目次
国債とは?
〜日本政府による国債発行額が
過去最高を記録〜
こんなニュースを耳にした事があるでしょうか?
当記事はこんな疑問を持つ方におすすめです。
✅国債って国の借金なの?
✅日本の国債は安全?
✅資産運用として日本国債はどうなの?
それでは、まず国債とは何かを考えていきます。
国債(こくさい、英: government bond)は、
- 国家が財政上の必要によって国家の信用によって設定する金銭上の債務
- 国家が発行する債券。
- 国庫債券の略称。
国債は、国家が証券発行という方式で行う借入金のことである。
Wikipediaより引用
そうです。
結論から言えば、国債とは
政府が発行する債権であり借入金
です。
つまり、政府にとっての借金です。
政府は、この国債を発行する事で国家予算に当てる資金を調達します。
参考記事:財政政策とは?わかりやすく解説
政府としては国債を買ってもらう代わりに、国家予算に充てる資金を調達する(お金を借りる)わけですから、金利を乗せて借主に返済する事となります。
これを、国債金利と言います。
日本国債は安全か?
基本的には国債金利は、その国債の信用度と相関します。
国家財政が危険な国の国債は、金利を高く設定しなければ誰も買ってはくれません。
一方で信用度の高い国の国債は、国債の金利が低くても安全資産として人気があります。
基本的には、国家と国債金利には以下のような関係が成り立ちます。
✔️国家の信用度が低い=国債金利は高い
✔️国家の信用度が高い=国債金利は低い
また、国家の信用度は国債価格にも影響を及ぼします。
一般的に、信用度が高い国の発行する国債価格は上昇し、信用度が低い国の発行する国債価格は下落します。
このように通常、国債価格と金利とは、それぞれ逆の動きをします。
✅国債金利
国家の信用が高い = 金利は低下
✅国債価格
国家の信用が高い = 価格も上昇
つまり国債価格と金利の動きを見れば、その国への信頼度が見えてきます。
例えば、2009年から財政危機に陥ったギリシャの国債を例に見てみましょう。

ギリシャ財政危機が起こるその前後から、国債の価格は約3年の間に5分の1以下まで暴落します。
一方で10%以下だったギリシャ国債金利はわずか2年程度で9倍の90%にまで上昇したのです。
『日本は借金大国』
メディアからは、そんな声が多く聞かれます。
国の借金、1087兆円に増加 3月末、国民1人当たり859万円
2018/5/10 14:41
財務省は10日、国債や借入金、政府短期証券を合わせた「国の借金」の残高が3月末時点で1087兆8130億円になったと発表した。(中略)18年4月1日時点の総務省の人口推計(1億2653万人、概算値)で単純計算すると、国民1人当たり約859万円の借金を抱えていることになる。
日経新聞電子版より引用
この記事は、日本の財政は今にも破綻するかのような語り口で書かれています。
それでは、我が国日本の国債価格と利回りを確認しましょう。
✔️ 日本の長期国債価格

画像出典:為替王
長期的に、我が国の国債価格は右肩上がりで上昇しています。
次は国債金利(利回り)を見てみましょう。

画像出典:株式投資で幸せ配当金生活
ご覧の通り、日本国債の利回りは右肩下がりです。
つまり日本国債の価格の利回りは
ギリシャ国債の推移とは全くの真反対の動きを示しているのです。
日本が借金大国というのは、メディアの一面的な報道であり、本来の日本の国家財政はまだまだ強靭であると言うことが、日本国債の数字にも現れているのです。
日本とギリシャの状況の違いを単純化して言えば
誰からお金を借りているか?
(政府にお金を貸しているのは誰か?)
という点です。
更に詳しくはこちらの記事をどうぞ⬇︎
『国の借金』とは?【わかりやすく解説】
国債の種類は?
政府が発行する国債を保持しているのは、その9割が日本国内の金融機関や国民です。
つまり、国の借金(国債)を貸しているのは日本国民です。
当然、私たち日本国民も国債を買うことができます。
ここでは、日本国債の種類について説明します。
✅利付(りつき)国債
✅割引国債
割引国債は、償還期限までの利子相当分をあらかじめ差し引いた価格で発行され、満期時に利子分を含めた金額(額面金額)で償還される国債です。
つまり発行時の金額を、満期時に受け取る額面金額が上回る為、その差額が利益になります。
※日本では個人で購入できる割引国債はありません。
日本が財政破綻する可能性はある?
日本国債への投資が大失敗するリスクとしては、日本政府が借金を返せなくなり、財政破たんをしてしまうという事が考えられます。
こちらは、2018年の日経新聞から。
今や、この日本政府による借金のニュースを聞いたことがない人は少ないでしょう。実はこの1000兆円を超える政府の借金は約9割を日本国債が占めています。
でも待ってください。
≪国民1人当たり約859万円の借金を抱えていることになる。≫と記事にありますが、現在の日本国債の保有者は9割以上が日本の国内にいます。何も日本政府は外国からお金を借りているわけではありません。
貸し手の9割は私たち日本国民なのです。実際には、私たちが銀行に預けているお金や生命保険に支払っているお金が国債で運用されたりしています。
つまり、≪国民1人当たり約859万円の借金≫という表現は明らかに間違っており、正確には国民一人当たり約859万円の金額を日本政府に貸していると言えるのです。
2019年1月現在の状況では日本が財政破綻する可能性は極めて低いと言えるでしょう。
日本国債での資産運用が適しているのはどんな時?
日本国債がいくらローリスクとは言え、リターンがなければ国債を購入する気持ちにはなれません。
今、日本の10年物国債(長期金利)は約0%に維持される金融政策、イールドカーブコントロールと呼ばれる政策が行われています。
この状況下で果たして日本国債に投資するメリットはあるのでしょうか?ここでは、個人向け国債について、メリットとデメリットを考えてみます。
個人向け国債のメリット
- 金利が、銀行預金より高い(下限0.05%)
- 安全性が高い資産管理である
- 少額投資(一万円〜)が可能である
個人向け国債のデメリット
- 最低一年は、途中換金が不可能
- 購入出来る期間が決まっている
- 預金より高いとは言え、投資信託等より金利は低い
国債の購入にはこれらのメリット、デメリットを理解した前提でさらにタイミングを考えることが重要です。
国債での資産運用は、デフレ期や不況時に向いている。
結論を言えば、国債への投資は経済環境がデフレーションを伴った不景気の見通しが続く予想の時に有効です。
デフレ不況の時には、株価や土地価格などの資産価値が低迷します。さらに、断続的にモノの価格が下がっていくデフレ期では、年々現金の価値が上がっていきます。
タンス預金でも一年貯金をすれば、来年にはそのお金で今より多くのモノが買えるようになっている。それがデフレーションなのです。
前述した通り、デフレ期においては資産価格が低迷しリスク資産はよりその価値を擦り減らす傾向があります。そんな状況下で、銀行の預金金利よりも高く、安全性も高い日本国債は、投資先としてひと際輝き始めるのです。
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