EU(欧州連合)の問題点【わかりやすく解説】

EU(欧州連合)とその問題点をわかりやすく解説

 

EUは通貨ユーロを主軸としたヨーロッパ各国の自由貿易経済圏です。

《European Union》EC(欧州共同体)を基礎に、外交・安全保障政策の共通化と通貨統合の実現を目的とする統合体。

デジタル大辞泉より引用

 

EUの誕生

 

ヨーロッパの歴史は争いの歴史

です。

30年戦争

100年戦争

335年戦争

フランス革命

 

上記はほんの一例で、ヨーロッパでは様々な民族や宗教間の争いは絶える事なく、かつ壮絶なものでした。

 

そうして長い長い争いの末、1945年に第2時世界大戦が集結します。

ヨーロッパ全土は不毛な争いによって疲弊しきてしまいました。

この時世界で、資本主義国であるアメリカと社会主義国であるソビエト連邦(ソ連)の二大国が、覇権を争い軍拡競争を始めます。

そんな世界情勢の中、ヨーロッパの国々で結束を望む声が高まって来ました。

2つの軍事大国に対抗し得る経済圏を作る為です。

1952年/欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)が発足。

⬇︎

欧州経済共同体(EEC)欧州原子力共同体(Euratom)が発足。

⬇︎

1967年/欧州諸共同体(EC)として統合。

⬇︎

1992年/欧州連合(EU)が誕生。

 

加盟国28ヶ国(2019年2月現在

 

 

単一通貨ユーロ

 

まず、EUの目的をまとめます。

 

【EUの目的】

ヨーロッパ圏での戦争をなくし、平和を維持する。

アメリカ、中国、日本などの経済大国に対抗できる経済圏を作る

 

この目的の下、それを実現すべくEUにはルールがあります。

 

1 

 EU圏の共通通貨EURO(ユーロ)

使用する

2  パスポートなしで国家間を行き来できる。

3  貿易での関税を撤廃。(自由貿易)

 

自由貿易に関しては、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)やFTA(自由貿易協定)といった形で様々な国家間、経済圏において実施されています。

基本的には自由貿易は、国家間の取引を活性化させて各国にwin-winの関係を成立させます。比較優位の法則)

しかし、ここで問題点が浮上します。

本来、自由貿易を促進させるために各国の中央銀行は金融政策を用いて自国通貨を調整し、自由貿易の効果を最大限に引き出す政策を行います。

ところがEU諸国は、ユーロという単一通貨に縛られている為、自国通貨を思うように金融政策、すなわち通貨の量をコントロールする事が出来ないのです。

 

貿易や人の行き来を自由にした反面、通貨の統一によって各国の金融政策の自由度をある程度制限せざるを得ないというのがEUの現状です。

 

EUの問題点

 

イギリスのEU離脱(ブレクジット)から見るアイデンティティの問題

 

2016年6月23日、世界の株式市場に暴落が起こりました。それは、イギリスの国民投票によって、イギリスEU加盟国からの脱退が決定した事が原因です。

EU離脱に世論が向かった背景には、大量にEU加盟国から流入した移民への不満が背景にあります。

人の行き来が自由になったEUでは、賃金の安い国から高い国への人の移動が起こります。

この移民受け入れは現代日本でも見られる現象ですが、イギリスでは、2004年から11年間で100万人から300万人へと3倍にまで移民の数が増加しました。

この移民受け入れによってイギリス国民は、職を奪われる事となりました。

それは仕事だけに留まらず、社会保障や教育面など、イギリス国民と同等に行う移民の増加によって、実質的にイギリス国民のメリットが奪われる事となります

その為、2015年あたりから、急速にイギリス国民の中に反EU離脱への気運が高まってきました。

 

もともとEUには国境のボーダーラインを低くして、最終的には一つの国家と同等の共同体を作るという目的があります。

しかし、この移民問題からは、国民の自国民としてアイデンティティを消去する事の難しさが垣間見えました。

長きにわたり争いを繰り返してきたヨーロッパ諸国民において、宗教観や民族観を消し去り、移民を自国民と同等に扱うという事自体が非常に困難である現実が露呈たのです。

 

金融政策による国家間の問題

 

EUの問題点は、経済を統一しても政治(国家のアイデンティティ)を統一出来ていない点に集約されます。

そんな状況の中、政治(財政)を各国で分離している上では実は経済の完全統一も難しいのです。

通常、経済政策を行う際には、景気状況を見ながら中央銀行が金融政策によって調整を行います。

EUでは、この経済統一を行っていますので、通貨はユーロであり、発行元はECB(ヨーロッパセントラルバンク)にゆだねています。

2015年から、ECBは不況対策のために量的緩和政策を開始しました。ここで大きな問題が起こります。

それは、EU内のどの国から、どれだけの国債を買い取るのか?

という問題です。

 

量的緩和とは、国の発行する債券(国債)を中央銀行が買い取って、代わりに通貨を国内に供給する方法です。

アベノミクス開始からの日本でもこの方法が採用され、日銀が民間銀行の持つ日本国債を買い取り、変わりに日本円を日銀当座預金に供給していきました。

しかしEUの場合は、通貨はユーロとして統一していますが、国家はバラバラです。ですので、どの国からどれだけの国債を買い取るのか?(どの国にどれだけユーロを供給するか?)という問題に突き当たります。

 

金融統一しながら財政分離を行うと、国力の差によって国家間の格差が助長されていきます。

最近の典型的な例では、ドイツギリシャです。

ドイツは常に財政黒字を計上して、ギリシャは破たん寸前でした。

財政を分離していると、ドイツがギリシャを救う事はしません。それは国民感情(アイデンティティ)が存在するからです。

『なぜ私たちドイツ国民が、怠け者のギリシャ国民を助けなければいけないのか?』

先ほどのブレクジットの場合と同じですが、国民感情、アイデンティティが邪魔をするのです。

 

一方で、金融と財政が統一されている普通の国、例えば日本を例にとって正常な状態を考えてみます。

財政が切迫されているA県と、毎年黒字を計上しているB県があるとします。このときに、B県は地方交付税という形でA県を助ける事が出来ます。

これに反対する日本国民はあまり見かけません。それは、日本国民は同じ言語で同じ民族であるという潜在的なアイデンティティを持っているからです。

 

このように、EUでは、設立当初から少々無理がある形で経済統一が行われました。

その歪が、ギリシャの破綻やブレクジットによって明るみになってきたと言えるでしょう。

 

これらEUの問題は、移民問題も含めて現在の日本にも通づる事がたくさんあります。

私たちの進むべき道を考えてみる事、そしこれからの資産運用に活かしていただけましたら幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

リフレキャット

日経平均株価の最高値更新を祝して美味しいお酒を飲める日を心待ちにしています。テクノロジーの発展と豊かで明るい未来を想像しながら、今日も『時代おくれ』を聴いています。