P/L(損益計算書)とは?
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損益計算書(そんえきけいさんしょ、英: income statement (US)は、財務諸表の1つである。企業のある一定期間における収益(revenue)と費用(expense)の状態を表すために、複式簿記で記録されたデータを集計することによって、貸借対照表などと同時に作成される。
Wikipediaより引用
銀行が企業に融資をする時には、融資先の企業の経営状況を必ず確認します。
その確認の際には企業が財務諸表、いわゆる『決算書』を中心におこなわれ、内容は大きく下記の3つの項目にわかれます。
①貸借対照表(バランスシート・B/S)
②損益計算書(P/L)
③キャッシュフロー計算書(C/S)
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▶▶キャッシュ・フロー計算書(C/S)の見方をわかりやすく解説
本記事ではこの2番目の『損益計算書』について出来るだけシンプルにわかりやすく解説します。
損益計算書からわかる事

損益計算書では、左に借方(費用と利益)が、右に貸方(売上)が記載され、この左右の数字は必ず一致します。
損益計算書を簡単に言えば、企業が1年間で
✅どれくらいの売上だったか
✅どれくらい費用がかかったか
✅どのくらいの利益が出せたか
この3つを記録したものです。
さらに、どんな経営努力を行い、どんな項目で売り上げをあげられたのかを把握する事ができますので、企業にとっての経営成績を示すものと言えるでしょう。
損益計算書の構成
まずは、図を使って損益計算書を簡単に解説しましょう。
例えばあなたが事業を始めて、去年の売上が100万円上がったとします。
一方で、材料費や人件費での費用が60万円かかったとすれば、実際の利益はいくらでしょうか?
そう、40万円ですね。
これを損益計算書で表すとこうなります。

当然、左右の数字は一致しますね。
しかし、毎年事業で利益が出るとは限りませんね。
売上よりも、費用が上回ってしまった場合の損益計算書はこうなります。

いわゆる赤字の状態です。
こうなってしまったら損失を埋める為の経営努力が必要です。
『収益』『費用』『利益』の内訳
それでは各項目についてさらに詳しく見てみましょう。

費用と1つとってみても、原価費(材料費)から法人税の納税までたくさんありますね。
こうして見ると、経営でいかに利益を残すことが大変であるかが伝わってきます。
費用と収益からは下記の事がわかります。
✅費用
企業が利益を残す為にどんな努力をしたか
✅収益
企業がどんな項目から売上を得る事ができたか
その年、企業は利益を残す為に原価を削る努力をしたのか?
企業の業績の伸びは本業の売上が伸びたのか?あるいは保持している株式資産が値上がりしたのか?
その他にも損益計算書には多くの利益に関する情報が詰まっています。
5つの利益
さらに詳しく損益計算書を理解するためには5つの利益の解説が欠かせません。
利益は以下の5つの項目に分かれます。
✅売上総利益(粗利益)
✅営業利益
✅経常利益
✅税引前当期純利益
✅当期純利益
ビジネスをしている方は、粗利益や経常利益という言葉をよく耳にするのではないでしょうか?
この中で、すべての費用を差し引いた利益は当期純利益となるわけですが、売上からどのような費用が引かれて(あるいはプラスして)いるのかを示した図を紹介します。

✅売上総利益(粗利益)=売上−売上原価
業種や業態の利益構成の特徴がわかる
✅営業利益=売上総利益−販管費
本業によって得た利益がわかる
営業利益からさらに引かれます。

✅経常利益=営業利益−営業外費用
継続的な活動による利益がわかる
✅税引前当期純利益=経常利益−特別損失
税金費用を除く利益までの流れがわかる
✅当期純利益=税引前当期純利益−法人税等
税金費用を差し引いた最終的な利益
このように、一定期間で企業がどうやって売上を作り、最終利益までを残したかがわかる経営の成績表が損益計算書なのです。
※販管費
原価をのぞく売上を作るためにかかった固定費のことで、正確には『販管費および一般管理費』
販売費・・・販売手数料、広告宣伝費など
一般管理費・・・人件費、減価償却費、租税公課、交際費、旅費交通費など
※営業外費用
営業外費用は、企業の本業以外で経常的に発生する費用のことで、財務的な活動から生じる費用。営業外利益が発生すればプラスに計上される。
営業外費用・・・支払利息・社債利息・有価証券売却損など
※特別損失
特別損失は、企業の通常の経営活動では発生しない例外的に発生した損失のこと。特別利益も発生する為、必ずしも費用として引かれるわけではない。
特別損失・・・固定資産売却損、株式売却自然災害、盗難による損失など
まとめ
一連の流れを図にまとめるとこうなります。

このように損益計算書は一定期間の会社の経営成績となり、利益を獲得するためにどのような経営努力をしたのかを確認できます。
株式投資を行う際には損益計算書が見れると投資判断がしやすくなるでしょう。
また、勤め先が上場企業の場合はホームページで必ず開示されていますので、確認してみても良いでしょう。
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