・確認しておくポイントなどわかりやすく知りたいです!
本記事の結論
- 株価指数の大きな流れは予測可能
- ポイントは金融政策と財政政策
- 予測不能な事態にも備える
目次
そもそも株価は予想可能か?
結論からいえば株価の大きな流れを見通すことは可能です。
ただ、これには2つの前提条件があります。
前提条件
- 株価指数の予測であること
- 中長期的な見通しであること
それぞれ簡単に解説しますね。
①:株価指数の予測であること
個別の会社の株式ではなく、株価指数などの株価指標はマクロ経済政策から大きな流れの予測が可能です。
株価指数
取引所全体や特定の銘柄群の株価の動きを表すもので日本の代表的な株価指数として、日経225(日経平均株価)やTOPIX(東証株価指数)などがある
なぜなら株価指数などの長期的なトレンドは、おもにその国の金融政策と財政政策によって決まるからです。
一方で、トヨタやソフトバンクなどのそれぞれの会社の個別株の予測は困難です。
個別銘柄の予測が困難な理由
- 大口の投資家の売買に大きな影響を受ける
- 減益や不祥事など不測の事態が起こる
- インサイダー情報を持つ投資家が有利
特に個別銘柄の中でも発行株式数が少ない小型株は、少ない資金でも株価が動きやすく値動きが荒くなります。
またどんな優良企業でも、不祥事や経営にかかわる不測の事態はインサイダー情報をのぞいて予測することができません。
インサイダー情報
企業の経営者などがもつ企業の未公開情報のことである。インサイダー情報による取引を行うことをインサイダー取引と呼ぶ。インサイダー取引は、情報の公平な利用の観点から金融商品取引法で禁止されている。
これが個別株の予測が困難な理由です。
②:中長期的な見通しであること
もう一つの前提条件は値動きの予測が中長期的な見通しであることです。
中長期的な株価の動きは前述した政府によるマクロ経済政策によって方向性が決まるため大きな流れの予測が可能となります。
一方で、いくら国の株価指数と言えども政府要人の発言や災害などの発生によって株価は大きく変動するため、短期的な予想は極めて困難となるのです。
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それでは次に、マクロ経済政策が株価の動きとどのように関係しているかを解説しますね。
株価と金融政策
まずは株価の金融政策の関係について解説します。
一般的に、金融緩和政策で株価は上昇、金融引き締め政策で株価は下落の方向へ向かいます。
金融緩和
株価の上昇
金融引き締め
株価の下落
最近、金融緩和政策が大規模に開始されたのは2012年のアベノミクスによる金融政策です。
この時、黒田日銀総裁はマネタリーベースを拡大して、市場にマネーを大規模に供給して金融を緩和すると発表しました。
マネターリーベースをシンプルにいえば、中央が発行したお金の総量のことです。
下記のグラフは金融緩和政策が実施された前後の日経平均株価とマネタリーベースの動きです。
出典:池田信夫blog
マネタリーベースは日経平均株価とおおよそ連動していることがわかります。
日経平均株価がやや先走って上昇していますが、これは株価とは期待で動く為です。
つまり当時で言えば、民主党政権が終わりそうだと投資家が予感したところで金融政策転換への期待が高まり、少し早めに株価が上昇を始めたということです。
かつての日本では政策金利の操作によってで金融政策を行っていました。
1994年の金利の完全な自由化や1999年のゼロ金利政策などを経て、現在ではマネタリーベースの変化率が金融政策の方向をしめしています。
金融政策と為替レート
金融政策は為替レートの変動とも大きな関わりがあります。
金融緩和
円安外貨高
金融引き締め
円高外貨安
FX(外国為替証拠金取引)などの為替取引を行なっている人は、扱う通貨の国の中央銀行による金融政策を必ずチェックしましょう。
これも、アベノミクス前後の為替と株価とマネタリーベースの関係をグラフ化したものです。
アベノミクスの金融緩和政策によって為替レートも大きく円安になったことがわかります。
また、為替レートは外貨からの影響も大きく受けます。
日本円と米ドルの為替レートで考えた時、日本が金融政策によって大量に発行されれば、円の価値は下落して円安方向に向かいます。
しかし、同時にアメリカも金融政策によってドルを大量に発行すれば、ドル円レートはそこまで円安に傾くかは疑問です。
長期的な為替の動きは、一国の金融政策はもちろん重要ですが、対外貨への値動きである以上は外国の中央銀行の金融政策も重要です。
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株価と財政政策
長期的な株価指数の予測をする上でもう一つの重要なことが政府がおこなう財政政策です。
財政政策も緩和的(積極財政)であれば株価は上昇に向かい、引き締め(緊縮財政)をすれば株価の下落に向かいます。
積極財政
株価上昇(※条件付き)
緊縮財政
株価下落
ただ積極財政が株価の上昇につながるには『金融緩和が同時におこなわれている』という条件付きですから注意が必要です。
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マクロ経済政策の確認方法
それでは、これらの政策を確認する手段を紹介します。
①:金融政策の確認方法
金融政策の方針は日本銀行で年4回(通常1月、4月、7月、10月)実施される日銀政策決定会合で決定します。
ここで、金融緩和をおこなうのか、あるいは現状維持、はたまた出口戦略と呼ばれる金融引き締めに転じるかを話し合います。
また、マネタリーベースの変化率も日本銀行のホームページにて公開されています。
金融政策は、マネタリーベースの量よりも変化率が重要です。
前年比が縮小して出口戦略はすでに始まりかけていますが、明確に発表されてしまえば株価は下落に転じるでしょう。
②:財政政策の確認方法
財政政策は、毎年1月の通常国会で決定される国家予算を参照してもらえば良いでしょう。
これはすべて、財務省のホームページにて公開されています。
予算が拡大して、様々な国内への投資や給付金が進めば、株価にとってプラスに働きます。
一方で、消費増率の増税や社会保険料の引き上げなどの緊縮財政の決定は株価下落につながりますので注意が必要です。
株価投資への活用法
それでは最後に、マクロ政策を投資に活用する方法を紹介します。
◆株価指数が上がっていくと予測が出来た場合(金融緩和政策の強化や減税政策の実施)
日経平均株価やTOPIXに連動する投資信託を購入する。
例》日経225連動型上場投資信託
銘柄コード1321
◆株価指数が下がっていくと予測が出来た場合(金融引き締め政策や増税の実施)
日経平均株価やTOPIXの下落に連動する(株価指数が下落すると価格が上昇する投資信託)を購入する。
例》ETFダイワ上場投信 日経平均ダブルインバース
銘柄コード1366
また、株式の買い方はドルコスト平均法をおすすめします。
そして、日本株に限らず外国株の投資信託商を購入し、より大きな経済成長の恩恵を受けるチャンスを得ることも一つの手段でしょう。
当記事の株価への考え方は筆者個人のものであり株式投資の結果においては責任を負いかねます。投資は自己の判断においてお願いいたします。