・日本の未来ってほんとに暗いの?
・明るくする方法は?
・日本の先行きについてわかりやすく知りたいです!
本記事ではこんな疑問を解消します。
本記事の結論
- 日本の未来は暗くない
- 極端な悲観論に要注意
- 歴史と経済を学んでおく
目次
日本の悲観論を検証
まずここでは日本のメディアを中心に報道されている日本の未来への悲観論をいくつかご紹介します。
日本悲観論
- 格差の拡大
- 国の財政破綻
- 経済成長の頭打ち
それぞれ解説しますね。
①:格差の拡大
日本悲観論①
AIによって人々の職が奪われて格差が拡大する
東洋経済オンラインからの記事をざっくりとまとめました。
2030年までに、人工知能(AI)が発達し、様々な仕事が誰にでもできるような内容のものになっていく。
(例えば自動運転化によってトラックの運転手も大型自動車の運転スキルが不要になる)
そうなれば、それらの仕事は供給過多になる為、給与水準が下がる。
そして最終的に年収180万円の低所得者が激増するだろう。
したがってAIを管理する資本家側と労働者との格差は拡大の一途を辿る。
まずは、この記事の確認したいポイントを2つにしぼります。
確認のポイント
- 賃金の決定理論
- 労働に与えるAIの影響
①:賃金の決定理論
はてな
①:AIの台頭によって単純労働が増えると本当に給与水準が下がるのか?
この記事では、市場の給与水準は神の手によって決める事と表現する一方で、AIの台頭は労働者の給与水準を下げると結論づけています。
これは、経済学の原則を無視した結論です。
経済学の基本的な考え方として給与水準は需要(雇う側)と供給(雇われる側)のバランスによって決まります。
経済学では大原則とも言える『需要と供給曲線』で説明します。
画像:プレジデント オンライン
通常は景気が良く、企業の業績が拡大する市場であれば上のグラフ赤線の需要曲線は右→に移動します。
景気が良くて生産が追いつかずに、人手不足となれば、企業は時給を上げてでも人を雇いたくなります。
需要と供給のメカニズムは、市場の様々な価値を決定する上での大原則であり、否定する事は出来ません。
つまり、AIの発達によって単純労働が急激に増えたとしても、AIの発達自体が労働者の給与を低下させるという訳ではありません。
もちろんAIが発達する事によって労働者が奪われてしまう分野が出てくるでしょう。
しかし、景気がいい時代であれば給与が高くても雇いたい企業が多い為、失業者は他の分野でも職を見つける事が可能なのです。
AIの発達と将来の労働者の年収に直接的な関係はありません。
むしろAIの発達を補うような適切な経済政策ができれば、人類はその発達の果実を大きく甘受する事ができるのです。
②:労働に与えるAIの影響
はてな
②:AIが発達して人間の仕事を代替してもらえれば、人は豊かになるのでは?
そもそもAIの発達は、人間の仕事を代行してくれるので、人の仕事量を減らして、豊かにしてくれるはずです。
でなければ、私たち人類は一体何のためにAIの研究開発を行っているのか?
19世紀にイギリスで起こった産業革命当時は、未来の人類は科学技術の発達によって、働かなくても生活していけると言われていました。
しかし現実は、コンピューターが発達したにも関わらず私たちの仕事の数は減っておらず、むしろ残業が増える企業のブラック化すら記憶に新しいほどです。
これには大きく2つ理由があります。
◉人は『広義の仕事』から生きがいを得る
◉デフレ不況が労働の価値を著しく低下させた
デフレ不況経済は、極端な買い手市場となる為にブラック企業が蔓延します。
参考記事:失われた20年とは?
話を元に戻しますと、ここで私が言いたい事は、そもそも私たち人類は豊かになるためにAIの研究を行っています。
そして、その発達の恩恵を上手く受けられるかどうかは、経済成長ができる好景気な経済環境であるかどうかが重要なのです。
シンプルに断言します。
AIの発達によって人類が貧しくなったとしたら、それは経済政策の失敗です。
したがって、AIの発達それ自体が人々の格差を広げ、貧困層を拡大するという論説は全くの見当ちがいなのです。
②:国の財政破綻
日本悲観論②
日本の借金は増え続けて国家財政は破綻する
次は、多くのマスメディアで耳にする『日本破綻論』について検証します。
これはプレジデントオンラインの記事からの引用です。
-
『国の借金』とは?【わかりやすく解説】
・国の借金は誰に借りてる? ・日本は財政破綻しないの? ・借金問題の解決法は? 本記事はこんな疑問を解消します。 本記事の結論 ・『国の借金』の貸し手は日本国 ...
続きを見る
少子高齢化問題も、まともな金融、財政政策が行われ経済成長が出来る世の中が普通になれば、そんなに大きな問題ではなくなります。
1945年以降の戦後の日本の人口は約7200万人。
1億2千万人を超えた現代では信じられませんが、当時は日本の人口が増加するにあたって食糧難や経済的リスクが懸念されていたのです。
現代は人口減少への懸念が叫ばれていますが、人口変動による経済的リスクよりも、前述したような経済政策の失敗リスクが大きいのが本当の姿なのです。
参考記事:少子高齢化の原因について
③:経済成長の頭打ち
日本悲観論③
日本は先進国として成熟しておりさらなる
経済成長は見込めない
日本は経済大国として成熟しているから、経済成長は見込めないという論調があります。
これは、前述した人口減少、少子高齢化と合わせて懸念される問題かと思います。
果たしてこれは本当でしょうか?
これは、バブル崩壊後日本の経済衰退が顕在化した1997年を100とした先進国の経済成長率です。
日本が経済的に先進国として成熟しているのならば、ほかの先進国も成熟しているはずです。
ところがグラフを見れば分かる通り、あの世界第1位の経済大国であるアメリカですらしっかりと経済成長を遂げています。
なぜ日本だけがマイナス成長なのでしょう?この先進国の中で、人口が減少している国は日本だけではありません。
これは2014年度のWHOが発表した合計特殊出生率ランキングです。
-
第1位:韓国(1.3人)
-
第2位:日本(1.4人)
-
第3位:タイ(1.4人)
-
第4位:ドイツ(1.4人)
-
第5位:スイス(1.5人)
-
第6位:スペイン(1.5人)
-
第7位:ロシア(1.5人)
-
第8位:イタリア(1.5人)
-
第9位:チェコ(1.5人)
-
第10位:オーストリア(1.5人)
先進国であるドイツやイタリアも人口減少の目安である2人を大きく下回っていますが、経済成長を遂げているのです。
メディアを中心として叫ばれている日本悲観論は本質的にずれていると言えます。
明らかに日本の経済衰退は、バブル崩壊以降の経済政策が間違っていた事を示唆しています。
参考記事:バブル崩壊の原因は?
確かに、これだけの長い間に渡って日本経済は縮小傾向にありますので、未来に暗雲が立ち込めてしまっても無理もありません。
もちろん、経済政策が以前のまま間違ってしまえば、暗い未来が訪れる事もあるでしょう。
だからこそ、これからも暗い未来を作らないように、正しい経済政策を実施し続ける必要があるのです。
まともな経済政策を行い、普通の先進国並みの経済成長が出来たならば、日本の未来は全く暗いものにはならないのです。
それだけ、日本の技術力、資本力は世界各国に対して見劣りするものではないと私は断言します。
日本の未来を明るく照らす為に
日本を悲観論者たちが予想するような暗澹たる未来にしない為には、適切な経済政策が必要です。
その上で、最低でも世界平均的な経済成長率の成長を遂げれば良いのです。
これは、失われた20年以降の世界の経済成長率ランキングです。
悲しいことに、我が国日本は、世界で最下位なのです。
また、マイナス成長を喫したのも日本だけです。
これでは、日本国民が未来に希望を持てなくなるのも無理はありません。
これは、私たち日本人がこの20年間、怠けていたのではなく日本の経済政策が間違っていたのです。
デフレ不況やマイナス成長は、天災のような感覚で人々に受け入れられています。
しかし、これらは天災ではなく、明らかに人災なのです。
日本政府主導の元、日本銀行による金融政策と、財務省による財政政策が明らかに間違っていたのです。
そして、その間違いを支える日本国民の世論があったのです。
これらの政策の間違いは、当サイトのさまざまな記事で紹介しましたので、リンク記事を参照にしてもらい、ここでは割愛しますが私たち国民一人ひとりが正しい経済政策を理解する事が必要です。
私たち一人一人の経済政策への理解が、未来の日本を変えるのです。
メディアの常識を疑ってみる
『日本は成熟した国家だから、経済成長は見込めない』
『日本は少子高齢化によって人口減少が進むから、多大な借金を返せなくなる』
マスコミが発するこのような論調には、懐疑的に見ていく必要があります。
暗いニュース、不安を煽るニュースは、確かに視聴率が取れるのでしょう。
しかし、国民のマインドが暗くなればなるほど、経済、そして未来には悪影響でしかないのです。
今、日本の世論にはどこか『経済発展と明るい未来への諦め』のような空気を感じます。
例えば、消費税が導入された1989年。
この導入に至るまで、壮絶な反発が世論に起こりました。
しかし、2019年の消費税率10%引き上げを目前として、世論は『財政難だから仕方ない』といわんばかりに、増税への反対意見も息を潜めています。
これは、長年に渡って財務省がメディアを通したプロパガンダの効果が出てきたと言っても過言ではありません。
参考記事:なぜ財務省は緊縮財政をやめないのか?
しかし、デフレ脱却が明確になっていない今、緊縮政策に突き進めばそれこそ日本の未来は暗くなってしまうのです。
諦める必要はありません。
人口減少、少子高齢化は日本だけではありません。
借金大国などもってのほかです。日本は対外純資産世界一の国です。
私たち一人ひとりが、明るい未来の為に、マスコミを中心とした間違った報道に騙されず、しっかりとした知識を持つ事で、世論は変わります。
世論が変われば、政治家も変わります。
財務省も日銀も、圧倒的世論は絶対に無視はできません。
逆に、日本は民主主義国家ですので、世論を持ってでしか未来は変えられません。
私たち一人ひとりが明日への希望を捨てず、前向きに取り組める時代。
再びそんな時代が訪れる事を夢見て、今日も記事を書いているのです。