・為替の取引に活用できますか?
・ドル円との関係についてわかりやすく知りたいです!
本記事の結論
- ソロスチャートはジョージ・ソロスが考案した
- 通貨供給比で為替レートを予測
- 為替レートの方向性は把握できる
- 短期レートは期待の影響を受ける
-
為替レートとは?【わかりやすく解説】
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そもそもソロスチャートとは?
ソロスチャートとはアメリカの投資家であるジョージ・ソロスが考案したチャートのことで、2国間の通貨供給量の比率から為替の値動きを予測することを目的としています。
画像:ジョージ・ソロス
ジョージ・ソロス
ユダヤ系ハンガリー生まれで、グローバル・マクロと呼ぶ手法を中心に大規模なヘッジファンド運用で財をなした著名投資家。冒険家としても有名なジム・ロジャーズ氏と共に1973年から運用を開始したクォンタム・ファンド(Quantum Fund)は10年間で40倍以上に価格上昇したとされる。引用元
ソロスチャートは、円とドルの通貨供給量(マネタリーベース)に着目したチャートとして多くの投資家から為替予測に活用されています。
画像:ソロスチャートとドル円レート(03〜18年)
ご覧のとおり、ソロスチャートはアメリカと日本の通貨供給量(マネタリーベース)の比率を算出して、それらを線でつないだグラフをいいます。
ソロスチャートの公式
アメリカの通貨供給 ÷ 日本の通貨供給量
このソロスチャートはドル円レートの動きと類似していることがわかります。
これがソロスチャートは為替レートの予想に有効であると言われた理由なのです。
ソロスチャートの有効性
結論からいえばソロスチャートは方向性を把握するには有効性はある指標です。
みずほ証券が算出したソロスチャート過去20年間の相関係数は0.69%で、通貨供給量とドル円レートは相関関係にあるという結果です。
相関係数
2 種類のデータの関係を示す指標のこと。−1〜1の数値で示され、ー1に近いほど負の相関、1に近いほど正の相関がある。
つまり通貨供給量とドル円相場の相関係数は0.69で正の相関にある、すなわち関係性が高いということです。
ただ、ソロスチャートが有効性を発揮しているのは1999年の金利の自由化以降のことで、政策金利を調節していた時代での連動はあまり見られません。
通貨供給量と為替レートの関係
通貨供給量とは簡単に言えば、中央銀行が発行した通貨の量のことで『マネタリーベース』ともいいます。
為替にかぎらず相場の世界では希少性によって価値が変動します。
これは相場の需要は希少性の高いものに傾くという傾向があるからです。
つまり日本円の発行量がドルの発行量に対して多くなればなるほど希少性がなくなって円の価値が下落します。つまり円安です。
反対に日本円の発行量がドルの発行量に対して少なくなればなるほどドルに対する希少性が高まり円高となるのです。
為替市場は『期待』を織り込む
結論からいえばソロスチャートを使った為替レートの予測には、短期的な値動きに対して補完的に使うことができます。
たとえば、ソロスチャートの数値はドルと円の量の対比から計算する理論的な為替レートとも言えるため、市場の『期待』がなければその数値に収れんするということです。
とはいえ為替レートは理論で動くわけではなく市場参加者の『期待(予想)』によって短期的に大きく変動するのです。
市場参加者の期待を変動させる出来事は例えば以下のようなことです。
為替市場の期待に影響させること
- 金融政策
- 財政政策
- 金融危機
- 戦争
- 地震
各国の金融政策は市場参加者への『期待』に大きな影響を与えるため、中央銀行による政策の発表によってレートが急激に変動することがあります。
また突発的に発生する金融危機や有事によっても為替レートは大きく変動します。
ソロスチャートはこれらの期待から影響を受ける短期的な値動きを予測することはできません。
しかしドル円の量の比率によって値動きにかかり続けている圧力のようなものを意識することで短期的な値動きを補完する働きがあると言えるのです。
まとめ
本記事のまとめ
- ソロスチャートとは投資家のジョージソロスによって考案された
- 円とドルの発行量の比率に着目した指標
- 長期的なドル円相場の予測には有効
- 短期的には相場は『期待』を織り込む
- 短期取引では金融政策に着目する