【デフレーションとは?】わかりやすく解説

デフレーションとは?

 

本記事からわかること

デフレーションの原因

デフレーションで起こったこと

デフレーションの解決法

デフレ期にすべき投資

 

シンプルにいえばデフレーション(デフレ)とは、物価が持続的に下落していく経済現象のことです。

 

バブルの崩壊以降の日本経済は、デフレーションによって長い停滞が続きました。

 

当記事ではデフレの原因と解決策を考え、日本経済復活の鍵と、デフレ期だからこそすべきことに迫ります。

 

デフレーションの原因

 

結論からいえば

デフレーションの原因は貨幣量の不足

です。

 

つまり、国内の生産量に対してお金の量が足りていないということです。

 

それではお金を発行する機関はどこでしょうか?

 

日本でお金を発行する機関は日本銀行です。

日本銀行が金融政策でお金の量を調節するのです。

 

▶︎参考記事:【金融政策とは?】

 

つまり、日本が長期的なデフレ経済に陥ってしまったのは日本銀行による金融政策の失敗にあるのです。

 

それでは、なぜ貨幣量が増えなければデフレに陥ってしまうのかを簡単に解説します。

 

物価はどうして決まるか?

 

それではデフレ(持続的な物価の下落)はどのようにして起こるのでしょう?

 

基本的に経済学では

世の中の物の価値は

世の中のお金と物の量のバランスで決まる

と考えます。

 

例えばこれを世の中にりんご1個と1万円が存在すると仮定して解説します。

 

この時は、りんこ1個の価値が1万円です。

その1年後には、りんごが10個まで増産されました。

 

 

そうすると、りんご1個あたりの価値はどうなるでしょうか?

 

りんごの数は10個に増えましたので、りんご1個当たりの価値は10分の1となり1,000円まで低下します。

 

 

世の中の物の量が増えた一方で、お金の量を増やさなかったばかりに、りんご1個あたりの価値が低下してしまいました。

 

 

この現象がデフレの正体です。

 

デフレーションは、物の価値が下がり、お金の価値が上がる現象といえますので、人々の需要は物からお金に向かいます。

 

つまり、持続的に物価が下がるデフレーションは、持続的にお金の価値が上がるデフレーションと言えます。

 

お金の価値が上がった結果、デフレ下では世の中の人々はお金を使わずに貯蓄してしまう傾向となり、世の中にお金が回らずに経済が停滞するのです。

 

日銀が発行する通貨を『マネタリーベース』といいます。さらに詳しくはこちらへ🔻

▶︎関連記事:【マネタリーベースとは?】図解でわかりやすく解説

 

 

デフレ下に起こる5つのこと

それでは、デフレーションが起こると発生する経済現象を具体的に見ていきましょう。

 

①:消費の停滞

②:物価の下落

③:企業利益の低下

④:雇用の悪化

⑤:自殺者数の増加

 

①:消費の停滞

 

お金の価値が上がるデフレ下では、国内消費が停滞します。

 

これは、消費よりも貯蓄にまわしたほうが合理的な判断となるからです。

 

理由はこうです。

 

例えば今年110円の缶コーヒーが、デフレーションによって来年に100円まで値下がりしたとします。

 

 

デフレ下では今年110円払わなければ買えなかった缶コーヒーが、来年には100円で購入出来ます

 

 

 

 

そうすると、お金を今使うよりも来年に使った方がお得になるわけですから、デフレ下では人々はお金を消費から貯蓄に回すことが合理的な判断となるのです。

 

 

②:物価の下落

 

国内の消費が停滞すると起こるのは物価の下落です。

 

お金の価値が上がり人々が消費をしなくなれば、企業側はさらに商品やサービスの価格を低下させるしかありません。

 

そうすると、企業の売り上げは低下して利益が圧迫されます。

 

補足ですが、デフレーションとは一般物価が下がることを指します。

 

ユニクロの服の価格が安くなったから

デフレになった

 

こんか意見を聞くことがありますが、UNIQLOの価格は『個別価格』といって物価とは関係ありません

 

なぜならお金の量が足りている世の中では、消費者はUNIQLOの服の価格が安くなって浮いた分のお金は他の商品やサービスに回します。

 

つまりお金の足りている世の中では、他の売れている商品の価格が上がって、一般物価は下がらないのです。

 

デフレーションとは、世の中の価格の平均である一般物価が持続的に下がってしまうため、明らかに貨幣現象なのです。

 

物価についてさらに詳しくはこちら🔻

【補足記事】消費者物価指数(CPI)とは?

 

 

③:企業利益の低下

 

消費が停滞して物価が下落すれば企業の利益が圧迫されます。

 

そうなると、利益が出せない企業は次々と倒産していきます。

 

 

これは、バブル崩壊以降の倒産件数と負債総額の推移です。

 

日本のデフレが本格的に深刻化した1998年やリーマンショックが起こった2008年などの山をつくりながら、高い倒産件数で推移しました。

 

そして高い倒産件数は、2012年の末から始まったアベノミクスまで続くこととなりました。

 

参考記事▶︎【アベノミクスとは?】成果と課題をわかりやすく解説

 

④:雇用の悪化

 

デフレーションによる消費の停滞で企業の売り上げが伸びなければ、倒産はもちろんですが人件費もカットの対象となります。

 

企業の求人も激減してリストラが横行します。

 

画像引用元

 

これは、1953年からの完全失業率の推移です。

 

1991年の株バブル崩壊から急激に上昇しているこたがわかります。

 

失業率は、2009年までのリーマンショックで2つ目の山をつくり、2012年から始まったアベノミクスによる大胆な金融政策の開始まで上昇の一途をたどりました。

 

補足記事▶︎完全失業率とは?【わかりやすく解説】

 

 

⑤自殺者数の増加

 

デフレが深刻化してリストラが横行すれば、最終的に自殺者数が増加します。

 

日本でもバブル崩壊以降、大変残念ですが経済苦による多くの自殺者が出てしまいました。

 

 

 

これは1978年以降の自殺者数の推移です。

 

日本が本格的にデフレ経済に突入した97年から、自殺者数が急増していることがわかります。

 

その増加数およそ一万人。

 

自殺者数30,000人超えは、アベノミクスが始まる2013年まで続いたのです。

 

つまり失われた20年といわれるデフレーションは、約15万人の経済苦による自殺者を生み出してしまったと言えます。

 

この死者数は日露戦争の戦死者の約2倍に及びます。

 

デフレの解決法

デフレの解決法を結論からいえば、2つしかありません。

 

①:お金を発行する

②:発行したお金を配る

 

これを一つづつ解説します。

 

①:お金を発行する

 

前述のとおりデフレとは、世の中に存在するお金の量が、物の量に対して不足しているためにおこります。

 

ですからデフレの解消法はシンプルに

日銀がお金を発行する

これだけです。

 

先程のりんごのように、モノの量の拡大にあわせて、お金の量も増やしていけばデフレを回避できるのです。

 

このお金の量の拡大を実際に実施したのが、第2次安倍内閣がアベノミクスでおこなった『大胆な金融政策』です。

 

▶︎:【大胆な金融政策とは?】わかりやすく解説

 

この時、日本銀行はマネタリーベースといわれるお金を急拡大させ、株価や雇用が大幅に改善したのです。

 

そして、2020年の新型コロナウイルス感染拡大が起こるまでの約7年間のあいだは、曲がりなりにも『持続的に物価が下落する状況』から脱却することができました。

 

▶︎補足記事:【マネタリーベースとは?】図解でわかりやすく解説

 

 

②:発行したお金を配る

 

日本銀行がお金を発行しても、そのお金が世の中を回らなければ物価を上げて経済を回すことはできません。

 

そのため日本政府は財政政策を使って、発行したお金を国民にさまざまな方法で給付する必要があります。

 

 

 

しかしアベノミクスでは、この財政支出に失敗してしまい、減税どころか消費税の増税を実施してしまいました。

 

その後の2020年には新型コロナウイルスの感染拡大によって、さらに消費が停滞してしまいます。

 

コロナ経済対策として、雇用調整助成金や一律10万円給付など『お金配り』によって、デフレスパイラルに陥る懸念は払拭できたものの、物価への効果は限定的です。

 

つまりアフターコロナに対して、消費減税などの財政支出を行なって人々の消費を喚起する必要があります。

 

シンプルにまとめると、インフレに向かうまでお金を配り続ければいいのです。

 

国家財政は大丈夫か?

 

それだけ日本政府がお金を配ったら、国家の財政がもたないのでは?

 

そんな疑問が聞こえてきそうですから、簡単に解説します。

 

結論からいえば、2021年現在ではお金を大胆に配ってもまったく問題ありません

 

むしろ、デフレーションに陥らないように通貨の発行とともに積極的に配らなければいけません

 

日本政府は、日本国債を発行して国民に配るお金を調達しますが、実質的には日本銀行が発行したお金でその国債を買いとります

 

日本銀行は日本政府の子会社のようなものですから、日本国債の利払いは実質的にチャラになります。

 

これに関しては、下記の記事にてバランスシートを用いて解説してあるので、参考にして下さい。

▶︎【バランスシート(貸借対照表)の見方】図解でわかりやすく解説

 

『それでは、日本銀行がどこまででもお金を発行してハイパーインフレになってしまうじゃないか!?』

 

そんな声も聞こえてきそうですから簡単に解説します。

 

たしかに日本銀行がお金を発行する唯一の副作用はインフレです。

 

ですから、過度なインフレはもちろん抑制する必要があります。

 

しかし、デフレに陥ってしまっては経済が停滞して雇用が悪化しますので『マイルドなインフレ』まで達したらお金の発行を抑制します。

 

実は『これ以上のインフレが進んでも雇用がそれ以上は回復しないインフレ率』があります。

 

その地点を『NAIRU(ナイル)』と呼び、日本の場合はインフレ率2%〜3%と言われています。

 

 

この図のように、雇用が最大化するインフレ率を目標もしてお金を発行するので、ハイパーインフレを抑制することができます。

 

これをインフレターゲット政策といい、実際にアベノミクスの金融政策で導入されています。

 

『それでも、日本は借金大国なのでは??』

 

そんな方もいるでしょう。

 

この問いに関してシンプルに答えるのであれば

日本政府は借金をしていますが、貸しているのは

日本国民なので後に国民が払うわけではない

という答えです。

 

詳しくは下記の記事で解説していますので、気になる方は参考にしてみてください。

 

参考記事▶︎『国の借金』とは?【わかりやすく解説】

 

デフレ期にすべき投資

 

『ピンチはチャンス』という言葉は投資にも当てはまります。

 

なぜならデフレ期では、株式や不動産価格も安値で放置されているからです。

 

デフレからインフレへの転換点、例えばアベノミクスが開始した2013年から、日経平均株価は急上昇しました。

 

 

8,000円台だった日経平均株価は、2年後にはおよそ2.5倍の20,000円を超えました。

 

2020年には、新型コロナウイルス感染拡大不安によって16,000円台まで下落したものの、その後の2021年4月現在では30,000円前後まで上昇しています。

 

つまりアベノミクス前のデフレ期は株式などの資産を買っておく絶好のタイミングだったと言えます。

 

株や不動産などの資産は

安い時に買って高い時に売る

 

これは資産運用の原則ですが、デフレ期とは資産が安く放置されている時期なのです。

 

そして、まだ世の中がインフレの未来に気がついていない時に資産を買う必要があります。

 

先程の日経平均株価の例で言えば、8,000円台のうちに株式を購入するということです。

 

資産運用で確認する2つのこと

 

おさらいになりますが、将来のインフレやデフレを予測する2つのポイントを紹介します。

 

:日銀の金融政策を確認する

:政府の財政政策を確認する

 

①:日銀の金融政策を確認する

 

日銀の金融政策について確認しておくことは大きく2つあります。

 

①:マネタリーベースの変化率

 

 

②:日銀政策決定会合で決まる今後の金融政策

 

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日本の未来を応援するネコ

日経平均株価の最高値更新を祝して美味しいお酒を飲める日を心待ちにしています。テクノロジーの発展と豊かで明るい未来を想像しながら、今日も『時代おくれ』を聴いています。