【デフレの原因とは?】わかりやすく解説

デフレーションとは?

 

バブルの崩壊以降の日本経済はデフレによって長い停滞がつづきました。

 

2021年現在においても、新型コロナウイルスの感染拡大と10%へ引き上げられた消費税によって再びデフレ経済に転落しようとしています。

 

当記事では、デフレの原因と解決策を考え、日本経済復活の鍵に迫ります。

 

デフレーションとは?

 

シンプルにいえばデフレーション(デフレ)とは、物価が持続的に下落していく経済現象のことです。

 

物の値段が安くなるデフレは、一見すると私たち消費者にとって良いことと感じますが、実は恐ろしい一面ももっているのです。

 

デフレ経済下では物価の下落と同時に、人々の仕事が奪われて、所得も低下してしまいます。

 

 

グラフは、デフレ経済が本格的に始まった1997年からアベノミクス開始までの民間給与所得の推移です。

 

デフレ経済のピークであったリーマンショック時には、民間給与は467万円から406万円にまで落ち込んでいます。

 

これは、物価が停滞している間に民間給与が15%も減少した現実をあらわしています。

 

 

物価はどうやって決まる?

 

それでは世の中の物価はどのようにして決まるのかを解説します。

 

結論から言えば、

世の中の物の価値は、世の中に存在するお金の量と物の量のバランスで決まります。

 

りんご1個と1万円が存在する世の中を仮定して説します。

 

この時、りんこ1個の価値は1万円です。

しかし1年後には、りんごが10個まで増産されたとします。

 

 

そうすると、りんご1個あたりの価値はどうなるでしょうか?

 

りんごの数は10個に増えましたので、りんご1個当たりの価値は10分の1で1,000円となります。

 

 

世の中の物の量が増えたにも関わらず、お金の量を増やさなかったばかりに、りんご1個あたりの価値が下がってしまいました

 

 

この現象がデフレーションです。

 

つまりデフレーションは、物の価値が下がり、お金の価値が上がる現象といえますので、人々の需要は物 <  お金となります。

 

持続的に物価が下がるデフレーションとは、言い換えると持続的にお金の価値が上がるデフレーションと言えます。

 

デフレはなぜ悪いのか?

 

それでは、物価が下がっていくことは何にとって良くないことなのでしょうか?

 

1番の悪影響は、雇用の縮小です。つまり、世の中から仕事がなくなるのです。その理由はこうです。

 

消費の停滞

物価の下落

企業利益の低下

人件費の削減(雇用の悪化)

 

次は、そもそもデフレが消費を停滞させてしまうメカニズムを解説します。

 

今年110円の缶コーヒーが、来年にはデフレによってて100円まで値下がりしたとしましょう。

 

 

今年110円払わなければ買えなかった缶コーヒーが、来年には100円だけで購入出来るということは、実質のお金の価値があがっていることを示します。

 

 

そうすると、お金を今使うよりも来年に使った方がお得になるわけですから、人々はお金を消費から貯蓄に回すことになります。

 

企業も同じ理由で、投資や雇用を減らして内部留保に回すでしょう。

 

なにも対策を打たなければ、このサイクルでデフレはどんどん深刻化していきます。消費と投資の減退から、雇用は悪化して国民の所得が減少し、最終的には自殺者数まで増加します。

 

このようにデフレは、恐ろしい経済現象なのです。

 

デフレの本当の原因

それでは本題ですが、結論からいえば日本の長期デフレの原因は2つです。

 

日本銀行による金融の失敗

政府財務省による財政政策の失敗

 

これを一つづつ解説します。

 

①:日本銀行による金融政策の失敗

 

前述のとおりデフレとは、世の中に存在するお金の量が、物の量に対して不足しているためにおこります。

 

日本人は勤勉にはたらき、生産技術も改良されていますからモノやサービスは大量に生産されます。

 

そうなれば、本来はデフレ経済に陥らないようにするに、モノの量の拡大にあわせてお金の量も増やしていかなければなりません。

 

でなければ、お金が希少価値をもってしまうので人々の需要はお金に向いてしまいます。

 

さて、ここで世の中のお金の量をコントロールする日本銀行の出番です。

 

ところが、日銀によるバブル崩壊後の金融政策は失敗の連続でした。その失敗が失われた20年とよばれる日本は長期デフレ経済をつくってしまったのです。

 

そもそも平成バブル経済の崩壊自体が、日銀が通貨供給量を極端に縮小させる金融引きしめ政策によっておこりました。

 

『バブルつぶし』といわれた多くの経済縮小政策がとられましたが、金融引き締めは1番日本経済にダメージを与えました。

 

そして日本銀行はこの時の間違いを認めることができずに、その後もことあるごとに金融引き締め政策をおこなったのです。

 

とりわけ日本のデフレが深刻化したリーマンショック時の日銀による金融政策を例にあげます。

 

 

これは、日本とアメリカ(FRB)、EU(ECB)と3つの中央銀行による資金供給量の推移をくらべたグラフです。

 

これを見るとリーマンショックの震源国であるアメリカとユーロ圏の中央銀行銀行が、莫大な量の通貨を発行している中で、日本銀行は全く円を増やしていません。

 

この金融引き締めによって外貨に対して日本円の価値が上がり、過度の円高が進み、アメリカやユーロがリーマンショックから復活していくのを横目に、日本だけが円高不況の泥沼化に苦しむことになりました。

 

 

②:政府財務省による財政政策の失敗

 

もう一つ、日本のデフレ経済に拍車をかけた政策がが、消費税の増税をはじめとした緊縮財政、つまり財政政策の失敗です。

 

前述した通りデフレ経済下では、人々の需要が物よりも金に向かいます。つまり世の中の物が売れなくなります。そんな状況の中で、さらに消費税率を引き上げたらどうなるか、答えは明白です。

 

人々はさらに物を買わなくなるのです。

 

デフレ期においては政府は、金融緩和政策と並行してお金の回りが良くするために財政政策を拡張させる必要があります。

 

主に以下の2つが必要です。

 

減税政策

給付金や社会保障費の減免

 

とても残念な事に、日本はバブル崩壊以降は常にこれらの政策と真逆の事を行ってしまいました。

 

1989年に3%の消費税が導入されてから、5%、8%、10%と、デフレを促進させる緊縮財政は留まるところを知りません。

 

この財務省主導による緊縮財政も、失われた20年に拍車をかけた事は間違いないのです。

 

 

世界最下位のマイナス成長

 

物価が持続的に下がるデフレーションの弊害をまとめます。

 

①失業率が上がり、雇用が悪化する

 

物価が下落する環境下では、企業全体の収益も減っています。

当然収益が減れば人を雇う事も困難となります。

 

②国民の所得、給料が下がる

 

企業の収益が下がれば従業員の給料にも影響します。

会社員の人だけではなく自営業の方も、世の中の消費が停滞しますので所得が下がる傾向になります。

 

③個人消費や企業の投資が低下する

 

世の中の雇用や給料が低下しますので、人々は消費を抑制せざるを得ません

また、企業も同様で収益が減っていきますので投資に回る資金を捻出する事が出来ません。

結果として、さらに世の中の物価は下がる事となります。

 

この1から3を繰り返してしまう悪循環をデフレスパイラルと言います。

 

出典 世界経済のネタ帳

 

1990年、バブル崩壊以降の失われた20年では、消費者物価指数の前年比が0以下の年も珍しくありません。

 

デフレは個人消費を停滞させ、GDP成長率を著しく阻害します。

なぜなら日本のGDPの6割は、個人消費で出来ているからです。

 

ショッキングな内容ではありますが、失われた20年の日本のGDP成長率は、世界最下位で唯一のマイナス成長となってしまいました。

 

 

 

デフレは人災

 

デフレ現象は自然に起こっている災害の様なものだと思っている人が多いのですが、デフレは明らかに人災です。

日銀の失策によってデフレが促進され不景気が深刻化した結果、我が国では多くの経済苦による自殺者が出てしまいました。

 

 

日本が本格的にデフレ経済に突入した97年から、自殺者数は毎年1万人増加しました。

これが、アベノミクスが始まるまで続いたのです。

この間約15年。

デフレは約15万人の経済苦による自殺者を生み出してしまったと言えます。これは人災です。

この死者数は日露戦争の戦死者の約2倍に及びます。

 

 

デフレの解決策は?

 

アベノミクスでデフレは終わった?

 

2012年末から始まったアベノミクスは、2%の物価上昇目標を掲げて金融緩和政策を実施しました。

量的緩和政策を行い、マネタリーベースを拡大して世の中に資金を大量に供給したのです。

2013年のアベノミクス開始当初は、とてつもない効果を発揮しました。

悪化の一途を辿っていた雇用情勢は回復し、自殺者数はふたたび3万人を割り込み、日経平均株価は急激に高騰しました。

 

ただ、勢いよく駆け上がる資産価格とは裏腹に、個人消費回復の勢いは今ひとつ盛り上がりにかけてしまいました。

 

それは2014年4月に実施した、消費税率8%への引き上げが原因でした。

 

 

これは、97年の5%、2014年の8%への消費税率引き上げの際の消費支出の推移です。

 

どちらも、駆け込み需要から大きく消費が冷え込み、時間が経っても回復の力が弱い事がわかります。

 

アベノミクスの大胆な金融政策によって上向きかけた個人消費、そして消費者物価指数も2014年の8%への消費税率の引き上げによって、失速してしまいました。

 

2019年、7月現在においても、インフレ目標である2%の物価上昇率には程遠い現状です。

 

原因には金融政策の不足(目標へのコミットメントの不足)と消費増税の緊縮財政、この2点に集約されるのです。

 

リフレ政策の原点に戻るべき

 

デフレを解決する方法は一つしかありません。

アベノミクスのような大胆な金融政策と積極的な財政政策をセットで行う事です。

確かにアベノミクス初期に行った金融政策、リフレ政策は雇用の劇的な回復をもって一定の成果を得ました。

しかし、財政政策に失敗したのです。

デフレ経済から明確に脱却して、明るい日本の未来を作るためには、この金融政策と財政政策を積極的に『セットで』行う事が必要です。

政府と日銀、そして財務省が明確にデフレ脱却に対するコミットメントを行う事がどうしても必要なのです。

2020年現在においては、消費税率10%への引き上げが実施され、新型コロナウイルス感染拡大による経済への甚大なダメージがあり、極めて厳しい状況にあります。

なぜ財務省は緊縮財政を止めないのか?

しかし、それでも私は日本経済の復活を夢見て、これからも学び、発信したいと思っています。

 

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日本の未来を応援するネコ

日経平均株価の最高値更新を祝して美味しいお酒を飲める日を心待ちにしています。テクノロジーの発展と豊かで明るい未来を想像しながら、今日も『時代おくれ』を聴いています。