・本当に起こる可能性は?
・個人でできる対策などをわかりやすく知りたいです!
本記事はこんな疑問を解消します。
本記事の結論
- 台湾有事で日本は準参戦国となる
- 台湾有事が発生する可能性は高い
- 有事の際に最低限の知識は持っておこう
台湾有事に関する動画はこちら🔻
目次
そもそも台湾有事とは?
台湾有事とは、台湾(中華民国)への軍事侵攻や大災害などの台湾における緊急事態のことをいいます。
とくに近年では、中国共産党の軍隊である人民解放軍が台湾に侵攻することを指しています。
人民解放軍
中国共産党が指導する中華人民共和国の武装軍隊のことで、単に日本では単に「中国軍」や「人民解放軍」と略されて呼ばれている。
軍事侵攻が危惧される理由
中国共産党は、台湾を「核心的利益」と位置づけており、中国と台湾は1つの中国であるといった主張を続けています。
核心的利益
どんな代償を払っても守らなければならない決心を示すときに使われる中国の外交用語。中国語では「核心利益」と表記する
引用元:コトバンク
台湾有事は日本有事
結論からいえば、日本は準参戦国のような形で台湾を支援することは必須といわれています。
なぜなら、日本の最南端である与那国島と台湾の距離はわずか111キロメートルしかありません。
台湾有事の発生によって、人民解放軍が台湾の海上封鎖を行えば、日本の領海も戦闘地域となり、わが国にも大きな影響があることは間違いありません。
また、米中対立の最前線である第一列島線は台湾や沖縄、尖閣諸島を含む形で九州からフィリピンにまで伸びていて、台湾有事が日本に無関係ということはないと言っていいでしょう。
第一列島線(および第二列島線)とは中華人民共和国の軍事戦略上の概念のことで、戦力展開の目標ラインであり対米防衛線でもある。
台湾有事が発生する可能性
台湾有事が起こる可能性が高いと言われる背景には大きくわけて3つの理由があります。
台湾有事が起こる理由
- 人民解放軍の軍事力が高まった
- 習近平が台湾統一を公言
- 核抑止の効果を確認した
ひとつづつ解説しますね。
①:人民解放軍の軍事力が高まった
ひとつ目の理由は、中国の高度経済成長を背景として人民解放軍の軍事力が急速に高まったことです。
これは2000年以降の中国の軍事費の推移です。
中国の軍事費はこの20年間で実に15倍近くにまで膨れ上がっているのです。
世界的にみても中国の軍事費はアメリカに次いで世界第2位であり、3位のインドにも4倍以上の差をつけています。
また2022年8月にはアメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問した時には、中国は報復として大規模な軍事演習を実施しました。
この軍事演習では、下図のように台湾を包囲するかたちでミサイル発射をおこない軍事技術の高さを誇示しました。
この時に人民解放軍が発射したミサイルの1発さ日本のEEZ(排他的経済水域)の中に着弾しました。
このミサイルはかなりの精度で打たれているため、人民解放軍による日本への恫喝の意味も含まれているとみて間違いありません。
②:習近平が台湾統一を公言
2つめは、中国共産党のトップである習近平が台湾の統一を必ずおこなうと公言していることです。
中国共産党の幹部人事を決める5年に1度の第20回党大会が16日、北京の人民大会堂で開幕した。
習近平(シー・ジンピン)総書記は過去5年間の成果と今後の方針を示す活動報告で台湾統一方針を巡り、「決して武力行使の放棄を約束しない。必要なあらゆる措置をとる選択肢を持ち続ける」と強調した。
この発言は2022年秋に実施された中国共産党大会での習近平での発言ですが、過去から一貫して台湾統一の意志を表明しています。
③:核抑止の効果を確認した
3つめは、2022年の2月から開始されたロシアウクライナ戦争によって核による抑止力を確認できたことです。
核大国であるロシアが核の恫喝を背景としてウクライナに侵攻したにも関わらず、NATOやアメリカなどの西側諸国による軍事的な援助は一定の支援に留まっていました。
西側諸国はウクライナへの武器援助を実施したものの、軍事介入に至ることができませんでした。
これは、核保有国による『核の恫喝』は一定の効果があったということです。
これを見ていた核保有大国である中国共産党は、台湾有事においてアメリカの参戦を遮る糸口を見つけたといっていいでしょう。
これらのことから、台湾有事が起こる可能性は極めて高いと言えます。
台湾有事シュミレーション
台湾有事を想定したシュミレーションは世界各国の政府やシンクタンクで実施されており日本でも実施されています。
その中でもアメリカのシンクタンクCSISが行った数回に渡るシュミレーションでは、大半のケースで中国による台湾侵攻は失敗するという結果をだしています。
このシュミレーションは下記の3つの基本想定のもとで実施されました。
基本想定
- 台湾が中国に強く抵抗する
- 米軍が即座に参戦
- 日本が国内基地の使用の容認
ただどの場合でも中国側と台湾側の双方に甚大な被害が出るとの結果となっています。
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個人でできる対策
それではここからは個人でできる台湾有事に対する対策を解説します。
個人でできる台湾有事対策
- 身を守る知識をつける
- 現金を確保しておく
- 食料を備蓄しておく
それではひとつづつ解説しますね。
①:身を守る知識をつける
戦争が起こればあなたや大切な人にも武力攻撃による危害が加わる可能性がでてきます。
もしもの時のために身を守る知識をつけておく必要があります。
内閣官房が『国民保護ポータルサイト』に戦争や有事の際にわたしたちが危険から身を守る方法をまとめています。
下記のリンクからアクセスできますので、確認しておきましょう。
また、有事が起こると国内での工作員の活動や情報工作にも注意が必要です。
右翼や左翼の過激派政治団体や敵国の影響下にある団体などを理解しておくと良いでしょう。
身を守る知識に関してさらに詳しくは下記の記事にまとめましたのでご覧ください。
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戦争に備えて個人ができる対策は?【わかりやすく解説】
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②:現金を確保しておく
いざという時のためには、手元にある程度の現金を持っておく必要があります。
これは戦時下では有事の武力侵攻およびサイバー攻撃によってさまざまな生活インフラの破壊が危惧されるためです。
平時では当たり前のように使用されているネット環境や金融システムに混乱が起こればクレジットカードの使用が制限されたり預金封鎖が起こる可能性があるのです。
つまり武力攻撃によって混乱が起こった場合には、手元に現金があることで身を助けてくれる可能性が高あのです。
③:食料を備蓄しておく
台湾有事が起これば物価が高騰し、国内から食料が枯渇してしまう可能性があります。
前述したとおり台湾有事が起こると、台湾海峡が海上封鎖されて日本のシーレーンが破壊される危険性があります。
もしシーレンが破壊されればエネルギーや食料品などの輸入品が途絶えてしまうため、国内では食料危機やインフレが起こるというわけです。
第2次世界大戦の終戦直後の日本でも、国内からのモノ不足で過度なインフレが起きて食糧難が発生しました。
このような事態に備えるためにも、平時のうちに食料を確保しておくことも大切なのです。
国家としての備え
それでは最後に、日本として台湾有事が起こらないように、またもし起きた時に備えておくべきことを解説します。
台湾有事の抑止
- 防衛力の強化
- 同盟国との連携を強化
- 法整備
ひとつづつ解説しますね。
①:防衛力の強化
まず第1に台湾有事を抑止するために必要な国家施策は防衛力の強化です。
今まで日本の防衛費はGDP(国内総生産)に対して1%という暗黙のルールがありました。
そのため、日本の防衛費はアジア周辺国に対して相対的に低下し続けてきたのです。
戦争リスクの確率が高まるのは敵国と軍事バランスが崩れた時という現実は歴史の統計によって証明されています。
日本は最低でもNATO基準である2%の防衛費がないと中国との軍事バランスが崩れてしまいます。
日本政府は防衛国債を発行してでも迅速に防衛費を確保する必要があるのです。
②:同盟国との連携強化
2つめは、同盟国との連携を強化することです。
戦争リスクを下げるには相手国から『この国(連合軍)と戦争をしても勝てない』と思わせることが大切です。
このためにはヨーロッパの共同防衛構想であるNATO(北大西洋条約機構)を参考にしてアジアでの共同防衛同盟の構築を急ぐ必要があります。
具体的には日米同盟や台湾との関係はもちろん、自由で開かれたインド太平洋の諸国との連携、イギリスや西側諸国との連携を強化することで台湾有事のリスクを下げることができます。
TPPやFTAなどの自由貿易協定はもちろん、安全保障協定も強化することが効果的です。
③:法整備
3つ目は、いざ台湾有事が起こった時に防衛や国内の治安維持ができるような法律を整備しておくことです。
そもそも日本では日本国憲法によって専守防衛を規定されています。
これは、日本が攻撃を受けるまでは反撃することができないことを意味しています。
どれだけ防衛費を増強して軍備を拡張したとしても、それを使うことができなければまったく意味はありません。
また、日本には敵国の工作員がスパイ活動することを防ぐためのスパイ防止法など、先進国が当たり前のように持っている法律もありません。
特定秘密保護法
2013年に安倍内閣は左派勢力の反発をおさえて特定秘密保護法を制定しました。これは日本の安全保障に関する情報を「特定秘密」とし、漏えいした場合の罰則などを定めた法律です。とはいえスパイ防止法までの広範囲な罰則規定はありません。
また、国民保護法の規定も有事の予兆があればすぐに国民を避難できるような規定に変更しておく必要があります。
いずれにせよ台湾有事が現実となる前に、憲法改正の議論も含めてしかるべき法律を制定しておくことは必須事項なのです。
まとめ
まとめ
- 台湾有事発生の可能性は高い
- 台湾有事は日本を巻きこむ
- 有事の際の必要な知識をもっておく
- 現金を確保しておく
- 食料を備蓄しておく