【マイナス金利政策とは?】図解でわかりやすく解説

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この記事を書いている私は、株式を中心に資産運用をしながら金融経済分野を研究しています。日本には明るい未来が待っている事を信じて執筆しています。

 

マイナス金利政策とは?

 

マイナス金利とは、民間の金融機関が日本銀行(日銀当座預金)に預けている預金金利をマイナスにすることです。

 

つまり、マイナス金利は私たち国民の預金にかかる金利ではありません。

 

本記事では、金融政策の一つであるマイナス金利政策について解説します。

 

マイナス金利政策の目的

 

私たちが銀行に預金口座をもっているように、民間の金融機関も日本銀行に預金口座を持っています。

 

これを日銀当座預金と言います。

 

マイナス金利政策はこの日銀当座預金の一部分にマイナスの金利をかけることで

『民間銀行に世の中への融資を促す』

ことを目的としています。

 

日銀当座預金にマイナスの金利がかかると、民間銀行は日銀当座預金にお金を置いておくことに消極的になります。

 

つまり、日本銀行がマイナス金利政策によって民間の銀行に言いたいことはこの一言なのです。

日銀当座預金を

貸し出しにまわしましょう

 

見方を変えると『しっかりと仕事(民間への融資)してね』という日銀からのメッセージにも聞こえます。

 

日銀はマイナス金利政策によって民間の銀行が市中に貸し出しを増やす事で、マネーストックを増加させて景気を良くしたいのです。

 

民間銀行の仕事

LINE証券

 

それでは、なぜ民間銀行は民間への融資をなかなか拡大できないのでしょうか?

 

これには民間の銀行がどうやって利益を得ているのかを理解しておく必要があります。

 

民間の銀行も営利団体ですから、当然利益をあげなければ経営を存続できません。

 

実は民間銀行が収益をあげる方法は大きく分けて3つあります。

 

貸出金利による収益

 

 

 

金融商品やサービスの提供による手数料収入

 

 

 

株式や外国為替の運用による収益

 

 

そしてこの他にもあまり知られていない銀行の収益があります。

 

それは日銀当座預金にかかる0.1%の金利による収益です。

 

実はマイナス金利政策実施までの銀行は、日銀当座預金にお金を置いておくだけで1%の金利が貰えていました。

 

私たちが銀行に預金しても金利が0.001%前後と比べてもかなり優遇されている状態ですね。

 

 

日銀当座預金に0.1%の金利が上乗せされるとしたら、民間銀行にとってはこの口座にお金を置いておく判断が合理的です。

 

そもそもデフレ不況の経済では、企業が収益を上げづらくなるため民間銀行の貸出が縮小してしまいますが、この日銀当座預金への金利付与がその貸出縮小を強めていると考えられたのです。

 

2012年末からはアベノミクスが開始され、大胆な金融政策によって日銀当座預金には資金が大量に供給されるようになりました。

 

この日銀が日銀当座預金に積み上げていった資金を効果的に貸出に回るようになる事がマイナス金利の目的で、いわば大胆な金融政策の補完措置といえるでしょう。

 

マイナス金利の適用範囲

 

とはいうものの、アベノミクスにおいて実施されたマイナス金利政策も日銀当座預金のすべてにマイナスの金利を課したわけではありません。

すべてにかけてしまうと、銀行の収益を悪化させてさらに貸し出しが鈍ってしまう可能性があったからです。

 

そこで日銀は、これから日銀当座預金に積み上げていく資金の1部にマイナス金利をかける事にしたのです。

 

 

大きくまとめると図のようになり、政策金利残高と呼ばれる日銀当座預金の一部にマイナス金利がかかってきています。

 

民間銀行が日銀当座預金への義務として課せられている基礎残高には、収益の減少に配慮して引き続き0.1%の金利が継続される事となりました。

 

これでも、マイナス金利政策には銀行業界からかなりの批判が飛んでくることとなりました。

 

マイナス金利政策の効果

 

前述したとおり近年において日本でマイナス金利政策が導入されたのは経済政策アベノミクスの最中である2016年の1月です。

 

アベノミクスのマイナス金利政策の効果はあったのかを検証するため、目的である民間銀行による貸出が増えたのかどうかを確認しましょう。

 

出所:日本銀行

これを見ると確かに2016年以降、銀行の貸出は伸びているのですが、そもそもマイナス金利政策以前の2012年あたりからは右肩上がりに伸びています。

 

これはアベノミクスによる金融政策で、日銀当座預金にマネタリーベースが積み上げられてきた影響が大きいでしょう。

 

ですから、2016年のマイナス金利政策による効果がどれだけあったのかは判断しづらいところではありますが、前述した−0.1%の金利がかかる日銀当座預金は全体のわずか6.5%にしか過ぎません。

 

将来的にはマイナス金利適用範囲の拡大もあるかもしれませんが、それは新型コロナウイルス感染拡大の後になるでしょう。

 

まとめ

 

最後に、景気の全体像とマイナス金利政策の関係をつなげて理解できるようにまとめてみましょう。

 

そもそも景気を良くする為には、人々が消費や投資を増やせるマインドにならなければいけません。

 

いくら日銀がお金を大量に発行して日銀当座預金に資金を拡大したとしても、それだけでは効果が出るまでに長い時間がかかってしまいます。 

 

そこで日銀はお金の発行『マネタリーベースの拡大』とともに、景気回復へのコミットメントを行う必要があります。(アベノミクスではインフレ目標が2%に設定されました。)

 

 

しかし、2015年に消費税が8%に引き上げられたことで波及経路の『消費の増加』が抑制されてしまいます。

 

ここで日本銀行は、この消費と投資の抑制を挽回するために民間銀行が貸出を増やせるような追加金融政策を実施したという事です。

 

マイナス金利の効果については前述した通りですが、2019年の消費税率10%への引き上げと、新型コロナウイルス感染拡大によって日本経済はふただび窮地に立たされる事となります。 

 

あまりにも甚大だったこの日本経済へのダメージを払拭されるような金融政策と財政政策が今の日本に望まれています。

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日経平均株価の最高値更新を祝して美味しいお酒を飲める日を心待ちにしています。テクノロジーの発展と豊かで明るい未来を想像しながら、今日も『時代おくれ』を聴いています。