参院、野口日銀審議委員らの同意人事案を可決

さて、当サイトではおおくの記事で金融政策の重要性を強調していますが、昨日は日銀人事について嬉しいニュースが舞い込んできました。
先日から、金融政策に積極的な経済学者である野口旭(のぐちあさひ)氏が、日銀審議委員に指名されるとの報道がありましたが、このたび参議院で可決されたそうです。
※日銀審議委員とは
日本銀行の政策委員会のメンバーのこと。
政策委員会は総裁、副総裁(2人)審議委員(6人)の計9人で構成されている。
政策委員会は、年8回開催される金融政策決定会合で、当面の金融政策運営の方針などを決める。

▶︎▶︎金融政策政策について
参院、野口日銀審議委員らの同意人事案を可決
野口旭(のぐちあさひ)氏の人物像
野口旭氏は、アベノミクス開始以前から、日本の長引くデフレ不況は、金融政策の失敗にあるとして日本銀行に積極的な金融政策を求めてる『リフレ派』と呼ばれる経済学者でした。
私自身、マクロ経済を勉強する上で野口旭氏の書籍を参考にさせていただきました。
第2次安倍政権が発足以降は、日本銀行には多くの『リフレ派』と呼ばれる論客が副総裁や審議委員として活躍しています。
●岩田規久男元日本銀行総裁
●原田泰日銀審議委員
●片岡剛士日銀審議委員
●若田部昌澄日銀副総裁
そして、野口旭氏。
リフレ派の経済学者は、バブル崩壊以降にながらく続いたデフレ経済を、日本銀行の金融政策の失敗にあると主張し続けた経済学者です。
アベノミクスによる大胆な金融政策が実施されてから、雇用情勢、資産市場のめざましい回復を目の当たりにした私は、この頃からリフレーション政策に強く興味を持ったことを覚えています。
このリフレ派の経済学者の方たちが、日本銀行で仕事をされているということは、日本経済にとっては極めて幸運なことだと感じています。
日経平均株価が30,000円を回復しようとしている今日この頃ですが、この方々の尽力がなければコロナ禍での今の資産市場の活況はあり得なかったとも感じています。
菅政権とアフターコロナ

さて、少しお酒を飲みながらこの記事を執筆していますが、アフターコロナについてすこし考えていることを書いてみます。
アフターコロナの日本経済の予測は、この記事に記載したことと今もさほど変わっていません。
参考記事▶︎コロナ禍でも株高が続く本当の理由
昨今、菅総理大臣は支持率の低下など批判を浴びていますが、今回の野口旭氏の日銀審議委員の指名をおこなったことは、経済観はしっかり持っているのではないかと期待しています。
菅総理大臣においては昨年の末から再拡大した新型コロナウイルス感染に対して、緊急事態宣言が遅かったとの批判もありましたが、私はその批判すべきは論点がちがうと思っています。
私が菅政権にコロナ対策において批判したい点は、昨年末の時点で昨年の夏に組んだ第2次補正予算でつみ上げた予備費の10兆円のほとんどが使われずにいたことです。
本来、新型コロナウイルス感染拡大によって経済が疲弊するのであれば、そのGDPギャップを埋めるための財政支出をためらってはいけないのです。
そんな中でも、マスコミからは第3次補正予算にたいして『こんなに財政支出をしては国家財政がもたない』といった経済センスがイマイチな批判が巻き起こっていたことが少し残念でした。
そんなマスコミを中心とした批判の中で、コロナ感染拡大地域での緊急自体宣言発令によって飲食店を中心とした大規模な経済的補填が発表されました。
この判断は、アフターコロナの日本経済にとってはよかった面もあると私は考えています。
まだまだ予断は許さない状況ですが、日本政府と日銀、そして財務省は金融財政政策をけちってしまうことは許されません。
すでに、『アフターコロナでは増税をしなければ国家財政がもたない』といったトンチンカンな批判も聞かれますが、非常事態に国家財政を危惧して国が滅んでしまってはたまったものではありません。
何はともあれ、無事に野口旭氏が日銀審議委員に選ばれて、積極的な金融政策を実行してアフターコロナの明るい日本経済を牽引してくれることを今から期待しています。

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