【財政政策とは?】わかりやすく解説

財政政策とは?

✅財政政策

政府が、歳入歳出を通じて、経済に影響を及ぼす政策のこと。

中央銀行が行う金融政策とならぶ経済政策の柱です。

歳入面では増税(または減税)や国債発行の増減、歳出面では公共事業の拡大(または縮小)をすることによって、景気の拡大や抑制を図る政策です。

情報提供:株式会社時事通信社

 

財政政策は、金融政策と並ぶ重要な景気の調整を図る経済政策の一つです。

財政政策を単純化すれば、下記の3つを実行する政策です。

 

どうやって資本を集め

どうやって国民に分配

どうやって国全体を豊かにするか?

 

景気循環に合わせて正しく財政政策を行えば国を豊かに出来ますが、逆を言えばこれを間違えてしまえば国民は困窮してしまいます。

それだけ、財政政策は重要な政策なのです。

 

 

それではまず、国民経済を豊かにする為に必要な3つのキーワードを紹介します。

 

成長

安定

再分配

 

① 経済成長でパイを拡大

② 成長した経済の安定化を図る

③ 極端な格差を防ぐ為に再分配をおこなって、経済を底上げ

 

金融政策とともに、この3つを実現する事が財政政策の目的といえます。

 

では、財政政策の手法を具体的に説明します。

 

財政政策の方法

財政政策は、歳入(税収および公債の発行)歳出(国家予算)に分かれます。

 

景気対策における財政政策の基本的なスタンスは以下のように実施されます。 

✅景気が悪い時

➡︎歳出を拡張して世の中にお金を分配させ消費を喚起させる

✅景気が良い時

➡︎税収を引き上げて景気を冷ます

 

それでは、歳入の方法から説明しましょう。

 

歳入

(どうやって資金を集めるか?)

 

財政政策をの原資となる歳入は、税収と公債の発行から成り立っていますので、その内訳を以下の画像にまとめました。

 

画像:令和2年度予算案(国税庁HP)を基に筆者作成

 

税収 ・・・ 約6

公債発行による収入・・・約3

その他・・・約1

 

大体このような配分ですので、次は税収と公債発行による違いを説明します。

 

税収の内訳

 

所得税   人々の所得に応じて課税

消費税   人々の消費に対して課税

法人税   企業の利益に対して課税

 

これら税制の創設や撤廃、税率の上げ下げなどは財政政策に含まれます。

 

ここで、2019年10月に実施された財政政策、消費税率10%への引き上げについて特筆しておきます。

消費増税という緊縮財政は、第2次安倍政権の大きな失敗と言えます。

経済の活性化を目指して行われたアベノミクスに逆行するように、消費税率の引き上げは個人消費の停滞を招きます。

アベノミクスの金融政策の効果を認める私でも、この消費税の増税はデフレ脱却の大きな足かせとなっており、大失敗と捉えています。

 

参考記事:消費税率10%への引き上げについて

参考記事:なぜ財務省は緊縮財政をやめないのか?

 

 

公債発行

 

国民からの税収で賄えない国家予算は、公債(日本国債)の発行によって資金を調達します。

これら国債の発行、調達方法も財政政策に含まれます。

 

建設国債

公共事業費や出資金・貸付金の歳出に充てるために発行する国債

 

特例国債(赤字国債)

 建設国債を発行しても、なお歳入が不足すると見込まれる場合に、政府が公共事業費以外の歳出に充てる国債。

 

メディア等で言われる『国の借金』『国民ひとりあたり数百万円の借金』とは、この日本政府が発行する国債のことを指します。

ただこの表現は正しくありません。

なぜなら、国債の買い手の9割は日本国内ですので、日本政府が国民からお金を借りている』『国民一人当たりの債権』と表現するとが的確でしょう。

『国の借金』とは?【わかりやすく解説】

 

それでは、これら税収と国債発行によって集めた資金を景気の調整や国の成長の為にどうやって使うか?

財政政策の見せ所である歳出について説明します。

 

歳出

(どうやって使うか?)

 

画像:令和2年度予算案(国税庁HP)を基に筆者作成

 

財政政策における歳出のポイントは

国(国民)にとって有効に、経済の発展に使うこと

です。

 

歳出の方法は多岐に渡ります。

 

社会保障費

病気や老後の、社会的リスク発生時に分配する歳出

公共事業費

民間に任せていては最適量までの生産が行われない、インフラストラクチャー(社会資本)整備

文教および科学振興費

教育や科学技術発展への歳出

防衛費

軍事機器の購入や、自衛隊員の人件費等、国防の為の歳出

 

いくつもの歳出の方法の中から、一体どうやってお金を使えば国が豊かになるのでしょうか?

次は、効果的な財政政策について考えてみます。

 

機動的な財政政策

 

【アベノミクスとは?】成果と課題をわかりやすく解説

 

2012年末なら開始された経済政策のアベノミクスで、機動的な財政政策が掲げられました。

 

これは、平成バブルの崩壊から長く続くデフレ不況から脱却する為です。

 

デフレ不況下では、国内の消費や投資が停滞し、国民は職を失い賃金が下落し困窮します。

そこで、アベノミクス2本目の矢である『機動的な財政政策』がやろうとした事はこれです。

政府が国民に変わってお金を使う

 

つまり、財政出動です。

 

 

日本銀行が金融政策で発行したお金は、民間市場に届くまでに時間がかかります。

デフレ不況下では国民の賃金も下がり、国民の消費も停滞しますから国民がお金を使わずに貯蓄に回しているので、政府が国民に変わってがお金を使わなければいけません

 

日本政府が税収と国債発行によって得た歳入を大胆に拡大し、金融政策の効果を最大限に発揮させる事が、機動的な財政政策の目的だったのです。

 

 

マクロ経済の大原則は、誰かの消費は誰かの所得です。

 

国民の消費が減ってしまえば、国民の所得が減ってしまいます。

 

つまり、国民に代わって政府が多くの歳出を行なってお金をバラまくのです。

 

国を豊かにする財政政策は、国民の所得を増やす必要がある為、国が豊かになっている状態を国内総生産(GDP)の成長率で定義します。

国が豊かになっている状態

GDP(国内総生産)が

前年比で3%以上伸びている状態

 

GDP(国内総生産)は、国民の所得合計と等しくなります。

 

国内総生産が伸びているという事は、国民の所得合計も伸びており、国内の消費や投資も同じ分だけ伸びている事を示します。(三面等価の原則)

 

以上の事から、不況によってお金を使わない国民に変わって、政府の財政出動、とにかくお金を使う事が重要なのです。

 

ここからは今の日本で特に効果的な歳出方法に迫ります。

 

給付金(減税)

 

2019年10月から消費税率10%に引き上げられました。これによって、低所得者層から中間層の貧困化が加速します。

若者世代や年金生活の低所得者層には大胆に給付金を配り、消費を活性化させて経済の底上げを図る事が喫緊の課題です。

消費減税や復興税減税等の減税政策が理想なのですが、現状は増税路線を食い止める事は政治的に困難と言えるでしょう。

参考記事:なぜ財務省は緊縮財政をやめないのか?

 

であるならば、国民にその納税負担分を上回る大胆な給付金を配布すべきです。

 

 

インフラ投資(公共事業)

 

災害大国の日本では、防災対策を中心としたインフラ投資が必須です。まだまだ、国内の耐震化や堤防、治水ダムの完備などは足りていません。

政府財務省が緊縮財政を続けてきた結果、インフラ投資を削減し、高速道路等の老朽化も進んでいます。

 

画像:公共投資額の推移

 

公共投資を削減している場合ではありません。

予測されている首都直下型地震や、南海トラフ地震による対策としても、インフラ投資はすぐにでも必要なのです。

 

 

防衛費の増強

 

日本の防衛費は、先進国と並べてみてもまだまだ足りていません。

隣の大陸、中国では年々軍事費を増強しており、東アジアのパワーバランスは大きく変化しています。

画像:アジア3国の軍事費

 

残念な事に2018年には、日本の軍事費は韓国にも抜かれてしまいました。

今、日本の安全保障はかなり不安定化しており、防衛費への投資が必要です。

 

参考記事:日本の安全保障について

 

 

財政政策と金融政策

 

それでは、政府がとにかくお金を使うと言っても、財源はどこにあるのでしょうか?

世間では日本は借金大国であると言われています。

日本が借金大国であるという論説は、参考記事を読んでもらえればまったくの誤解であると理解頂けると思います。

参考記事:国の借金について

 

そして、ここで財政出動を行う上で必須な政策が金融政策です。

日本銀行の金融政策によって、日本円を発行して行うのです。

少しシンプルにしすぎた表現ではこうなります。

日銀がお金を発行して、

政府がお金を配る

 

少し詳しく言えば、政府が発行した国債を日銀が買い取り、その対価として日本円を市場に供給するという事です。

 

日銀は、金融政策によって貨幣を自由に発行できます。

貨幣発行の副作用はただ一つ。

インフレーション

これだけです。

 

そんな事をするとハイパーインフレーションが起こる!

といった批判が起こりますが、これは暴論です。

なぜなら、日本はデフレからです。

デフレ脱却までは、金融政策によってモノの生産を上回る貨幣を発行し、合わせてマネーを国民まで行き渡る財政政策を行う必要があるのです。

もしインフレが過熱したらはじめて金融を引き締めたり、増税すれば良いだけです。

デフレの状態でハイパーインフレの発生を危惧して何もしない事こそが危険であり、失われた20年の原因の大部分もそこにあるのです。

アベノミクスでは、金融政策を転換させて雇用を改善させました。

しかし、財政政策は機動的とはお世辞にも言えず、金融政策の効果を台無しにしていまったのです。(それでも金融緩和の実施がされただけマシだとも言えますが)

現在の日本の経済政策は、金融というアクセスを踏みながら、同時に財政というブレーキを踏んでいるようなものです。

そのブレーキが強すぎるがゆえに、再びデフレに戻ってしまいそうな状況と言えます。

 

今こそ日本はアベノミクスの原点に立ち戻り、金融政策をさらに強化しながら積極的な財政政策をおこなう必要があるのです。

 

 


社会・経済ランキング

日本の未来を応援するブログの応援をお願いします^_^

 

ABOUTこの記事をかいた人

日本の未来を応援するネコ

日経平均株価の最高値更新を祝して美味しいお酒を飲める日を心待ちにしています。テクノロジーの発展と豊かで明るい未来を想像しながら、今日も『時代おくれ』を聴いています。