【米中貿易戦争】アフターコロナと日本経済

米中貿易戦争と日本

 

中国武漢から発生した新型コロナウイルスは、2020年初頭からまたたく間に世界中に蔓延しました。

 

米中貿易戦争が激化する最中に起こったこの新型コロナウイルスによる経済危機は、世界に、そして日本にどのような影響をもたらすのでしょうか?

 

当記事ではアメリカ・中国という2大国の貿易戦争、覇権争いが世界と日本に与える影響に迫ります。

 

貿易戦争とは?

 

貿易戦争は、双方が追加関税措置によって貿易摩擦を発生させる事によってお互いの国益を守る目的で行われます。

 

貿易摩擦(ぼうえきまさつ)とは、特定国に対する輸出・輸入の急速な変化から起きる問題のこと。

wikipediaより引用

 

例えばアメリカが日本からの輸入品に対して高い関税をかけたとします。

 

すると日本はアメリカに輸出する関税を多く払わなければなりません。

 

そうなれば日本は輸出しづらくなり、日本の輸出産業にとって、アメリカの追加関税措置はマイナスに働きます。

 

このように関税をかけることは、相手国の輸出にダメージを与えるとともに、自国の産業を守る事につながります。

 

例えば、アメリカから安い牛肉が大量に輸入されると、日本国内の農家は競争にさらされる事になり、ダメージを受けてしまいます。

 

こんな時、アメリカから大量に入ってくる牛肉に対して関税をかける事で、日本国内の農家へのダメージを抑える事ができます。

 

このように、関税とは自国の産業を守る為に存在している一面があるのです。

 

そして意図的に追加関税を実施して貿易摩擦を発生させ、激化してしまう現象を貿易戦争と呼びます。

 

米中貿易戦争の原因は?

 

 

米中貿易戦争と言われる問題は、トランプ政権発足後に顕在化しました。

 

2017年、中国税関総署は対米貿易額を発表します。

 

中国の対米貿易黒字額は2,758億1,000万ドルと過去最高を更新したことを受けて、アメリカは、中国からの輸入品の一部に追加関税を課すことを発表しました。

 

中国も徹底抗戦とばかりに報復関税措置を取ります。

 

関税合戦の主な経緯はこちらに集約されています。

 

 

アメリカが中国通信機器最大手、ファーウェイの輸入品を禁止した方は大きなニュースになりました。

 

そして2019年8月、トランプ政権は中国を為替操作国に認定し、さらなる制裁に踏み切る緊迫した情勢となっています。

 

なぜトランプ政権は中国に貿易戦争を仕掛けたのでしょうか?

 

それは、日米中のGDPの推移を表した下記グラフを見れば理由が見えてきます。

 

画像  朝日新聞デジタル

 

GDPに関して詳しくはリンク記事を参照ください

GDP(国内総生産)とは?【わかりやすく解説】

 

日本がバブル崩壊後の経済停滞に苦しむ間に、中国は世界第2位の経済大国にのし上がりました。

 

2000年を超えたあたりから、中国は急激に経済成長を遂げ、世界第2位である日本を簡単に飛び越えて米国の脅威となりうる存在となったのです。

 

歴史上、アメリカの存在を脅かす国はアメリカから牽制されます。

 

第二次世界大戦前の軍事大国として台頭した日本への牽制や、80年代に経済大国としてのし上がった日本への牽制(プラザ合意)も、類似したケースとして理解しやすいでしょう。

 

それでも、米国民主党のオバマ政権は中国に対して融和路線をとっていました。

 

しかし、オバマ政権に不満を持ったアメリカ国民からの民意とともに誕生したトランプ政権によって、対中政策は一転します。

 

ここから、軍事経済大国化する中国と、世界1の経済大国であるアメリカの貿易戦争が始まったのです。

 

米中貿易戦争による世界への影響

 

世界経済への影響

 

貿易戦争は、関税措置を通して相互の貿易関係にダメージを与えます。

これは世界経済にとっては明らかにマイナスです。

 

『互いに合意の上での交換は

互いの厚生を向上させる』

 

これは、経済学での原理原則であり、国内の個人消費も例外ではありません。

 

消費が活発化すれば景気は良くなり、人々の所得は上がります。

 

TPP(環太平洋パートナーシップ協定)をはじめとする自由貿易協定は、この原理を活用し、互いの国の厚生を高める目的で結ばれます。

 

したがって、世界のGDPトップ二大国が関税措置を通して取引に制限をかけることは、世界経済への悪影響が甚大である事は想像に難しくないでしょう。

 

そんな米中貿易戦争への懸念が払拭できぬまま、2020年には新型コロナウイルスが世界的に流行します。

 

特にアメリカやヨーロッパの被害は甚大であり、アメリカの怒りも頂点に達しています。

 

新型コロナウイルスの世界的な流行によって、貿易上での戦争に止まらないほどに、両国の緊張は高まってしまったのです。

 

世界安全保障への影響

 

米中の貿易戦争の本質は、世界の覇権国争いです。

互いにデメリットもある貿易戦争は、経済的なダメージを受けたとしても自国の安全保障を守る為におこなわれているのです。

 

中国は経済成長とともに軍事費を大きく拡大しており、アメリカは中国に対して軍事的警戒をしているのです。

 

アメリカは米中貿易戦争によって多少の経済的ダメージはあったとしても、安全保障上ではメリットがあると考えているのです。

 

これは、かつてアメリカと旧ソ連の間で起こった冷戦の構造と似ています。

 

 

資本主義国のアメリカは、共産主義国のソ連と軍拡、貿易戦争の末に勝利しました。

 

【資本主義】対【共産主義】

 

米中貿易戦争では、この対立の現代版だと言えるでしょう。

 

ソ連の崩壊後、経済的観点から見れば明らかに共産主義という計画経済は失敗に終わりました。

そこで現代の中国は、政治的には共産主義による一党独裁を継続して軍拡路線に邁進する一方で、経済面では資本主義に歩み寄ったのです。

そして、中国は世界の工場として急激にな経済成長を遂げ、中国共産党独裁体制による経済大国にのし上がりました。

 

【民主主義】 対 【全体主義】

 

そんな側面も持っている米中貿易戦争は、未来の世界の体制を決めるスタート地点と言えるのかもしれません。

 

米中貿易戦争の日本への影響

 

経済的影響

 

世界の経済大国一位と二位が貿易戦争を始めると、前述した通りで世界経済には明らかにマイナスとなります。

今や世界各国は貿易や投資によって、経済的に切っても切れない関係にあります。

当然、日本経済にとってもマイナスとなって働くでしょう。

 

さらに、日本は国内にも経済を早速させる大きな要因を持っています。

それは10%への消費税率の引き上げです。

日本のGDPは、6割が個人消費で成り立っていますが、この消費がダメージを受けると日本経済は大きく停滞する恐れがあります。

 

イギリスのEU離脱問題もあり、今、世界経済はリスクを抱えています。

日本にとって一番最悪のケースは、米中貿易戦争によって失速した世界経済の煽りを受ける中で消費税増税の悪影響に対して何も対策をしないことです。

 

こうなってしまっては、日本経済は明確に失われた40年の入り口に入ってしまいます。

 

今こそ日本は、アベノミクス の原点に戻り、リフレ政策と積極財政に転換する必要があります。

 

安全保障的影響

 

日本は民主主義として、日米安全保障条約によってアメリカと同盟を結び、今日まで平和を甘受してきました。

一方で、独裁国家である中国の軍事大国化によって、近年の東アジアの軍事バランスは明確に変化しています。〜日本の安全保障について考える〜

もし、このまま中国がアメリカの軍事力を超えてしまう事が起これば、日米同盟では中国に対抗する力を失ってしまうでしょう。

中国は、アジア覇権国家への意志を明確に表明しています。

軍事バランスが明確に崩れてしまえば、東アジアの国々はもちろん、日本も中国共産党の支配下に置かれる事もフィクションではなくなります。

 

日本は民主主義国として、アメリカの組むか、アジアの独裁国家の中国と組むか?

これはもはや言うまでもないでしょう。

 

米中貿易戦争によって、中国の軍事経済大国化を牽制する事は、日本やアジアの国々にとって安全保障上ではプラスになると考えています。

 

まとめ

 

日本は独自の経済政策を

 

日本にとっては安全保障面ではプラスとなる日米貿易戦争ですが、経済的には大きなリスク要因となります。

リスクを回避するには、日本も独自の経済対策を行わなければいけません。

 

日本は1920年代から起こった世界恐慌から、金融財政政策の転換によって世界でいち早くデフレ不況から脱却しました。

【小日本主義とリフレ主義】石橋湛山の経済思想から学ぶ。

 

世界の不安定要因も、日本の毅然とした経済政策が出来れば克服出来るのです。

 

しかし、バブル崩壊後の日本はことごとく経済政策に失敗してきました。

デフレから脱却しきれていない今もなお、消費税率10%への引き上げを決定するという失策を続けています。(アベノミクスの金融政策には評価できる点もありますが)

 

したがって、米中の貿易戦争が実体経済に悪影響を及ぼす前に、金融政策と財政政策をフル回転させ、世界恐慌から脱却した頃と同じ政策を行う必要があります。

 

でなければ、日本は再度、経済衰退期に突入し、防衛力すら低下して安全保障上でも危なくなってしまうのです。


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