引き上げられた消費税が、再びデフレ経済に転落しようとしています。

当記事では、デフレの原因と解決策を考え、日本経済復活の鍵に迫ります。

 

デフレーションとは?

 

デフレーション(英: Deflation)とは、物価が持続的に下落していく経済現象を指す。略してデフレと呼ぶ(日本語では物価収縮とも)。

wikipediaより引用

 

世の中の物の値段が安くなる事は、私たち消費者にとっては良い事と感じる人もいるかもしれませんが、そうとは言えません。

実はデフレは恐ろしい一面をもっており、むしろデフレーションは放置してしまえば大変な事になるのです。

 

デフレ経済下では物価の下落と同時に、人々の所得も下がります。

 

 

これは、デフレ経済が本格的に始まった1997年からアベノミクス開始までの民間給与所得の推移です。

 

デフレ経済のピークであったリーマンショック時には、民間給与は467万円から406万円にまで落ち込んでいます。

 

これは

物価が停滞している間に

民間給与が15%も減少した現実

を私たちに突きつけて来ています。

 

 

物価はどうやって決まるのか?

 

まずは、世の中の物価はどのようにして決まるのかを解説します。

 

結論から言えば、

世の中の物の価値は、世の中に存在するお金の量と物の量のバランスで決まります。

 

この世の中にリンゴ一個と10,000万円しか存在しないと仮定して考えてみます。

 

この時、リンゴ1個の価値は10,000万円になります。

しかし、一年後。

お金の存在は10,000万円のまま、生産技術の発達によって、リンゴが10個に増産されたとします。

 

 

そうすると、リンゴ一個あたりの価値はどうなるでしょうか?

 

リンゴの数は10個に増えましたので、一個当たりの価値は10分の1で1,000円となります。

 

 

世の中の物の量が増えたにも関わらず、お金の量を増やさなかったばかりに、リンゴ1個あたりの価値が下がってしまいました

 

この現象がデフレーションです。

 

つまりデフレーションは、物の価値が下がり、お金の価値が上がる現象といえますので、人々の需要は物 <  お金となります。

 

持続的に物価が下がるデフレーションとは、言い換えると持続的にお金の価値が上がるデフレーションと言えます。

 

例えば、缶コーヒーを例にして考えてみます。

今年、1本の価格が110円の缶コーヒーが来年にはデフレによって値下がりし、100円になったとしましょう。

 

今年110円払わなければ買えなかった缶コーヒーが、来年には100円だけで購入出来るということは、お金(100円)の価値が上がっているという事です。

 

 

そうなると人々は、今年お金を使うよりも来年に使った方が合理的だと考えますから、お金を消費から貯蓄に回すことになります。

企業も同じ理由で、投資や雇用を減らして内部留保に回すでしょう。

 

そうなればさらにデフレは深刻化して、消費と投資の減退から、雇用は悪化して国民の所得が減少し、最終的には自殺者数まで増えてしまいます。

このようにデフレは、恐ろしい経済現象なのです。

 

デフレの原因は?

 

デフレは

世の中に存在するお金の量が、物の量に対して不足している為に起こります。

 

日本人は勤勉に働きますから物をどんどん生産します。

 

そうなれば、本来はデフレ経済に陥らないようにするに、お金の量も増やしていかなければなりません。

でなければ、お金が希少価値をもってしまうので人々の需要はお金に向いてしまいます。

 

お金の量をコントロールするのは誰でしょう?

それは日本銀行です。

 

日本の失われた20年の根底を流れるデフレ経済の原因は、中央銀行の金融政策の失敗にあります。

 

日銀はアベノミクス までの20年間、モノの生産量に対して、発行する貨幣の量を抑制しすぎたのです。

 

 

金融政策の失敗

 

中央銀行は、通貨発行権という巨大な権限を持っています。

バブル崩壊以降、日本の中央銀行である日銀は、事あるごとに金融引き締め政策をおこなってきました。つまり、世の中のお金の量を増やさないようにコントロールしていたのです。

理由は諸説ありますが、バブルが発生する事を恐れていたともいわれています。

一方で日銀は通貨を発行しないという権限も持っています。日本のバブル崩壊以降のデフレの原因の大部分は金融政策の失敗にあります。

特にデフレが深刻化したリーマンショック時の金融政策はひどいものでした。

 

 

リーマンショックの震源国であるアメリカの中央銀行(FRB)や、ユーロ圏の中央銀行銀行(ECB)が、デフレ経済に陥らないように莫大な量の通貨を発行している中で、日本銀行は全く円を増やしませんでした。

 

これによって必要以上の円高が進み、日本だけがデフレ経済の泥沼化に苦しむ事になりました。

 

 

財政政策の失敗

 

もう一つ、日本のデフレ経済に拍車をかけた政策があります。

それが、消費税の導入および増税による緊縮財政です。

前述した通りデフレ経済下では、人々の需要が物よりも金に向かいます。つまり世の中の物が売れなくなります。

 

デフレ経済下では持続的に物価が下がっていきますので、今年よりも来年の方が物が安く買えるのです。 

それは買い控えが進むでしょう。

 

そんな状況の中で、さらに消費税率を引き上げたらどうなるか、答えは明白です。

 

当然、人々はさらに物を買わなくなるのです。

 

デフレ期においては政府は、お金の回りが良くなる積極財政政策を打たなければいけません

 

財政支出の拡大

 

減税政策

 

 

悲しい事に、日本はバブル崩壊以降、常にこの逆の政策を行ってしまいました。いわゆる緊縮財政です。

 

1989年に3%の消費税が導入されてから、5%、8%、10%と、デフレを促進させる緊縮財政は留まるところを知りません。

【消費税10%への増税は日本経済を破壊する】

 

この財務省主導による緊縮財政も、失われた20年に拍車をかけた事は間違いないのです。

 

 

世界最下位のマイナス成長

 

物価が持続的に下がるデフレーションの弊害をまとめます。

 

①失業率が上がり、雇用が悪化する

 

物価が下落する環境下では、企業全体の収益も減っています。

当然収益が減れば人を雇う事も困難となります。

 

②国民の所得、給料が下がる

 

企業の収益が下がれば従業員の給料にも影響します。

会社員の人だけではなく自営業の方も、世の中の消費が停滞しますので所得が下がる傾向になります。

 

③個人消費や企業の投資が低下する

 

世の中の雇用や給料が低下しますので、人々は消費を抑制せざるを得ません

また、企業も同様で収益が減っていきますので投資に回る資金を捻出する事が出来ません。

結果として、さらに世の中の物価は下がる事となります。

 

この1から3を繰り返してしまう悪循環をデフレスパイラルと言います。

 

出典 世界経済のネタ帳

 

1990年、バブル崩壊以降の失われた20年では、消費者物価指数の前年比が0以下の年も珍しくありません。

 

デフレは個人消費を停滞させ、GDP成長率を著しく阻害します。

なぜなら日本のGDPの6割は、個人消費で出来ているからです。

 

ショッキングな内容ではありますが、失われた20年の日本のGDP成長率は、世界最下位で唯一のマイナス成長となってしまいました。

 

 

 

デフレは人災

 

デフレ現象は自然に起こっている災害の様なものだと思っている人が多いのですが、デフレは明らかに人災です。

日銀の失策によってデフレが促進され不景気が深刻化した結果、我が国では多くの経済苦による自殺者が出てしまいました。

 

 

日本が本格的にデフレ経済に突入した97年から、自殺者数は毎年1万人増加しました。

これが、アベノミクスが始まるまで続いたのです。

この間約15年。

デフレは約15万人の経済苦による自殺者を生み出してしまったと言えます。これは人災です。

この死者数は日露戦争の戦死者の約2倍に及びます。

 

 

デフレの解決策は?

 

アベノミクスでデフレは終わった?

 

2012年末から始まったアベノミクスは、2%の物価上昇目標を掲げて金融緩和政策を実施しました。

量的緩和政策を行い、マネタリーベースを拡大して世の中に資金を大量に供給したのです。

2013年のアベノミクス開始当初は、とてつもない効果を発揮しました。

悪化の一途を辿っていた雇用情勢は回復し、自殺者数はふたたび3万人を割り込み、日経平均株価は急激に高騰しました。

 

ただ、勢いよく駆け上がる資産価格とは裏腹に、個人消費回復の勢いは今ひとつ盛り上がりにかけてしまいました。

 

それは2014年4月に実施した、消費税率8%への引き上げが原因でした。

 

 

これは、97年の5%、2014年の8%への消費税率引き上げの際の消費支出の推移です。

 

どちらも、駆け込み需要から大きく消費が冷え込み、時間が経っても回復の力が弱い事がわかります。

 

アベノミクスの大胆な金融政策によって上向きかけた個人消費、そして消費者物価指数も2014年の8%への消費税率の引き上げによって、失速してしまいました。

 

2019年、7月現在においても、インフレ目標である2%の物価上昇率には程遠い現状です。

 

原因には金融政策の不足(目標へのコミットメントの不足)と消費増税の緊縮財政、この2点に集約されるのです。

 

リフレ政策の原点に戻るべき

 

デフレを解決する方法は一つしかありません。

アベノミクスのような大胆な金融政策と積極的な財政政策をセットで行う事です。

確かにアベノミクス初期に行った金融政策、リフレ政策は雇用の劇的な回復をもって一定の成果を得ました。

しかし、財政政策に失敗したのです。

デフレ経済から明確に脱却して、明るい日本の未来を作るためには、この金融政策と財政政策を積極的に『セットで』行う事が必要です。

政府と日銀、そして財務省が明確にデフレ脱却に対するコミットメントを行う事がどうしても必要なのです。

2019年現在においては、消費税率10%への引き上げが予定されており、デフレ脱却には厳しい状況であると言わざるを得ません。

なぜ財務省は緊縮財政を止めないのか?

しかし、それでも私は日本経済の復活を夢見て、これからも学び、発信したいと思っています。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です