・何が原因なの?
・今後どうなるか知りたい!
本記事はこんな疑問を解消します。
本記事の結論
- 不動産市場の低迷が深刻
- 改革開放路線の終わり
- 国際的な信頼の低下
1. 不動産市場の低迷
中国経済が危ないと言われる1番の理由は、不動産バブルの崩壊です。
中国の経済成長を支えてきた大きな柱の一つが不動産市場なのですが、この市場が今大きく低迷しているのです。
中国のGDPに占める不動産業の割合は、関連産業を含めると29%と言われています。
近年、上昇を続けていた中国の不動産価格がストップし、恒大集団をはじめとした多くの大手不動産企業が経営難に陥っています。
中国恒大集団(エバーグランデ)は、2024年1月に香港の高等法院から清算命令を受け、債務再編の協議が困難になったとして、2023年8月に申請していた米国の連邦破産法15条の適用を撤回しました。清算命令は、企業の資産を差し押さえて売却する手続きで、得られた金は未払い債務の返済に充てられます。
中国経済は今、住宅需要の減少や過剰な開発によって、売れ残った物件が山積みになり、銀行も貸し倒れリスクを抱える状態となっています。
引用元:日経新聞電子版
その結果、中国国内の金融機関では不良債権が積み上がっており、中国国内市場は不透明感が蔓延しています。
2024年1月5日にシャドーバンク大手の中植企業集団が破産清算を申請し、受理されました。債務超過は5兆円規模とみられ、中国史上最大級の破綻として、経済に大きな影響を与えると考えられています
このように、不動産バブルの実質的な崩壊が、中国全体の経済に深刻な影響を与えているのです。
②:改革開放の終焉
もう一つの大きな問題は、習近平体制によって、中国経済の成長を作ってきた改革開放路線に終止符が打たれた事です。
改革開放政策
中国で1978年12月から開始された経済政策と対外開放政策。鄧小平を中心として、文化大革命後の経済を立て直すことを目的としており、市場経済への移行を推進した。
画像:改革開放を進めた鄧小平
一方で異例の三期目に突入した習近平政権は、独裁体制を強化して改革開放以来の市場経済から一転、共同富裕を目標とした計画経済への移行に方向転換をはじめました。
これによって、中国経済に対する世界からの魅力が低下したと言えるのです。
さらに中国では人口減少も始まっています。
実は中国は、一人っ子政策などの影響もあり、日本以上のスピードで少子高齢化が進んでいるのです。
一人っ子政策
中国で1979年から実施されていた人口抑制政策で、原則として原則として一組の夫婦が1人の子供しか生むことができないというもの
中国は改革開放以来、約13億人といわれる莫大な人口をバックボーンに、世界各国からの投資を集めていました。
しかしこの13億の市場も急速にな減少が進んでいく事が確定路線となっていて、さらには習近平体制の下、世界からの見方が大きく転換しているのです。
人口の減少が、国内の消費や投資の縮小に拍車をかけていると言えるでしょう。
3. 国際的な信頼の低下
前述の通り中国は改革開放以来、世界の工場として世界各国に輸出をする事で経済成長を遂げてきました。
しかし近年は国際的な信頼が低下しており、西側諸国、とりわけ米国との関係が悪化しています。
関税や経済制裁の影響で、中国製品の輸出が減少しており、これも経済の成長を阻害する大きな要因となっています。
また、安全保障上の理由から世界の工場として栄えた中国から海外企業の撤退が急速に進んでいます。
これは、習近平体制による改正反スパイ法などの危険な監視から逃れたり、台湾有事などが起こった際のリスク管理の為と言われています。
改正反スパイ法
中国の国家の安全を維持することを目的とした法律で、2023年7月1日に施行された。改正法では、スパイ行為の範囲が拡大され、行政処罰の範囲や種類も広がった。
▶︎▶︎台湾有事とは?わかりやすく解説
また、海外の投資家も中国市場から撤退しつつあり、これが中国国内の資金不足に拍車をかけているのです。
まとめ
まとめ
- 中国経済の最大の問題は不動産バブルの崩壊であり、多くの大手企業が経営危機に陥っている。
- 改革開放政策の終わりと共に、計画経済への回帰が進み、投資の魅力が低下している。
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少子高齢化が加速しており、国内消費と労働力不足が深刻な問題となっている。
- 国際的な信頼の低下により、西側諸国との経済関係が悪化し、輸出や投資が減少している。
- 海外企業や投資家が中国から撤退し、経済の成長にブレーキがかかっている。