消費税が景気動向に与える影響は?
ここでは、2019年の10月に控えた消費税10%増税が日本の景気に与える影響について説明します。
当面は、日本経済に与えるインパクトとして1番大きい出来事ですので、資産運用、資産形成を考える上でも外せないポイントです。
まず結論から言えば、このまま消費税が10%の増税が実施されれば、よほどの大胆な金融政策を含む緩和策を同時に行わない限り、日本の景気は大きく後退する事になります。
これは、今までの増税の歴史が証明しています。
言うまでもない事ですが、増税が実施されれば個人消費が一気に悪化します。
個人消費が落ちれば、当然のことながら企業の収益が悪化します。
体力のない企業はリストラを行い、最悪倒産します。収益が減れば当然株価と下落します。
リストラ、減給から国民の個人消費がさらに落ち込みますので、当然モノが売れなくなりデフレ経済に突入します。
繰り返しますが、この消費の低迷は過去の増税の歴史が証明していることであり、今から資産運用、資産形成を考えている人は慎重に手段を選ぶ必要があります。
消費税の歴史
今や当たり前になった消費税です。8%の税率にも慣れてきた方も多いでしょう。
しかしこの消費税、実は歴史はとても新しく今の30代以上の方々が小さい頃はまだ日本に存在しませんでした。
100円のお菓子を買いに行ったら100円玉を持っていけば良かったのです。今では信じられませんね。
消費税3%の導入
さかのぼれば、消費税が実施されたのは今から約30年前の1989年。
芸能人DAIGOさんのお祖父さんである竹下登首相の政権下において税率3%での導入でした。
日本はこの時、バブル景気に湧いていました。
しかし、この年の年末に株価が史上最高値を記録した後に株バブルは崩壊し、日本経済の停滞期のキッカケとなります。(しばらくはバブルの余韻が残り、実態経済は活気がありました。)
消費税5%導入
5%に増税されたのが、橋下内閣の時の1997年です。
日本のバブルが崩壊して金融機関の不良再建問題、山一証券の破綻など、明確に失われた20年に突入した時期でした。
歴史を振り返れば5%増税の実施がその後の日本経済の長期低迷を決定づけた事を否定する事はかなり難しいと思います。
消費税8%へ増税
これは記憶に新しい出来事ですね。2014年間の4月から安倍政権によって3回目の増税が実施されました。
この時は今までの増税とはやや異なり、大規模な金融緩和政策とほぼ同時に行いました。
それでも、個人消費へのダメージは大きく、インフレターゲット2%を掲げて始めたアベノミクスですが、2019年1月現在、消費者物価指数(コアコアCPI)は0.3%に留まっています。
8%への消費増税がもしなければ、今頃とっくに達成していたと筆者は考えています。
10%消費増税後の資産運用は?
こうした歴史に鑑みれば、どのような形です増税が行われるかをしっかり確認した上で資産運用を行う必要があります。
もし、また日本経済が長期停滞期に陥るのであれば、日本国債や現預金での資産形成も視野に入れなければいけません。
ただ、2019年1月現在において安倍晋三首相は『リーマンショック級の出来事が無い限り増税を実施する』と、増税の延期もやや含ませた表現でコメントしています。
実務レベルでは増税にほぼ進んでいると思われますが、どうなるかは最後まで分かりません。
また、現状政府から発表されている増税実施への対策としては以下の事が確認されています。
軽減税率の導入・・・飲食料品の8%据え置き(酒類、外食、ケーターリング、出張料理等は対象外)
キャッシュレス決済で2%ポイント還元・・・クレジットカードやスマートフォンでのQRコードでのキャッシュレス決済をした場合、2%分をポイントで還元し、その分を政府が補助
そのほか、住宅ローン減税や取得、保有に関わる税の減税など検討されているようです。
しかし、これらの対策は一時的な処置であり10%の消費税は未来永劫続く可能性が高いです。
現段階での10%増税への対策だけでは、日本経済の後退、そしてデフレ経済への回帰を免れないと筆者は想定しています。
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