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【実効為替レートとは?】名目と実質の違いまでわかりやすく解説

・実効為替レートは為替レートと何が違うの?

・名目と実質の違いは?

・実効為替レートと景気の関係をわかりやすく知りたいです!

 

本記事ではこんな疑問を解消します。

 

実効為替レートとは?

 

結論から言えば、実効為替レートとは特定の2通貨間の為替レートだけではわからない相対的な通貨の購買力を測るための総合的な指標のことです。

 

よくニュースで耳にする『1ドル105円』などの為替レートは名目為替レートといい、2国間の通貨の交換比率を表しています。

▶︎▶︎名目為替レートについてわかりやすく解説

 

しかし名目為替レート(2国間の交換比率)だけでは、日本円が外貨全体に対する相対的な価値を測ることはできません。

 

そこで、通貨が通貨全体に対しての強さを測る指標として活用されるのが実効為替レートなのです。

 

実効為替レートとは?

 

実効為替レートは大きく2つの種類にわかれます。

 

:名目実効為替レート

:実質実効為替レート

 

結論からいえば、この名目と実質の違いは『物価変動(インフレ率)を加味するかどうか?』という点です。

 

それぞれ解説しますね。

 

①:名目実効為替レート

 

指数化した為替レートを貿易相手国との取引量で加重平均し「ある通貨の対外的な競争力」を表す指標として使用されます。

 

算出方法

日本円との間の2通貨間為替レートを、各国それぞれに対する貿易量で計った相対的な重要度でウエイト付けして算出します。

 

②:実質実効為替レート

 

実質実効為替レートは、名目実効為替レートにインフレ率(物価上昇率)を加えて計算した値です。

 

通貨の対外競争力を測る場合には、為替レートだけでなく、物価の変動によっても影響を受けます。

 

例えば、日本の名目実効為替レートが不変でも、貿易相手国の物価上昇率が日本の物価上昇率を上回っている場合には、日本の相対的な競争力は好転します。

 

こうした点を考慮に入れた物価調整後の実効為替レートが「実質実効為替レート」です。

 

算出方法

まず、円と他通貨間のそれぞれの名目為替レートと、相手国それぞれの物価指数に対する日本の物価指数との比率で調整します。

 

調整したそれぞれの実質為替レートを貿易ウエイトで加重平均して算出します。

 

資産市場では、物価変動を加味してより実質的な通貨の実力の指標となる実質実効為替レートが注目される傾向があります。

 

実質実効為替レートと景気

 

実質実効為替レートの景気の関係を時に、景気の良し悪しは雇用環境によって定義するという前提のもとで解説をします。

 

なぜなら、経済政策の最大の目標は『完全雇用の実現』や『賃金の増加』など、国民を豊かにすることだからです。

 

さて、実質実効為替レートは名目為替レートと同じく景気と強い関係があります。

 

とはいえ実質実効為替レートは、輸出入の増減など名目為替レートの影響も経済環境によって円安と円高が示す状況は変動します。

 

これは1970年を100とした日本の実質実効為替レートです。

 

バブル崩壊から本格的なデフレに突入した96年をピークに実質実効為替レート円安が進んでいます。

 

ここからは物価の下落とともに実質実効為替レートは円安に進み、雇用が急速に悪化します。

 

ところが2000年代からは雇用と実質実効為替レートの関係に変化が生じています。

 

2009年のリーマンショックからはデフレが深刻化して実質実効為替レートは円高に向かうのです。

 

この時を境に実質実効為替レートは円高と失業率の悪化が相関するようになります。

 

画像:経済数量学者 高橋洋一氏作成

 

これは2000年以降からアベノミクス前後までの実質実効為替レートと失業率の推移をしめしたグラフです。

 

これをみるとリーマンショックの少し前からは、失業率の悪化と実質実効為替レート円高が連動するようになります

 

そして、アベノミクス一本目の矢である大胆な金融政策によって、名目実質ともに円安に傾き失業率は大きく改善したのです。

 

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つまりリーマンショック以降は、実質実効為替レートが円安となり対外的な価値が毀損されたとはいえ、国内での雇用は改善に向かって国内景気は良くなっていたのです。

 

通貨の実力である購買力が上がったとしても、雇用が奪われてしまうリーマンショック時のような経済環境では私たちには何もメリットがありません

 

ですから、日本国民にとって昨今のトレンドでは、実質実効為替レートは円安の方がメリットが大きいのです。

 

まとめ

 

それでは、本記事の内容をまとめます。

 

:名目為替レートとは普段耳にする相場で数値的な取引を記録したもの

 

:(名目)実効為替レートとは多くの対象通貨に貿易量によるウェイトを使用して通貨を平均化して求めた為替レート

 

:実質実効為替レートとは物価変動を考慮した実質為替相場と、多くの対象通貨との貿易量を考慮した為替レート

 

:通貨の相対的な購買力を測る指標としては実質実効為替レートが適切

 

:実質実効為替レートの円高が必ずしも経済にいいことではなく、近年のトレンドは円安と雇用改善が相関している。

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編集長

お金の良き理解者となる情報サイト『マネー通信』の編集長です。株式投資歴は10年、ブロガー歴は7年になります。お金を知り、自由で安心した生活を送るために必要な情報を発信していきます。

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