財政政策とは?【わかりやすく解説】

本記事はこんな疑問を解消します
・財政政策って何?

・財政政策の方法は?

・財政政策と景気の関係は?

・財政政策と金融政策のちがいは?

財政政策とは?

 

財政政策とは、政府が、歳入や歳出を通じて経済に影響をおよぼす政策のことで中央銀行が行う金融政策とならぶ経済政策の柱です。

 

歳入面では増税(または減税)や国債発行の増減、歳出面では公共事業の拡大(または縮小)をすることによって、総需要を管理して景気の拡大や抑制を図る政策です。

 

それではさっそく、財政政策の具体的な手法を解説します。

 

財政政策の方法

 

財政政策の方法は、歳入(税収および公債の発行)歳出(国家予算)の2つに分かれます。

 

それぞれひとつづつ解説します。

 

歳入

 

                  歳入=国の収入

 

歳入とは、簡単にいえば国の収入のことで、税収と:公債の発行から成り立っています。

 

画像:令和2年度予算案(国税庁HP)を基に筆者作成

 

税収 ・・・ 約6

公債発行による収入・・・約3

その他・・・約1

 

それでは、税収と公債発行を少しくわしく見ていきましょう。

 

:税収の内訳

 

所得税   人々の所得に応じて課税

消費税   人々の消費に対して課税

法人税   企業の利益に対して課税

 

これら税制の創設や撤廃、税率の上げ下げなどは財政政策に含まれます。

 

ここで、2019年10月に実施された財政政策、消費税率10%への引き上げについて特筆しておきます。

 

消費増税という緊縮財政は、第2次安倍政権の大きな失敗と言えます。

 

経済の活性化を目指して行われたアベノミクスに逆行するように、消費税率の引き上げは個人消費の停滞を招きます。

 

アベノミクスの金融政策の効果を認める私でも、この消費税の増税はデフレ脱却の大きな足かせとなっており、大失敗と捉えています。

 

参考記事:消費税率10%への引き上げについて

参考記事:なぜ財務省は緊縮財政をやめないのか?

 

 

:公債発行

 

 

国民からの税収で賄えない国家予算は、公債(日本国債)の発行によって資金を調達します。

 

 

建設国債

公共事業費や出資金・貸付金の歳出に充てるために発行する国債

 

特例国債(赤字国債)

 建設国債を発行しても、なお歳入が不足すると見込まれる場合に、政府が公共事業費以外の歳出に充てる国債。

 

メディア等で言われる『国の借金』『国民ひとりあたり数百万円の借金』とは、この日本政府が発行する国債のことを指します。

ただこの表現は正しくありません。

なぜなら、国債の買い手の9割は日本国内ですので、日本政府が国民からお金を借りている』『国民一人当たりの債権』と表現するとが的確でしょう。

『国の借金』とは?【わかりやすく解説】

 

それでは、これら税収と国債発行によって集めた資金を景気の調整や国の成長の為にどうやって使うか?

財政政策の見せ所である歳出について説明します。

 

歳出

 

歳出=国の支出

 

歳出とは、簡単にいえば国の支出のことで、下記の内容から成り立っています。

 

画像:令和2年度予算案(国税庁HP)を基に筆者作成

 

財政政策における歳出のポイントは

国(国民)にとって有効に、経済の発展に使うこと

です。

 

歳出の方法は多岐に渡ります。

 

社会保障費

病気や老後の、社会的リスク発生時に分配する歳出

公共事業費

民間に任せていては最適量までの生産が行われない、インフラストラクチャー(社会資本)整備

文教および科学振興費

教育や科学技術発展への歳出

防衛費

軍事機器の購入や、自衛隊員の人件費等、国防の為の歳出

 

いくつもの歳出の方法の中から、一体どうやってお金を使えば国が豊かになるのでしょうか?

次は、効果的な財政政策について考えてみます。

 

機動的な財政政策

 

アベノミクスとは?【わかりやすく解説】

 

2012年末なら開始された経済政策のアベノミクスで、機動的な財政政策が掲げられました。

 

これは、平成バブルの崩壊から長く続くデフレ不況から脱却する為です。

 

デフレ不況下では、国内の消費や投資が停滞し、国民は職を失い賃金が下落し困窮します。

 

そこで、アベノミクス2本目の矢である『機動的な財政政策』がやろうとした事はこれです。

 

政府が国民に変わってお金を使う

 

つまり、財政出動です。

 

 

 

日本銀行が金融政策で発行したお金は、民間市場に届くまでに時間がかかります。

 

デフレ不況下では国民の賃金も下がり、国民の消費も停滞しますから国民がお金を使わずに貯蓄に回しているので、政府が国民に変わってがお金を使わなければいけません

 

日本政府が税収と国債発行によって得た歳入を大胆に拡大し、金融政策の効果を最大限に発揮させる事が、機動的な財政政策の目的だったのです。

 

 

マクロ経済の大原則は、誰かの消費は誰かの所得です。

 

国民の消費が減ってしまえば、国民の所得が減ってしまいます。

 

つまり、国民に代わって政府が多くの歳出を行なってお金をバラまくのです。

 

国を豊かにする財政政策は、国民の所得を増やす必要がある為、国が豊かになっている状態を国内総生産(GDP)の成長率で定義します。

国が豊かになっている状態

GDP(国内総生産)が

前年比で3%以上伸びている状態

 

GDP(国内総生産)は、国民の所得合計と等しくなります。

 

国内総生産が伸びているという事は、国民の所得合計も伸びており、国内の消費や投資も同じ分だけ伸びている事を示します。(三面等価の原則)

 

以上の事から、不況によってお金を使わない国民に変わって、政府の財政出動、とにかくお金を使う事が重要なのです。

 

ここからは今の日本で特に効果的な歳出方法に迫ります。

 

給付金(減税)

 

2019年10月から消費税率10%に引き上げられました。これによって、低所得者層から中間層の貧困化が加速します。

若者世代や年金生活の低所得者層には大胆に給付金を配り、消費を活性化させて経済の底上げを図る事が喫緊の課題です。

消費減税や復興税減税等の減税政策が理想なのですが、現状は増税路線を食い止める事は政治的に困難と言えるでしょう。

参考記事:なぜ財務省は緊縮財政をやめないのか?

 

であるならば、国民にその納税負担分を上回る大胆な給付金を配布すべきです。

 

 

インフラ投資(公共事業)

 

災害大国の日本では、防災対策を中心としたインフラ投資が必須です。まだまだ、国内の耐震化や堤防、治水ダムの完備などは足りていません。

政府財務省が緊縮財政を続けてきた結果、インフラ投資を削減し、高速道路等の老朽化も進んでいます。

 

画像:公共投資額の推移

 

公共投資を削減している場合ではありません。

予測されている首都直下型地震や、南海トラフ地震による対策としても、インフラ投資はすぐにでも必要なのです。

 

 

防衛費の増強

 

日本の防衛費は、先進国と並べてみてもまだまだ足りていません。

隣の大陸、中国では年々軍事費を増強しており、東アジアのパワーバランスは大きく変化しています。

画像:アジア3国の軍事費

 

残念な事に2018年には、日本の軍事費は韓国にも抜かれてしまいました。

今、日本の安全保障はかなり不安定化しており、防衛費への投資が必要です。

 

参考記事:日本の安全保障について

 

 

財政政策と金融政策の違い

 

それでは、金融政策と財政政策の違いについて解説します。

 

金融政策・・・日銀が通貨の発行量の調節などによって景気をコントロールする

財政政策・・・政府がお金を使う(または徴収する)量を調整して景気をコントロールする

 

金融政策は日本銀行がおこない、財政政策は政府がおこないます。

 

金融政策と財政政策の関係をシンプルに表現するとこういうことす。

 

日銀がお金を発行し、政府がお金を配る

 

 


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