失われた20年とは?【わかりやすく解説】

失われた20年とは?

 

本記事でわかること
・失われた20年の原因

・失われた20年の現実

・失われた20年を解決する方法

失われた20年とは、バブル崩壊後の1993年頃からアベノミクスが開始された2013年頃までの日本の経済の長期停滞期を指します。

 

これは1989年以降に生まれた人が日本経済の未来に悲観的な時代しか知らないいう厳しい現実です。

 

失われた20年で起こった3つのこと

失われた20年では大きく分けて3つの連鎖的な現象が起こりました。

 

物価の下落

失業率の悪化

自殺者数の増加 

 

①:物価の下落

 

平成バブル崩壊から、日本の消費者物価指数が断続して下落する『デフレーション』と呼ばれる状態に突入しました。

 

デフレーションと連鎖して、失業率は悪化していきます。

 

【デフレーションとは?】わかりやすく解説

2019年1月23日

 

②:失業率の悪化

 

デフレは失業率を悪化させ、賃金の低下や倒産件数の増加など、雇用情勢が深刻化します。

 

なぜなら、物価の下落によって企業の売り上げがすり減っていくからです。

 

1997年には、山一証券や拓殖銀行など、倒産しないといわれていた大手の金融機関も相次いで倒産しました。

 

③:自殺者数の増加

 

失われた20年では、失業率が悪化する中でリストラが横行し、職を失った多くの人が経済苦によって自殺してしました。

 

1997年を境に、日本の2万人前後だった自殺者数はいっきに3万人を超えて、その後もアベノミクスが開始する2013年まで、3万人を超えつづけるという悲惨な状況になりました。

 

 

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2019年1月29日

 

また2021年現在、新型コロナウイルス感染拡大による経済危機や消費税の増税などの緊縮政策が止められない日本の経済は、失われた30年に突入するリスクを抱えています。

失われた20年の原因

 

結論からいえば、失われた20年の原因は主に2つだけです。

 

:金融政策の失敗

:財政政策の失敗

 

①:金融政策の失敗

 

失われた20年の大きな原因は、政府日銀による金融政策の失敗にあります。

 

参考記事▶︎【金融政策とは?】わかりやすく解説

 

そもそも平成バブルの崩壊も、日本銀行はバブルつぶしと称して実施した金融引き締めにありました。

 

バブル末期に、加熱する資産価格の高騰を潰すために、日本政府と日銀によって金融引締め政策が行われました。

 

日本銀行は政策金利の急激な引き上げによって、世の中に出回るお金を吸収して、資産価格の上昇を抑えようとしたのです。

 

本来、平成バブルは資産価格の異常な暴騰であり、その分野の税制を改定するだけで充分でした。

 

 

バブル崩壊の原因【わかりやすく解説】

2019年11月6日

 

しかしその後も日本政策と日銀は、金融引き締め政策を誤り続けて、日本のデフレ不況は深刻化していくのです。

 

金融引き締め政策と同時に、②財政政策の失敗が日本の不況に拍車をかけることとなります。

②:財政政策の失敗

 

失われた20年を作った2つ目の原因は、財政政策の失敗でした。

 

1989年、株価がピークを迎えたその年に、消費税が日本で始めて導入されました。

 

消費を抑制させる消費税の増税は、金融引き締め政策に拍車をかけ、バブル景気の崩壊から、失われた20年への入り口を確固たるものにしました。

 

消費税率3%を導入した竹下登元総理大臣

画像:文春オンライン

 

この緊縮財政路線が2020年現在も尚、さらに強化されて続いているのはご存知の通りでしょう。

参考記事:なぜ財務省は緊縮財政をやめないのか?

 

 

失われた20年への経緯

前述したとおりでこのバブル経済の崩壊は、政策金利の引き上による過度な金融引き締めが原因でした。

 

出典:news picks 片岡剛士著

 

バブル崩壊は、加熱し過ぎた日本経済がなるべくしてなった末路ではなく、日銀による金融引き締め政策という明確な理由があったのです。

 

バブル崩壊による資産価格の暴落から、少しづつ実体の経済にも波及しました。

 

株や土地の資産価格は、実体経済より先に動く為、金融政策の効果は時間を置いて私たちの生活に影響を及ぼしてくるのです。

 

これは、バブル景気の象徴とされている『ジュリアナ東京』がオープンしたのか株バブル崩壊から2年後だった事からもわかります。

 

画像:ジュリアナ東京

 

じわじわと顕在化する不良債権とアメリカのドル安政策によって、95年前後から日本のデフレ化は、輪郭がハッキリしてきます。

 

さすがにこのままではまずいと感じた政府日銀は、この頃から公定歩合の引き下げましたが、時は既に遅かったのです。

 

1997年には、不良債権問題が明確化し、山一證券や北海道拓殖銀行など、名だたる金融機関が相次いで倒産します。

 

画像:ハフポスト

 

拍車をかけるように、この年から消費税率が3%から5%へ引き上げられ、国内消費は甚大ダメージを被ります。

 

これによって明確に日本経済は、世界最下位の低成長率を記録した、失われた20年に突入する事となるのです。

失われた20年の破壊力

 

これは、ややショッキングなグラフです。

 

 

ご覧の通り、日本は1995年から2015年までの間の経済成長率は、世界最下位です。

 

196ヶ国中の最下位です。

 

もっと言えばこの20年間でマイナス成長を喫したのは日本だけなのです。

 

これが失われた20年の実情です。

 

実体経済ではその間、リストラが社会問題化して自殺者数は急増します。

 

 

特に97年の不良債権問題、アジア通貨危機、そして消費税の3%から5%への引き上げ後の景気停滞期を境に3万人を超えて来ました。

 

そして、残念ながら自殺者の3万人超えはアベノミクスによる大胆な金融政策が行われる2013年まで続いたのです。

 

残念なことに、15年間で15万人もの罪のない人々が、経済政策の失策によって命を絶ったのです。

 

経済政策の失敗は人を殺してしまうのです。

 

失われた20年からの脱却法

 

それでは、この失われた20年からしっかりと脱却するにはどうすればよいでしょうか?

 

答えはシンプルで、失敗した経済政策の逆をやればいいのです。

 

①:金融緩和政策

②:財政拡張政策

 

この2つを同時に行えばいいのです。

 

アベノミクスによって、大胆な金融緩和政策が実施され、失業率は大幅に低下して雇用は急速に拡大しました。

 

現在のアベノミクスの成果が今ひとつ発揮できずに失敗の道を歩もうとしている理由は、明らかに財政政策の失敗にあります。

 

つまり、緊縮財政を続けてしまっていることが理由です。

 

2014年に消費税率が8%に引き上げられ、個人消費は激減しました。

 

 

グラフを見ても一目瞭然、過去2回の増税時には個人消費が増税前から比べて大幅に転落したのです。

 

この緊縮的な財政政策を転換しなければ、失われた20年からの明確な脱却はできないのです。

 

失われた20年から脱却する為には以下のような積極的な経済政策が必要です。

 

①:金融緩和によるインフレ目標の達成

②:インフレ目標の達成まで消費税率の減税

③:強力な再分配政策

 

特に、消費税は日本のGDPの約6割を占める個人消費に大打撃を与えます。

 

消費税は、所得に対する生活費の割合が高い低所得者層には、極めて不利な税制なのです。

 

失われた20年や新型コロナウイルスの感染拡大によって、低所得者層(非正規雇用、生活保護者、年金生活者)が大幅に増えた現状では、消費税率は国民の生活に重くのしかかってくるのです。

 

国内消費の停滞は、デフレ経済を深刻化させて失業率を悪化させます。

 

インフレ目標が達成できない状況で、消費税率10%という税率は、狂気の沙汰といっても過言ではないでしょう。

 

繰り返しますが、失われた20年を脱却して日本経済を成長軌道に乗せるには、金融政策と財政政策の双方を拡大することが必要です。 

 

参考記事:リフレーション政策とは?

まとめ

『バブル景気が異常だった、金に溺れた天罰が下った』

『日本は成熟国に入ったのでもう成長はしない。経済的豊かさよりも心の豊かさを』

 

世論やメディアの報道では、こんな論調で失われた20年の悲惨な現状が軽視されています。

 

もちろん近代化した日本が高度経済成長期のような成長率を維持することは難しいにせよ、普通の先進国なみの成長率(3%程度)を実現することがなぜ難しいのでしょうか?

 

あのリーマンショックの震源国であるアメリカですらこの20年間でしっかりと経済成長を遂げているのです。

 

今、しきりに氷河期世代(30代後半〜40代後半)への対策が叫ばれていますが、この方々は失われた20年の一番の被害者です。

 

97年の不良債権問題が明るみになって、増税が実施されたあのころから、日本の雇用情勢は急速に悪化して今もなお引きずっているのです。

 

小手先だけの対策ではなく、減税政策や大胆な給付金対策で政府日銀は償いをすべきです。

 

また、年金制度への懐疑的な見方や批判がありますが、これも日本経済が成長すれば解決できるのです。

参考記事:日本の年金制度は破綻するか?

 

この20年、ないし30年間の間に日本が失ったものは本当に大きいにも関わらず、いまだに世論が緊縮的な現状には危機感を抱いています。

 

気がつけば、日本は世界第2位の経済大国から転落し、一党独裁国家がその裏で急成長をとげました。

 

この20年間で極東軍事バランスすらも逆転したのです。 軍事バランスの不安定化は戦争の危機を高める事は、歴史が証明しています。

参考記事:日本の安全保障について

 

つまり、何をするにも今は経済が第1優先なのです。

 

経済がしっかりとした成長軌道に乗れば、年金問題、貧困、少子化、自殺率の改善はとちろん、戦争の危機すらも大部分は回避出来るのです。

 

そして何より、諦めから生まれる仮の幸せではなく、一人ひとりが未来に希望を持ち今日を生きれる世の中になるのです。

 

令和の新時代は、経済的には失われた平成の30年からの大転換を遂げて、力強い成長が続く時代になる事を切に臨み、ブログを更新していきます。

 

これらの内容に関しては、下記の書籍にてわかりやすく書いてあります。

更に詳しく知りたい方は是非お読み下さい。

 


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4 件のコメント

  • 初めまして。
    ブログ楽しく拝見してます。
    もしかしてバブルを謳歌した国民を信用出来なくなった
    官僚がトラウマになって緊縮財政に走ったと思えるほどw
    長い緊縮財政が続いていますね。
    本来なら官僚、時の政権を悪者にしてたい所ですが、私達国民があまりにも
    無知だったとも思います。
    このブログで漠然とした考えを整理出来て本当に感謝しています。
    これからも応援します!頑張って下さい!

    • 三本の歯様

      嬉しいコメントをありがとうございます。
      今は世界的にも不況の足音が聴こえてくる時世ですが、正しい経済政策を行えば日本の未来は明るいと信じています。
      それには、私たち1人1人の金融経済への知識が必須だと確信しています。
      どうぞ、これからも当ブログをよろしくお願い致します^_^

  • コロナで経済に興味をもち、色々調べているうちにこちらのサイトにたどり着きました。とても分かりやすいので、自粛期間中に読み込んでいます。

    20年間の経済成長率のグラフに関して質問です。
    日本は196ヶ国中最下位と本文にありますが、グラフには80ヶ国ほどしかないと思います。これは統計できる数字がある国の数が80ほどということなのでしょうか?

    気になったので質問させていただきました。
    よろしければお暇な時にでも回答していただけると嬉しいです^-^

    • こめこ様

      嬉しいコメントをありがとうございます^_^

      そのグラフはウェブ上から拝借しましたが、IMFのデータから主要国だけを抽出しているものと推測されます。

      統計の出ている各国の経済成長率はこちらのサイトで確認できます。
      https://ecodb.net/ranking/imf_ngdp_rpch.html
      日本は95年以前にはバブル景気によってGDPが大きく拡大した為に、成長率が低くでてしまうのは致し方ないとは思っています。
      しかしマイナス成長という現実は、明らかに経済政策の失敗によるものであり、2度とこのような事を繰り返してはいけないと切に願っています。

      これからもどうぞよろしくお願いします!
      出来ればこのような事実を多くの方に拡散頂ければ嬉しいです。
      未来を変えられるのは国民1人1人でしかありません。

      またお気軽に質問してくださいね^^

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