なぜ財務省は緊縮財政を止めないのか?

財務省の緊縮財政

 

消費税率の引き上げを中心とした緊縮財政が、デフレから脱却しきれない日本経済にとっていかに悪影響であるかは、当サイトでも口酸っぱくお伝えしてきました。

 

参考記事:消費税10%増税は日本経済を破壊する

 

なぜ財務省はこれだけ日本経済にダメージが大きい緊縮政策を進めるのでしょう?

財務省は日本が財政破綻の危機を信じているのでしょうか?

霞ヶ関の中でもエリートが集まると言われる財務省ですが、もしかすると日本の財政が本当に危険だと思っているのでしょうか?

だとすれば、まだ許せなくもない気はします。

しかし残念ながら彼らは、日本は財政危機ではない事をしっかりと認識しています。

 

財務省の公式見解?

 

下記引用は、財務省が過去に発表した外国の格付け会社への意見書です。2019年間6月現在も、財務省のホームページで見ることができます。

 

下記はホームページからの引用です。

外国格付け会社宛意見書要旨

 

 貴社による日本国債の格付けについては、当方としては日本経済の強固なファンダメンタルズを考えると既に低過ぎ、更なる格下げは根拠を欠くと考えている。

貴社の格付け判定は、従来より定性的な説明が大宗である一方、客観的な基準を欠き、これは、格付けの信頼性にも関わる大きな問題と考えている。

 従って、以下の諸点に関し、貴社の考え方を具体的・定量的に明らかにされたい。
  

(1)日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。
 

(2)格付けは財政状態のみならず、広い経済全体の文脈、特に経済のファンダメンタルズを考慮し、総合的に判断されるべきである。
 例えば、以下の要素をどのように評価しているのか。

・マクロ的に見れば、日本は世界最大の貯蓄超過国

・その結果、国債はほとんど国内で極めて低金利で安定的に消化されている

・日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高

財務省ホームページより引用

 

そうです。

あの財務省みずからが日本の財政は強固なものであると言っているのです。

 

2002~2003年頃に発せられた当意見書は、2019年12月現在でもHPに掲載されています。

国債がほぼ国内で消化されており外貨準備が高い状況など、この当時と現在との状況は変わりません。

 

さらに財務省はこう続けます。

 

近年自国通貨建て国債がデフォルトした新興市場国とは異なり、日本は変動相場制の下で、強固な対外バランスもあって国内金融政策の自由度ははるかに大きい

更にハイパー・インフレの懸念はゼロに等しい。

引用元

 

呆れたものです。

財務省は、国家財政が危ないと喧伝していますがそれはあくまでも国内用です。

 

つまり彼らは国民にはメディアを通して財政危機を煽りながら、国外には日本の財政は強固なものであると発信する、二つの顔を使い分けているのです。

 

財務省の主張を検証する

 

上層部やキャリア官僚と言われる人達は東大法学部卒など狭き門をくぐり抜けてきたエリートです。

そんな頭の良い人たちが言うことだからやはり正しいのでは??

そう思いたくもなります。

 

そこで、今財務省が子供達向けに作成した教材をもとに、その主張を検証します。

 

 

借金で穴埋め?

 

 

1990年から税収が明確に停滞していますが、その理由はバブル崩壊によってデフレ不況に転落し名目GDPが停滞したこと、加えて89年に導入した消費税3%からの増税路線によって消費が停滞した事です。

 

つまり、税収を増やす為に行ったり増税が税収減の理由です。

 

財政を家計に例えるナンセンス

 

 

外国格付け会社宛意見書要旨にもあったように、日本政府の借金はなにも外国から借りているわけではありません。

 

日本国民から借りているのです。

 

家計に例えるならば、息子がお父さんからお金を借りているようなものです。

さらに、政府の場合は通貨発行権がありますから、お父さんは自由にお金を発行できる力もあるのです。

国家財政を家系で例えるのはナンセンスとしか言いようがありません。

 

参考記事:国の借金とは?

 

 

国民一人あたりの借金?

 

 

700万円/人の意味がわかりません。

国民はお金を貸している債権者です。

日本国民が日本政府にお金を貸しているのです。

なので、いざとなれば日本政府の子会社である日本銀行が通貨を発行して国民に配ればいい話です。

大量通貨発行の副作用は過度なインフレです。

近年の金融政策によって300兆円程度マネタリーベースを拡大しましたが、日本は未だに明確なデフレ脱却は果たしていません。

参考記事:ハイパーインフレーションについて

 

一兆円のイメージ。

 

なぜこの表現をしたのか意味不明です。

 

借金の根本的な問題をごまかしている

 

公共サービスを絞ることは余計にデフレ不況の経済には良くありません。

参考記事:財政政策とは?

 

借金の利息が高くなるといいますが、今の日本国債の利息は歴史上類を見ないくらいに低金利です。

言うなれば、とても低金利で日本政府は日本国民からお金を借りているのです。

さっさと経済成長して、国債金利を名目GDP成長率が上回れば良いだけの話です。

それで財政再建は完了です。

参考記事:日本の財政問題を解決する方法

 

 

財務省が緊縮財政を行う理由

 

財務者はかつてこんな発言も取りざたされました。

「国民を甘やかすことになる」

消費税引き上げを主張する財務官僚たちへの怒号と罵声が炸裂

 

長引く不況の中、今年は消費税が8%へ引上げられたことで、この「再引上げ」については、与党・自民党内からも慎重論が相次いでいた。

そんな中、安倍首相は18日、消費再増税時期を2015年10月から2017年4月へ延期することと、衆院解散を表明したわけだが、その背景に、財務省側が来年10月からの引上げに固執し、財務官僚たちが慎重派代議士の元を訪れては「社会保障費が膨れ上がる中、消費税率がこんなに低いのは、国民を甘やかすことにる。 

経済が厳しくても10%に上げるべきだ」(産経新聞)などと「上から目線の主張」を繰り返していたことが一部で報じられたのだ。

出典・AOI

 

「国民を甘やかすことになる」

 

発言の真偽はわかりませんが、事実と思われても仕方ない程に、財務省は二枚舌での緊縮財政をすすめています。

彼らは緊縮政策で国民、特に低所得者層を困窮させる事を何とも思っていないのでしょうか。

 

結局のところ、財務省がなぜ執拗に緊縮財政を進めるのかは正直良くわかりません。

同じ日本の発展を願う日本国民として理解不能です。

一番信憑性ある要因の仮説は、リンク記事にも書きました、徴税権を拡大する事で更なる権力の増大を目指しているという事です。

例えば特定の企業や業界に軽減税率などの措置を付ける事によって、天下り先を確保する事です。(事実、財務事務次官など財務省の上層部は大企業の役員に天下りをしています。)

あるいは、法人税を引き下げながら消費増税を引き上げる事で、経団連などの財界に利するような措置を行う事で天下り先を確保するとも言われています。  

いずれにせよ、財務省は国益よりも省益、国民よりも官僚の事を考えて働いているのではないかと思います。

もちろん、私は財務省の人たちのすべてを批判したり、国民の事を考えていないという気持ちは全くありません。

日本を思う立派な方もたくさんいらっしゃるのも理解しています。

しかし、組織としての財務省は日本経済の未来や国民の事には全く関心が無いといっても過言ではありません。

 

なぜ財務省の権力は強大なのか?

 

止まらない増税路線

 

第二次安倍内閣では、2度の増税延期局面では財務省と戦う報道もチラホラと目にしました。

しかし、来たる2019年10月、消費税率10%への引き上げが決定してしまっては図り知れない衝撃が日本経済を直撃する事は言うまでもありません。【消費税10%への増税は日本経済を破壊する】

であるにも関わらず、何故増税への流れは止まらないのでしょうか?

原因は以下のように推測されます。

 

政治家の経済への理解が乏しい

政治家に、基本的なマクロ経済政策の知識があれば日本の失われた20年は消えグラフのような自殺者数の激増という惨憺たる結果を作る事は無かったでしょう。 

 

 

この政治家の知識不足という深刻な問題がある為に、彼らは職務の遂行を役人に頼らざるを得ないのです。

 

緊縮財政を進める財務省の権力

 

財務省が緊縮財政を進めている理由は前述した通りですが、日本の緊縮の流れが止まらないのは財務省の権力が強大である事も原因の1つです。

①の政治家の知識不足もそうですが、もう一つ財務省には国家の徴税権予算編成権という2つの権限を持っているのが、その権力の源泉であり強大な理由です。

 

国税庁による徴税権

 

財務省の下部組織に国税庁、さらにその下には国税局と税務署があります。

彼らは、徴税に関しての警察権力を保持しています。脱税などを取り締まる組織ですが、この脱税におけるいわゆるシロクロかは、実はグレーゾーンが大きいのです。

極端な表現をすると、財務省がクロと言えばクロなのです。

この取り締まりの対象は、政治家も例外ではありません。

 

予算編成権

 

財布を握るという権力は、どこの組織でも強大化するものです。

国家予算を編成する財務者の主計局は、財源を各省庁に振り分ける権限を持っていますので、その権力の大きさは想像に難しくないでしょう。

 

この2つの大きな権力を、1つの省庁に集約してある事が実は問題なのです。

そんな強大な権力がひとたび緊縮財政に向かって進んでしまえば止めることが難しくなるのです。

 

歳入庁の創設

 

それでは、この財務省を中心とした緊縮財政を止める方法はないのでしょうか?

それには、財務省の権限を縮小させることが必要です。

具体的に言えば歳入庁を創設することで、1つになっている歳入と歳出を明確に分離するという事です。

既に歳入庁は海外の国で創設されています。

海外で歳入庁を持っている国

米国、カナダ、アイルランド、イギリス、オランダ、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ハンガリー、アイスランド、ノルウェー

 

歳入庁の創設は権力の分離だけでなく、世界的の風潮である税と社会保険料の徴収一元化も効率化する効果があります。

しかし、徴税権という強大な権力を失ってしまう財務省としては、歳入庁の創設に大反対するのは言うまでもありません。

今までの政権でも、歳入庁創設の案が出ては消え、出ては消えを繰り返しているのです。

このように、根深い権力構造も影響し日本は未だに緊縮財政から脱却できていません。

 

これは、私たち国民側にも責任がないとは言えません。

もともと日本人には「清貧の美徳」という美学、美的感覚を持っています。政府が公共投資を行う際にも

「バラマキだ!」とか、「無駄を減らせ!」

という批判が四方八方から飛んできます。

 

また、基本的な経済政策への知識がないために、緊縮政策に迎合し、それを推進する政治家を選んでしまう事も大きな原因の1つです。

いくら強大な権力を持つ財務省でも、民意を無視することは出来ないからです。

私たちは増税路線真っ只中の今、改めて正しい経済を学んでいく事が必要なのです。

 


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6 件のコメント

  • すごくわかりやすかったです。
    国民はいち早くこの問題点に気づき、疑うべきでしょうね
    これからも応援してます

    • みゅー様

      嬉しいコメントをありがとうございます。
      いかにずさんな経済政策の結果、失われた20年間が作られてしまったかを沢山の人に知ってほしいものです。
      世論の変化でしか最終的には変えられませんからね。
      これからもどうぞよろしくお願いします。

  • 財務省が世界の流れに逆行し、緊縮財政を進めるのは、一つには国会議員が馬鹿な事、そして、東京大学に入り首席級で卒業したのに、回りの同大学卒業者より収入が少ないのだから、国民はもっと労働しろって思っているのでしょうね!

    消費税アップにより、日本の人口が更に加速度的に減り、日本が世界地図から、やがて消えるのでしょうね!

    • 山びと源様

      コメントありがとうございます。
      本当に、この緊縮政策だけは転換させなければデフレに逆戻りです。
      国民が塗炭の苦しみを味わう事になることだけは避けたいと切に思います。
      これからもどうぞよろしくお願いします。

  • とても分かりやすかったです。
    でも、歳入庁が創設されても、しばらくしたら金融庁や国税庁のように財務省の事実上の下部機関になるんでしょうね。
    やっぱり、財務省を1度徹底的に解体しなければいかんでしょう。財務省から国民を守る党を希望します!
    財務省をぶっ壊す!

    • 大輔様

      コメントありがとうございます。本当に、歳入庁の創設のみでは、現実としては心許無いばかりです。
      財務省が発信する国家財政認識から生まれる国民の誤解を一刻でも早く解く必要があると感じています。
      これからもどうぞよろしくお願いします。

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