【アベノミクスとは?】わかりやすく解説

アベノミクスとは?

 

第2次安倍政権の誕生と同時に実施された経済政策、アベノミクスとは?

 

この経済政策の目的は、長期に渡る日本のデフレ経済、『失われた20年』を脱却する為です。

参考記事:失われた20年とは?

 

アベノミクス主に3つの経済政策

『3本の矢』

として構成されています。

 

◉ 1本目の矢

大胆な金融政策

参考記事:大胆な金額政策とは?

 

◉ 2本目の矢

機動的な財政政策

参考記事:財政政策とは?

 

3本目の矢

民間投資を喚起する成長戦略

 

この3つの経済政策について、それぞれ役割を解説します。

 

 

アベノミクス三本の矢

 

【一本目の矢】大胆な金融政策

 

 

 

1本目の矢は大胆な金融政策です。

何といってもアベノミクスの1番の功績は金融政策を転換した事です

第二次安倍政権によって任命された、黒田東彦(くろだはるひこ)日本銀行総裁は

量的・質的金融緩和

と呼ばれる金融緩和政策を導入し、マネタリーベース(世の中に供給するお金の総量)の拡大を約束しました。

 

参考記事:マネタリーベースとは?

 

 

量的・質的金融緩和

 

日本銀行が国債や上場投資信託などの金融資産を大量に買い入れることで、市場への資金供給量を大幅に増やす事。

 

黒田日銀が導入したこの金融緩和策は、2012年末に138兆円だったマネタリーベースを2年間で約270兆円に拡大するという大胆な内容です。

 

アベノミクスではこの金融緩和政策と同時に2%の物価目標(インフレターゲット)を掲げています。

 

物価目標(インフレターゲット

物価が上昇するまでお金を発行(金融緩和)する。その物価の目標値を物価目標という。

物価目標の達成まで、無制限に通貨を発行することをインフレターゲット政策という。

 

インフレターゲット2%の目的はハイパーインフレーションを抑え、物価上昇率2%程度の低インフレによる経済の好循環を目指す事にあります。

 

アベノミクス第1本目の矢である大胆な金融政策をまとめるとこうなります。

 

日銀が国内の金融資産(国債や株式)を買い取り、対価として貨幣を供給することで、国内マネーの量を拡大。

 

日銀金融資産買取りは、インフレ率(物価上昇率)が2%に達するまでは無制限に行われる事を約束した。

 

アベノミクス一本目の矢は、開始当初はものすごい勢いで効果を発揮しました

為替レートは円安に傾き、株価は急騰していきます。

後を追うように、実体経済にも効果が出てきました。

失業率は改善し、雇用者数が増加、マイナス圏だった物価上昇率がプラスに転換したのです。

このように経済政策の転換による景気の底入れ期は、資産運用を始めるにはとても良い時期です。

参考記事:資産運用とは?

 

しかし、この勢いが明確に衰えた出来事があります。

それが2014年4月に実施された、消費税率の8%への引き上げです。

消費税増税はアベノミクスの政策の一部だという人もいますが、これは間違いです。

この10%への増税が決定したのは、2012年の6月、与党であった旧民主党、自民党、公明党の間のあいだで結ばれた三党合意です。

つまり第二次安倍政権が誕生した時点で、増税路線は既に決まっていた事なのです。

 

参考記事:なぜ財務省は緊縮財政をやめないのか?

 

もちろん増税が阻止出来れば、軽くインフレ目標を達成していた勢いでしたので10%への増税が決行されてしまった事は非常に残念です。

しかしこれはあくまで第2時安倍政権はこの3党合意を実行しただけで、アベノミクスとは別物と考えなければ正しい経済政策が見えなくなってしまいます。

 

 

【2本目の矢】機動的な財政政策

 

2本目の矢は、機動的な財政政策です。

 

金融政策によって通貨を供給し、世の中をインフレに持っていく事は一番重要です。

ただ、金融政策は資産市場には素早く効力を発揮しますが、実体経済を好転換させるにはスピード力を欠いてしまいます。

そこで金融緩和の効果をよりスピーディー実体経済に浸透させるために必要な政策が政府による財政政策です。

金融政策が転換したからと言って、国民の財布の紐がすぐにゆるくはなりません。

特に我が国ニッポンは、ながらくデフレ経済に浸りきっていたので、国民の財布の紐はかなり固くなっています。

そこで、国民がお金を使わないうちは、公共投資や給付金、減税などの方法を使い、政府が民間に変わってお金を使いますよという政策が機動的な財政政策です。

 

しかし前述した通り、残念な事にアベノミクスは財政政策で増税を実施し、結果的に機動的とは正反対の緊縮財政といっても良い状態になりました。

また当初は、拡大傾向にあった公共投資も年々減少していきました。

本来は、金融の緩和と財政の緩和は併せておこなわなければいけません。

しかし、現実のアベノミクス は、日本銀行による金融政策と政府による財政政策の足並みがそろわずに、歪な政策になってしまったと私は認識しています。

 

お金の巡りについて

金融緩和によって貨幣量を増やす事はいわば造血作用です。そもそも血液がどんどん作られなければ人は生きていけません。

そしてせっかく作られた血液もドロドロのままでは身体の末端まで巡るのにとても時間を要します。そこで、血液をサラサラにするために水分補給をおこないます。この水分の役割が財政政策です。

水分補給をないがしろにしてしまっては、景気回復に時間がかかるどころか、血液がドロドロになりすぎて景気が後退してしまいます。

 

参考記事:財政政策をさらに詳しくはこちら

 

 

【3本目の矢】成長戦略

 

 

三番目の矢は成長戦略です。

何やらぼんやりして認知度も低い成長戦略ですが、以下の4つの視点から進められました。

 

◉ 投資の促進

規制緩和や投資減税を実施し、民間企業の活力を引き出す

人材の活躍強化

女性、若者、高齢者が活躍できる環境づくり

 

新たな市場の創出

少子高齢化などの課題を克服し、新しい市場を創出する

世界経済とのさらなる結合(グローバル化)

日本企業の海外進出、外国の日本への投資を喚起する

 

民間の活力を喚起=規制緩和

 

規制緩和=民間の活力を喚起の理屈を簡単に説明します。

規制がなければ、企業は自由に競争をはじめ、より良い製品・サービスの提供や低コストを実現し、企業は成長して市場が活性化する。

 

このように政府は市場の経済への介入を最小限に抑えられれば経済は活性化するという考え方があります。

その一方でまだまだ世の中には政府によって規制されている事がたくさんあります。

では、近年自由化が実現した電力を例に説明します。

今まで電力市場は日本政府によって新規参入の規制がなされていました。

以前は、発電には大規模な発電所の設備が必要でしたので、大手発電所は大量生産によって発電コストを下げられる圧倒的優位性を持っていました。

そこで政府は電力会社に地域独占を認める代わりに、料金を規制する事で電気料金の高騰を防ごうとう考えたのです。

しかし現在は太陽光やバイオマスなど、小規模な発電所も増えてきました。

そんな環境の変化に鑑みて新規参入の規制を撤廃し、企業に競争してもらう事で民間の企業活動を活性化しようと実施されたのが、電力の自由化です。

 

このように、企業間の競争を活発にするために、政府による介入をなくしましょうとする事が規制緩和であり、成長戦略の本丸です。

 

しかし、この成長戦略も成功させるには適切な金融政策が行われている事が大前提です。

 

金融が緩和されていなければ、いくら規制を撤廃して企業間の競争が起こっても、それは値下げ競争に向かい、体力のない会社は次々と淘汰されてしまいます。

最後にはデフレ経済に行き着いてしまうのです。

 

私が現状で必要であると考えている成長戦略はエネルギー政策です。

現在は、ある種の安全上の規制によって多くの原子力発電所が停止されています。

これによって、足りないエネルギーを輸入によって賄っていますが、このコストは莫大なもので経済的な損失も大きいのが現状です。

安全が確認された原発は、勇気を持って再稼働をしていくという事が必要だと考えています。

 

まとめ

 

このように、お金を刷り、政府が使い、国民を潤すアベノミクスの三本の矢は、経済政策として理にかなったものでした。

金融政策と財政政策がベクトルを同じく実行されていれば、2%の物価目標はすぐに達成出来ていたでしょう。

しかし、2019年現在、消費者物価指数はコアコアで0.3%。

2%には程遠い状態です。

 

消費税の増税が個人消費に与えたダメージが甚大だった上に、日銀の物価目標へのコミットメントが揺らいでいる事が、アベノミクスの効果を半減させてしまいました。

さらに、2019年の10月には10%への増税がされました。

参考記事: 【消費税10%への増税は日本経済を破壊する】

今のままの三本の矢であれば、デフレ脱却が大きく遠のいてしまうでしょう。

 

アベノミクスの1本目の矢である大胆な金融政策によって改善された雇用情勢も、緊縮財政によって危機に瀕しています。

 

今、金融政策と財政政策の両輪にアクセルを踏む経済政策が日本経済にとって求められているのです。

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