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台湾有事シュミレーション【わかりやすく解説】

 

・台湾有事が起こったら日本は勝てるの?

・アメリカや同盟国の介入は?

・有事のシュミレーションについてわかりやすく知りたいです!

 

本記事はこんな疑問を解消します。

 

 

本記事の結論

  • CSISシュミレーションの大半で中国の台湾制圧は失敗する
  • 日本の対応は勝敗を左右するほど重要
  • 両国にとって甚大な被害が発生

 

 

本記事では日本と米国で実施された台湾有事のシュミレーションについてわかりやすく解説します。そもそも台湾有事って?という方は下記の記事からご覧ください。
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台湾有事に関する動画はこちら🔻

 

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CSISによるシュミレーション

 

まずはアメリカのシンクタンク『CSIS(戦略国際問題研究所)』が発表したシュミレーションを解説します。

 

CSIS

アメリカ合衆国のワシントンD.C.に本部を置くシンクタンクのことで、1962年にジョージタウン大学が設けた戦略国際問題研究所が後に学外組織として発展したもの。

 

 

前提

2026年に中国軍が台湾に上陸を実行

 

 

 

 

シュミレーションを行う上での基本想定は以下の3つです。

 

 

基本想定

  • 台湾が中国に強く抵抗
  • 米軍が即座に参戦
  • 日本が米軍による国内基地の使用を容認

 

 

CSISは、この前提条件のもとで計24通りのシナリオでシュミレーションしました。

 

 

結果は、大半のシナリオで中国軍は台湾侵攻に失敗しました。

 

 

一方で日米台の損害は、空母2隻を含む数十隻の艦船や数百機の航空機を失い、数千人にのぼる人的な被害が発生するという結果となりました。

 

 

注意

日本の損害は日本が武力攻撃を受けて参戦した場合のシュミレーションです。

 

 

CSISはこれらのシュミレーションについて「決定的な中国の敗北と判断されないが中国に不利な膠着状態だ」と分析しました。

 

 

前提条件が揃わない場合

 

このシュミレーションでは中国軍が劣勢という結果でしたが、これでまったく安心ではありません。

 

 

なぜなら前提条件が揃わない状況になる可能性も十分にあり得るからです。

 

 

前提条件が揃わない場合

  • 米国が即座に参戦しない
  • 沖縄が基地の提供を認めない

 

 

それぞれ解説しますね。

 

 

①:アメリカが即座に参戦しない

 

中国軍が台湾に上陸作戦を実行した時に、アメリカが即座に参戦を決断する保証はありません

 

 

アメリカは日本と同じく民主主義の国であり、さまざまな党が議論を交わす議会もあります。

 

 

そのアメリカが、自らの犠牲を大きく払ってまで極東の戦争に即座に参戦するとは言い切れないのです。

 

 

実際に2022年に起こったロシアによるウクライナ侵攻時にアメリカのバイデン大統領は、アメリカ軍の派遣をしないことを表明しました。

 

画像:バイデン米大統領

 

 

もし台湾有事にアメリカが参戦したとしてもそのタイミングも重要です。

 

 

米国議会での決定が長引けば長引くほどに日米台には不利になってしまいます。

 

 

日米台が優勢を確保するにはアメリカの参戦が必須条件であることは言うまでもありません。

 

 

②:沖縄が基地の提供を認めない

 

次に、日本がアメリカに基地を提供しない場合もも考えられます。

 

 

たとえば、2023年現在の沖縄県知事玉木デニー氏は有名な親中派の人物であり、台湾有事への抑止のための防衛力の拡張に反対しています。

 

 

画像:玉城デニー沖縄県知事

 

 

ただ、沖縄県の玉城デニー知事は、ミサイルの県内配備に反対する要請書を政府に提出するなど、反発を強めている。

玉城氏は「抑止力を高めることがかえって地域の緊張を招く」と主張している。

引用元

 

 

さらにデニー氏は、日米両国政府がすでに合意している辺野古基地の建設にも明確な反対を表明しています。

 

 

また、日本政府も台湾有事において自衛隊の参戦を決断するにはいくつものハードルがあります。

 

 

たとえば日本は、存立危機事態を認定しなければ日本は自衛権を発動できません。

 

 

存立危機事態

わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態。

引用元

 

 

存立危機事態における自衛権の発動には、その時の首相の判断に大きく左右されるため円滑に決断されるのかも不透明です。

 

 

また、存立危機事態の認定には議会における多くの手続きが必要とされるため、グレーゾーン戦略などへの対応が迅速におこなわれるかもリスク要因となっています。

 

 

画像引用元

 

 

いずれにしても、アメリカが日本の米軍基地を使えなければ米軍戦闘機はグアムから展開するしかありません。

 

 

そうなれば日米台にとっては極めて不利な状況となってしまいます。

 

台湾有事における日本の対応は極めて重要です。それでは次に日本で実施されたシュミレーションについて解説していきます。
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日本のシュミレーション

 

次に2023年7月に実施された日本戦略研究フォーラム主催による台湾有事シュミレーションのちくつかのシナリオを解説します。

 

参加者

首相役・・小野寺五典議員

官房長官役・・長島昭久議員

防衛大臣役・・木原稔議員

米大統領役・・ケビン・メア元国務省日本支部長

米国務長官・・松川るい議員

 

前提として日本は、有事の際に首相が現在の事態の認定しなければ自衛隊を動かすことができません。

 

 

事態認定は大きくは以下のように分けられます。

 

 

事態認定

  • 武力攻撃事態
  • 武力攻撃予測事態
  • 緊急対処事態
  • 存立危機事態

 

 

 

 

 

日本は日本国憲法において武力攻撃の有事における大きな制約があるため、あらかじめさまざまな事態を想定しておくことが必要です。

 

 

そして有事の際の首相の判断力や、現状をどのように事態認定するかも極めて重要になります。

 

 

それでは実際にシュミレーションを行ったいくつかのシナリオと、それにともなって浮き彫りとなった課題を解説します。

 

 

シナリオ:①

 

中台情勢が緊迫する中、尖閣に中国漁船が「機関故障による漂着」として上陸。

中国海警局船に護送された浚渫(しゅんせつ)船10隻が埋めたて作業を始めたと想定。

 

 

これはいわゆるグレーゾーン事態が発生したケースの想定です。

 

 

グレーゾーン事態

平時でも有事でもない幅広い状況のこと。例えば、国同士の領土や主権などについての対立に、武力攻撃に当たらない範囲で実力組織などを使って自国の主張・要求の受け入れを強要しようとする行為が行われる状況

参考

 

 

このシナリオでは、関係閣僚役が国家安全保障会議(NSC)で協議しました。

 

国家安全保障会議(NSC)

国家安全保障会議設置法にもとづき、国家安全保障に関する重要事項および重大緊急事態への対処を審議するために内閣に置かれた行政機関のひとつのこと。主任の大臣および議長は内閣総理大臣。▶︎参照元

 

 

中国海警船の発砲で海上保安庁巡視船の保安官に死傷者多数との状況が伝えらましたが、海保を所管する国土交通相役の議員は「軍事的手段で解決しないという国家意思を示す」として海上自衛隊ではなく海上保安庁で対応する判断を下しました。

 

 

一方で、日中両国をつなぐホットラインで協議したところ、尖閣領有権を主張する中国側が「主権を行使しているだけだ」と回答します。

 

 

政府はこの状況で、他国からの攻撃が迫る「武力攻撃予測事態」を認定しました。

 

 

これにより自衛隊の南西地域への速やかな部隊の派遣が可能になりました。

 

一方で、先島諸島の住人の避難輸送などが困難になる課題に直面したのです。

 

 

シナリオ:②

 

台湾周辺で中国軍のミサイル演習や中国軍機の中間線越えが激増し、台湾が「非常事態宣言」を発令したと想定。

 

このシナリオでも以下の課題が浮き彫りとなりました。

 

台湾から船による避難者が多数生じる中での入国管理の問題

 

自衛隊の部隊展開を容易にする事態認定を行うと、民間の避難輸送が困難になる

 

 

シナリオ:③

 

台湾有事が南西諸島にも波及し、中国側によるミサイル攻撃の兆候に対し、反撃能力(敵基地攻撃能力)の行使を検討するという想定。

 

首相役の小野寺氏は、反撃能力の行使は日米が共同となっておこなうことが必要である認識を示しました。

 

 

なぜなら日本単独で反撃をすると、中国は日本に的を絞って報復を実施するおそれがあるためです。

 

 

この中国の日本へのミサイル攻撃への対応を日米で協議をする際に、想定よりも時間がかかる恐れがあることが分かりました。

 

 

国民の生命と財産を守るためには、反撃能力の行使は極めて迅速な判断が必要となるため、迅速な対応にも課題が残りました。

 

 

 

サイバー攻撃を受けた際

 

またこのようなシュミレーションでも『事態認定』への課題が浮き彫りとなりました。

 

 

台湾有事が発生する前に中国による日本へのサイバー攻撃が発生する想定

 

 

このシュミレーションでは、中国によるサイバー攻撃によって日本政府や省庁のサーバーがダウンしました。

 

 

これによって鉄道や航空のサイトが停止し、沖縄電力や九州電力も被害を被り、病院での停電など問題が続出します。

 

 

さらに、先島諸島周辺で海底ケーブルが切断されて、社会インフラが大混乱に陥ってしまいます。

 

 

防衛省はこのサイバー攻撃を「武力攻撃開始の兆候」ととらえ、武力攻撃予測事態を認定するよう要求しました。

 

 

これは、中国軍による武力攻撃に備えるために全国の自衛隊をいち早く南西諸島へ展開するための要請です。

 

 

首相役の小野寺氏は、「現行法制の中でできる対応を」として事態認定はしなという判断を下しました。

 

 

一方で首相役の小野寺氏は、中国によるサイバー攻撃と断定し、「アクティブ・サイバーディフェンス(積極的サイバー防御)」を実施することにしました。

 

 

アクティブサーバーディフェンス

サイバー攻撃の兆候を事前に察知した場合は相手システムに侵入して無力化したり、反撃したりするサイバーセキュリティ戦略のこと

 

 

日本政府は、2027年までに法改正も含めたアクティブサーバーディフェンスの整備を完了するために動いています。

 

 

台湾有事が2027年よりも前に発生してしまった場合には防衛力の発揮が間に合わない可能性があります。つまり一刻も早い防衛準備が必要になっているのです。
コウタ

 

 

まとめ

 

本記事のまとめ

  • CSISのシュミレーションによれば24のシナリオの中で大半が中国による台湾制圧が失敗に終わった。
  • 両陣営どちらも人的、物的損害が甚大となった
  • 日本でのシュミレーションでは沢山の課題があった
  • 防衛力の増強や有事における法整備が急務

 

本記事ではアメリカと日本で行われた台湾有事シュミレーションについてシンプルに凝縮して解説しました。以下の記事も参考にしていざという時に備えておけると良いですね。
コウタ

 

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