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日英円滑化協定(RAA)とは?【わかりやすく解説】

・日英円滑化協定って何ですか?

・日英同盟とのちがいは?

・メリットについてわかりやすく知りたいです!

 

本記事の結論

  • 日英防衛協定は日英両国の安全保障を強化する枠組み
  • 両国軍の往来の手続きを簡素化
  • FOIPの実現のための重要戦略

 

本記事では2023年1月11日に署名された日英防衛協定についてわかりやすく解説しますね。
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日英防衛協定とは?

 

日英円滑化協定とは『日英部隊間協力円滑化協定(RAA:Reciprocal Access Agreement)』のことで日本とイギリスとの安全保障体制を強化する協定のことです。

 

 

 

日英防衛協定は、日英の両国軍(日本は自衛隊)が共同軍事演習などを実施するための手続きを簡素化して、日英両国の安全保障・防衛協力を活発化する目的で署名されました。

 

 

日英円滑化協定に署名したた岸田首相とスナク首相:画像引用元

 

 

2023年1月時点で日本と円滑化協定を結んだ国はオーストラリアに続いて2カ国目となりました。
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日英防衛協定のメリット

 

日英防衛協定のメリットはなんですか?

 

日英防衛協定のメリットは大きくわけて2つあります。

 

日英防衛協定のメリット

  • 『抑止力』の強化
  • 『軍事力』の強化

 

それぞれ解説しますね。

 

①:『抑止力』の強化

 

日本がイギリスと軍事的な協力を強化することで日本の『抑止力(よくしりょく)』を高めることができます。

 

抑止力

「相手の活動をやめさせる力」「相手を行動に移させないようにする(未然に防ぐ)力」を意味する語。抑止する力、思いとどまらせる力

引用元

 

 

日本に味方が多ければ多いほど日本を攻撃しようとする国は減り、抑止力が高まります。

 

 

防衛力の強化は周りの国を刺激して戦争の確率をあげると聞きましたが違うのですか?

 

 

この主張はマスコミや左翼系の界隈からよく聞かれますがまったくの間違です。

 

 

歴史的にみても戦争の確率は両国の軍事バランスが崩れるほどに高まっています

 

 

近年の極東アジアにおいて中国の軍事大国化によって、日本との軍事バランスは急速に崩れています。

 

 

 

 

日英防衛協定によって『日本には強い味方がいるから手を出すと危ない』と相手に思わせることこそが抑止力であり協定のメリットなのです。

 

 

強い人がたくさんいるグループに1人で喧嘩を挑む人はあまりいませんよね?国際社会もこれとまったく同じ原理が働くのです。
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②:『軍事力』の強化

 

日本とイギリスの協力関係は日英防衛協定(円滑化協定)の署名からさらに強固なものになる第一歩と考えられています。

 

日本とイギリスの協力関係の強化は、抑止力を持ってしても戦争が起こってしまった場合にも『防衛力の強化』という形でメリットをもたらしてくれます。

 

現在の日英はイタリアを含めて共同で次世代戦闘の開発に取り組んでいます。

 

画像引用元

 

2022年2月に発生したロシアウクライナ戦争でも、圧倒的な力の差がありつつも西ウクライナは西側諸国からの援助によって驚くべき防衛力を発揮しています。

 

 

極東アジアで危惧される中国による台湾への武力侵攻(台湾有事)がもしも起こった時にも日本とイギリスの部隊移動を可能にした防衛協定は大きな防衛力の強化となるのです。

 

 

これは令和の日英同盟とも呼ばれる日英防衛協定の大きなメリットとなるのです。

 

かつての日本は日英同盟での協力によって日露戦争に勝利しました。当時の日本は世界最強といわれたバルチック艦隊を壊滅させたのです。
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日英同盟との違い

 

今回の協定は戦前の日英同盟と何が違うんですか?

 

日英円滑化協定は令和の日英同盟と呼ぶ人もいますが、日本とアメリカの同盟につぐ準同盟といっても過言ではありません。

 

日英同盟

1902年にイギリスと日本が締結した2国間の同盟。中国・韓国における権益を相互に認め、アジアにおけるロシアの膨張に備えることを共同の目的とした。

 

日英同盟と日英円滑化協定の違いは大きく分けて2つあります。

 

日英同盟と円滑化協定の違い

  • 権益を認める事項の有無
  • 中立事項の有無
  • 参戦事項の有無

 

それぞれ解説しますね。

 

 

①:権益を認める事項の有無

 

かつての日英同盟は、『イギリスの清国への特殊権益』と『日本の清国と韓国における特殊権益』を相互に承認する事項がありましたが円滑化協定にはありません。

 

かつてのように外国に特殊な権益をもたなくなった現代ではこのような事項は必要がなくなったのです。

 

 

②:中立事項の有無

 

日英同盟はどちらかの国が第三国と戦争をするときはお互いに中立を保つという取り決めがありました。

 

円滑化協定にはこのような取り決めはありませんが、今回の日英の中での仮想敵国として意識している国は明らかに中国です。

 

もしも日本とイギリス、どちらかが中国と戦争に至った場合には最低でも中立は保たれることとなります。

 

 

③:参戦事項の有無

 

日英同盟では日本とイギリスのどちらかが2カ国以上と戦争をする場合には軍事的な支援をもって参戦をする取り決めがありました。

 

実際に日本は第一次世界大戦で、この規定に則ってドイツに宣戦布告をしています。

 

日英円滑化協定にはこのような直接的な参戦の規定はありませんが、現代の戦争では経済安全保障やサイバー戦争、情報戦など多角的な支援が必要です。

 

日英円滑化協定はさらなる日英関係の高まりへの第一歩と見られ共同軍事演習などを通して日英同盟に発展する可能性も大いにあります。
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高まる日英関係

 

同盟関係とはお互いの国の利害が一致した時に結ばれます。

 

戦前に日英同盟が結ばれた時には日本とイギリスのロシアへの対抗という共通の目的で日英の利害が一致しました。

 

一方で日英円滑化協定や次世代戦闘機の共同開発など近年と日英関係の高まりは中国への抑止力という共通の目的があるのです。

 

円滑化協定の他にも日英が合意した協力事項は下記のように多くあります。

 

日英が合意した事項

  • 2+2(ツープラスツー)
  • 防衛装備品技術移転
  • 次世代戦闘機の共同開発
  • 物品役務相互提供

 

 

さらに経済面でもEUを離脱したイギリスは日本が主導する自由貿易協定『CPTPP(旧TPP)』への参加にも動いています。

 

 

日英関係の急速な高まりは安倍晋三元首相が構想した『自由で開かれたインド太平洋戦略(FOIP)』の価値観外交の一環としてすすめられました。

 

 

安倍元首相とイギリスのジョンソン元首相との間で2+2の開催やイギリスのTPPへの参加を通して協力関係の礎を築いたのです。

 

安倍元首相とジョンソン元首相

 

 

日本は独裁共産主義国家である中国や北朝鮮の台頭への抑止力を意識した同盟関係が、自由と民主主義、法の支配といった日本と価値観を共有する国々との連携強化が必要なのです。

 

自由で開かれたインド太平洋に関しては下記の記事に詳しくまとめてあります。
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まとめ

 

本記事のまとめ

  • 日英円滑化協定は軍事演習などの際の手続きを簡素化する協定
  • 日英円滑化協定は抑止力と軍事力を高める
  • 令和の日英同盟と呼ばれさらに発展する可能性がある
  • 日英関係は中国への対抗を意識して急速に親密度を増している

 

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