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完全失業率とは?【わかりやすく解説】

 

完全失業率とは?

 

完全失業率とは、労働力人口のうち、完全失業者が占める割合です。

 

労働力人口▶︎15歳以上で働く意欲のある人

完全失業者▶︎職がなく求職活動をしている人

 

※完全失業者に『自発的失業者』は含まれません。

 

労働人口に対して求職中の失業者が多い状況は、世の中の求人数が少ないことを意味します。

 

つまり、完全失業率が高ければ不況、低ければ好況と判断できます。

 

完全失業率は総務省が「労働力調査」で毎月発表しています。

 

完全失業者は仕事をする意欲があり仕事を探しているものの、その時点で実際には就業していない人(下記の3つが当てはまる人)が対象となります。

 

①:仕事がなく、調査週間中まったく仕事をしていない。(就業者ではない)

②:仕事があればすぐに就くことができる。

③:調査期間中、仕事を探す活動や事業を始める準備をしている。(過去の求職活動の結果を待っている場合を含む)

(参考:総務省統計局『労働力調査 用語の解説』)

 

 

 

 

完全失業率と景気

 

それでは日本の完全失業者の推移について解説します。

 

以下は1973年から2019年までの完全失業率の推移(1枚目男性:2枚目女性)です。

 

画像出典:ガベージニュース

 

完全失業率と景気は相関関係にありますから、男性も女性も似たグラフの推移を描いています。

 

グラフからは、1989年末の平成資産バブルの崩壊から1997年の不良債権問題、アジア通貨危機までは急激に失業率が上昇していることがわかります。

参考記事▶︎バブル崩壊の原因は?わかりやすく解説

 

その後ひと段落したあとに、2008年に起こったリーマンショックの影響でふたたび完全失業率が上昇しています。

 

その後に急激に完全失業率は低下して、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年には2.2%へ、じつに平成バブルの水準にまで雇用情勢は改善したのです。

 

さて、この完全失業率の改善はなぜ起こったのでしょうか?

 

理由は明確です。

 

それは、2012年から経済政策のアベノミクスが開始されたからです。

 

特にアベノミクスの功績は、ながらく続いた日本銀行の金融引き締め政策を転換させたことです。

 

消費税の増税等の緊縮財政がもったいない点ではありましたが、黒田日銀体制をつくり、失業率の改善までマネタリーベースを拡大したことは第2次安倍政権の功績といえるでしょう。

 

冒頭に書いたように、政治家は資本主義国家で支持を受けるには雇用をつくることがもっとも重要です。

 

この理由は第2次安倍政権が、史上最長の政権となったことからもお分かりいただけるでしょう。

 

参考記事▶︎アベノミクスの成果と課題をわかりやすく解説

 

 

完全雇用とは?

 

次に、適切な経済政策をおこなう上で大切になる『完全雇用』について解説します。

 

完全雇用をシンプルにいえば、はたらくの意思と能力のある者がすべて働いている状態のことを指します。

 

つまり、自ら無職を選んでいる自発的失業者をのぞくすべての人が働けている状態が完全雇用なのです。

 

この完全雇用は世の中の景気がよく、雇用情勢が活発は状態ではじめて実現します。

 

失業率がどこまで改善すれば完全雇用の状態かといった問題にはさまざまな説がありますが、数量経済学者である高橋洋一氏は、日本経済での完全雇用は2%〜2.5%程度の失業率としています。

 

この完全雇用の状態にもっていくことが適切な経済政策の解であり、政治家の仕事なのです。

 

平成バブルの崩壊以降は、ながらく失業率は上昇し続け、リストラや賃金カットが横行し、国民は塗炭のくるしみを味わうことになりました。

 

それが新型コロナウイルス感染拡大前の時点では、ほぼ『非自発的な失業者がいない完全雇用』の状態まで雇用情勢は改善していたのです。

 

これが金融政策の絶大な効果であり、これからの日本にも必須な政策であるといえます。

 

参考記事▶︎大胆な金融政策とは?わかりやすく解説

 

厳密には完全雇用を達成するには完全失業率だけではなく、正規雇用の比率も増えていく必要があります。

 

とはいえ、就業者数自体を明確に増やしたアベノミクスによる金融政策の効果を立証したとわたしは考えています。

 

 

完全雇用と物価

 

しつこいようですが、経済政策の目的は完全雇用を達成することです。

 

すなわち、完全雇用(失業者2%〜2.5%)までもっていく経済政策が、適切な経済政策といえます。

 

ここで出てくるのが、金融政策とインフレターゲット(物価目標)の設定です。

 

金融緩和によってマネタリーベースを増やせば、日本円の拡大にともなって人々の需要がお金からモノに向かいます。

 

この結果、インフレがおこります。

 

そしてマイルドなインフレは消費と投資を活発化させて雇用情勢を改善させます。

 

ただ、インフレ率がある地点を超えると、完全雇用は達成されて、その後はインフレだけが加速していく状況になります。

 

ある地点とは経済学ではNAILU(ナイル)と呼ばれ、日本ではインフレ率が2%前後と言われています。

 

つまり

インフレ率が2%あたりまでいけば

完全雇用(失業率2%〜2.5%)まで達成するであろう

ということです。

 

完全雇用を達成し、なおかつNAILUを超える過度なインフレを抑えるために設定される物価の目がアベノミクスで設定されたインフレターゲット2%目標の真相です。

 

残念ながら2021年2月現在において、この2%のインフレ目標は達成できていません。

 

むしろ新型コロナウイルス感染拡大による経済的ダメージによって物価はふただび下落に転じてしまいました。

 

2020年の完全失業率も男女合わせて2.8%にまで上昇しました。

画像出典:統計局ホームページ

 

これでも、リーマンショックの頃の日本の雇用情勢よりは遥かにマシな状態を保てていますが、これはアベノミクスとコロナ対策でおこなわれた金融緩和の賜物でしょう。

 

しかし物価目標にかけ離れている分、日本にはまだまだ雇用情勢の改善が見込めるのです。

 

コロナ対策として金融財政政策を拡大している2021年現在、このままアフターコロナまで積極的な政策をしていければ、ふただび失業率が低下して完全雇用まで持っていくことも可能であるの私は考えています。

 

参考記事▶︎コロナ禍でも株高が続く本当の理由

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コウタ

『日本の未来を応援するブログ』の管理人です。私が生まれて育った日本が、千代に八千代に美しく豊かな国でありますように。

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