【九州豪雨】災害大国日本と経済対策について

災害大国日本

 

本記事を執筆している2020年7月に、九州では集中豪雨が発生し、多数の犠牲者が出ています。

 

一刻も早い終息と復興を願うとともに被災された方々にお見舞い申し上げます。

 

新型コロナウイルス感染拡大による自粛からわずかばかり解放された矢先の出来事であるがゆえ、想像を絶する厳しい状況の方も多くおられると思います。

 

微力ながら当記事を1人でも多くの方に届け、災害対策を含む経済政策に世論が協力に向かう手助けとなれれば幸いです。

 

九州豪雨 熊本中心に57人死亡 2人心肺停止 17人不明 捜索続く

九州豪雨 熊本中心に57人死亡 2人心肺停止 17人不明 捜索続く
 
今回の記録的な大雨では、これまでに熊本県を中心に57人が死亡し、2人が心肺停止、17人が行方不明となっています。
まだ被害が把握できていないところもあり、警察や消防、自衛隊などが8日も捜索を続けています。
 
 
 
 
集中豪雨、台風、地震。
 
 
日本列島は本当に多くの災害に見舞われます。
 
 
私たちのご先祖は、長い年月をかけてこの災害から身を守る方法を蓄積してきましたが、未だに数々の災害による大きな被害が絶えません。
 
 
私は、日本政府の経済対策、とりわけ防災インフラの整備が早急に必要だと考えています。
 
 
 
これから日本政府が、豪雨災害からの復旧や再発の防止、新たな地震等への災害対策としてとるべき経済政策を紹介します。
 
 
 
 

建設が中止された川辺川ダム

 
 
今回の集中豪雨で被害の大きい熊本県では、かつて『川辺川ダム』の建設が計画されていました。
 
 
 
 
画像:Wikipedia川辺川ダム建設予定地より
 
 
 
しかし、2008年に当選した蒲島郁夫知事が反対を表明し、「コンクリートから人へ」を標榜した民主党政権(現立憲民主党)によって国の方針として中止されました。
 
 
ダムの建設にかかる時間は7年〜31年と言われていますが、もし川辺川ダムが完成していれば、被害は大幅に抑えられた事でしょう。
 
 
 
『コンクリートから人へ』
 
 
 
このスローガンは公共事業を削減して、そのお金を人の為に使おう、といった旧自民党政権がおこなった経済政策へのアンチテーゼを含んでいました。
 
 
しかし、理想と現実の乖離は凄まじいものでした。 
 
 
コンクリートが無くなれば、災害時には人が死んでしまうのです。
 
 
 
もう一、東日本大震災の津波による原発事故を例にあげます。
 
 
津波によってメルトダウンした福島第一原発1号機は麻生政権時代に、IAEAから世界でもっとも古い原発の一つだしメンテナンスしたらどうか?との警告をうけました。

そこで麻生政権はメンテナンス費用を21年度予算に盛り込みます。

ところが、2009年に誕生した旧民主党政権は、『コンクリートから人へ』のスローガンの下で、この福島原発メンテナンス費用をカットしてしまいました。

東北に位置する女川原発も津波をうけましたが

、まだ新しいこの原発はビクともしませんでした。
 
 
福島原発も川辺川ダムと同様に、インフラ整備のカットが被害拡大の原因になったということです。
 
 
 
コンクリートから人へ。
 
 
耳触りの良いスローガンは、実は極めて危険な政策につながっていたのです。
 
 
災害大国日本のインフラは、戦後に建てられ老朽化したものがたくさんあります。
 
まだまだメンテナンスが必要なものがたくさんあります。
 
 
このように、防災インフラ整備を含めた財政政策は、今の日本にとって喫緊の課題なのです。
 
 
 

なぜ公共投資は進まないか?

 

旧民主党政権が終わり、2012年に第2次安倍政権が誕生してから、経済政策アベノミクスによって歳出拡大政策に舵を切りました。

 

画像引用元:ニッポンの数字

 

これは、日本の公共事業費の推移です。

 

アベノミクス開始直後の2012年はまだ良かったものの、再び低迷しています。

 

ここで、おそらく出てくるであろう公共事業拡大による2つの疑問について解説します。

 

財源は確保できるか?

✅人材は確保出来るか?

 

 

①財源は確保できるか?

 

結論からいえば、公共事業のための財源は簡単に確保する事ができます。

 

それは

日本政府が国債を発行して資金を調達する

これだけです。

 

『また借金か!』

という批判も飛んでくるのですが、厳密には日本国債は借金ではありません。

 

なぜなら、日本国債は9割以上が国内で消化されているからです。

 

 

これは令和2年3月末の日本国債保有者の割合です。

日本政府の子会社である日本銀行が、その半数近くを占めています。

 

日本銀行は貨幣を発行できますから、過度なインフレの手前までは、無制限に資金を供給できるのです。

 

つまり国債発行による災害対策は、デフレ脱却の為の景気対策にもなり得るということです。

 

ましてや『コンクリートから人へ』といった公共投資削減の緊縮財政は、災害、経済の2つの面から国民を苦しめると言っても過言ではありません。

 

国の借金についてさらに詳しくはこちらへ⬇︎

『国の借金』とは?【わかりやすく解説】

 

 

②人材は確保できるか?

 

実は、財源よりも深刻な問題は『公共事業をおこなう人材が不足している』という事です。

 

長く続いた日本の公共投資削減とデフレ不況によって、いわゆる職人さんが激減しました。

画像引用元:ニッポンの数字

 

これは、公共事業に携わる就業者数の推移です。

 

少子高齢化も拍車をかけて、2000年以降の就業者は減り続けています。

 

つまり、財源を確保したとしても職人さんがいないという問題が発生するのです。

 

これを、供給制約と言います。

 

この問題に対しては、地道に職人さんを増やしていくしかありません。

ながらく続いた公共投資の削減は、人員はもちろん、技術の継承すらも不安定なものにしてしまったのです。

政府はインフラ投資への支援金を拡充し、公共事業による雇用を作るための手当て給付金などを用いて、建設業に人手がもどるような政策が長期的に必要なのです。

 

そしてこの経済政策もまた、雇用の創出と所得の拡大を通して、防災対策のみならず経済全体の対策にも好影響を与えるのです。

 

災害復興のためにやるべき経済対策

 

最後に、災害から立ち直るために必要な経済対策について説明します。

結論から言えば

被災地に徹底してお金を配る

 

ということです。

 

新型コロナウイルス感染拡大では、国内すべてがいわざ被災地となりました。

業種による違いもありますが経済的ダメージを受けた人は多くいます。

そして、国民すべてに一人当たり10万円が給付されました。

 

今回の豪雨では、職や家までもを無くしてしまう方が多くいます。

 

このような状況で日本政府は、とにかく資金面での援助をおこなうことが、人や地域を守るためにも絶対に必要です。

 

一方で、絶対にやってはいけないこともあります。

 

それは、被災者の援助や復興のためという名目で増税をするということです。

 

災害時に増税という愚策は、かつての東日本大震災でも実施されました。

 

東日本大震災の時には、国民の理解も得ることなく復興増税が実施され、今もなお継続して課税されています。

 

復興特別税

日本大震災からの復興に当てる財源の確保を目的として所得税、住民税、法人税に上乗せするという形で徴収される。

✔️所得税

2013年1月1日からの25年間、税額に2.1%を上乗せするという形で徴収

✔️法人税

2012年4月1日以降から始まる事業年度からの2年間、減税をいったん実施した上で、税額の10%を追加徴収する。(法人税は終了)

✔️住民税

2014年度から10年間、年間1,000円引き上げる。

 

災害時に増税をするということは、被災地の消費の減退を加速させ、国内消費にもダメージを与えます。

 

前述したとおり、被災地への支援は国債発行で実施すれば良い話なのです。

 

むしろ日本国内の現状をみると、消費税を減税して国内の消費を拡大する必要があります。

 

おわりに

 

新型コロナウイルス感染拡大、集中豪雨。

 

また、直下型巨大地震や大型台風への懸念が不安視される現在。

日本は厳しい状況下にあると言えます。

 

国内消費は、2019年10月からずっと前年比割れと低迷し続けています。

 

消費支出、5月16.2%減 減少幅は最大

 

この引用記事では、消費減退の原因を新型コロナによるものとして、消費増税のことには触れていませんが、2019年の10%増税から国内消費が減り続けているのです。

 

被災地の復興と同時に、低迷する消費を喚起するのは経済政策しかありません。

 

また、私は適切な経済政策をおこなえば、コロナウイルス収束後のV字回復は十分に可能と考えています。

 

これから来るであろう災害への対策も、大胆な公共投資や国内消費の喚起が必須です。

 

給付金、公共事業を大胆におこなう金融政策と財政政策

この2つができるかどうかが、今後の日本の大きな分かれ道となるでしょう。

 

このとき私たち日本国民は、『コンクリートから人へ』といった耳触りのよいスローガンに騙されることなく、大胆な経済政策をうながす世論を作れるな経済知識を準備しておく必要があります。