なぜ財務省は緊縮財政を止めないのか?

財務省の緊縮財政

 

消費税率の引き上げを中心とした緊縮財政が、日本経済にと及ぼす悪影響を当サイト(日本の未来を応援するブログ。)で再三お伝えしてきました。

 

 

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この記事を書いている私は、株式を中心に資産運用をしながら金融経済分野を研究しています。日本には明るい未来が待っている事を信じて執筆しています。

 

 

参考記事:消費税10%増税は日本経済を破壊する

 

なぜ財務省はこれだけ日本経済にダメージが大きい緊縮政策を進めるのでしょう?

 

財務省は日本が財政破綻の危機を信じているのでしょうか?

 

霞ヶ関の中でもエリートが集まると言われる財務省ですが、もしかすると日本の財政が本当に危険だと思っているのでしょうか?

だとすれば、まだ許せなくもない気はします。

残念ながら財務省は、日本は財政危機ではない事をしっかりと認識しているでしょう。

 

財務省の公式見解?

 

下記引用は、財務省が過去に発表した外国の格付け会社への意見書です。2020年5月現在も、財務省のホームページで見ることができます。

 

下記はホームページからの引用です。

外国格付け会社宛意見書要旨

 

 貴社による日本国債の格付けについては、当方としては日本経済の強固なファンダメンタルズを考えると既に低過ぎ、更なる格下げは根拠を欠くと考えている。

貴社の格付け判定は、従来より定性的な説明が大宗である一方、客観的な基準を欠き、これは、格付けの信頼性にも関わる大きな問題と考えている。

 従って、以下の諸点に関し、貴社の考え方を具体的・定量的に明らかにされたい。
  

(1)日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。
 

(2)格付けは財政状態のみならず、広い経済全体の文脈、特に経済のファンダメンタルズを考慮し、総合的に判断されるべきである。
 例えば、以下の要素をどのように評価しているのか。

・マクロ的に見れば、日本は世界最大の貯蓄超過国

・その結果、国債はほとんど国内で極めて低金利で安定的に消化されている

・日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高

財務省ホームページより引用

 

そうです。

 

あの財務省みずからが日本の財政は強固なものであると言っているのです。

 

2002~2003年頃に発せられた当意見書は、2020年5月現在でもHPに掲載されています。

 

今も国債の消化状況や、外貨準備高はこの当時と変わりません。

 

さらに財務省はこう続けます。

 

近年自国通貨建て国債がデフォルトした新興市場国とは異なり、日本は変動相場制の下で、強固な対外バランスもあって国内金融政策の自由度ははるかに大きい

更にハイパー・インフレの懸念はゼロに等しい。

引用元

 

そうです。

財務省は、国家財政が危ないと喧伝していますがそれはあくまでも国内用です。

 

彼らは国民にはメディアを通して財政危機を煽りながら、国外には日本の財政は強固なものであると発信する、二つの顔を使い分けているのです。

 

ホントに財務省は日本財政の危機を煽ってるの?

と思った方はこちら⬇︎

『国の借金』とは?【わかりやすく解説】

 

財務省の主張を検証する

 

財務省といえば、上層部やキャリア官僚と言われる人達は東大法学部卒など狭き門をくぐり抜けてきたエリートです。

そんな頭の良い人たちが言うことだからやはり正しいのでは??

もちろん私もそう思いました。

 

そこで、今財務省が子供達向けに作成した教材をもとに、その主張を検証します。

 

 

✅借金で穴埋め?

 

 

1990年から税収が明確に停滞していますが、その理由はこの2つです。

 

✔️デフレ不況への突入によって名目GDPが停滞した

✔️89年に導入した消費税の増税路線と日銀の金融引き締め政策よって消費が停滞した

 

つまり税収が減った1番の原因は

税収を増やす為に行った増税路線そのもの

だったのです。

 

✅財政を家計に例える?

 

 

前述のとおり、日本政府の借金はなにも外国から借りているわけではありません。

 

私たち日本国民から借りているのです。

 

家計に例えるならば、息子がお父さんからお金を借りているようなものです。

 

さらに、政府は子会社である日銀が通貨発行権を持ちます。

つまりお父さんは自由にお金を発行できる力があるのです。

 

国家財政を家系で例えるのはナンセンスとしか言いようがありません。

 

参考記事:国の借金とは?

 

 

✅国民一人あたりの借金?

 

 

700万円/人の意味がわかりません。

国民はお金を貸している債権者です。

日本国民が日本政府にお金を貸しているのです。

なので、いざとなれば日本政府の子会社である日本銀行が通貨を発行して国民に配ればいい話です。

大量通貨発行の副作用は過度なインフレです。

近年の金融政策によって300兆円程度マネタリーベースを拡大しましたが、日本は未だに明確なデフレ脱却は果たしていません。

 

参考記事:ハイパーインフレーションについて

 

 

✅一兆円のイメージ。

 

 

なぜこの表現をしたのか分かりません。

 

 

✅根本的な問題をごまかしている?

 

公共サービスへの支出を絞ることはデフレ不況には良くありません。

参考記事:財政政策とは?

 

借金の利息が高くなるといいますが、今の日本国債の利息は歴史上類を見ないくらいに低金利です。

 

言うなれば、現在の日本政府は超低金利でお金を借りられるのです。

 

とっとと経済成長して、名目GDP成長率(収入の伸び)が国債金利(借金の金利)を上回れば良い話なのです。

 

財政再建はそれで完了します。

参考記事:日本の財政問題を解決する方法

 

 

財務省が緊縮財政を行う理由

 

財務者はかつてこんな発言も取りざたされました。

以下は産経新聞ウェブ版記事からの抜粋です。

「国民を甘やかすことになる」

消費税引き上げを主張する財務官僚たちへの怒号と罵声が炸裂

財務省はとくに、再増税に慎重な議員に集中して押しかけた。同省幹部は、ある若手議員に再増税をしきりに訴えたという。

 「社会保障費が膨れ上がる中、消費税率がこんなに低いのは、国民を甘やかすことになる。経済が厳しくても10%に上げるべきだ」

若手は「景気はかなり悪い」と反論すると、財務省幹部は「景気は回復していきます」と楽観論を振りかざした。その言いぶりは、まさに「上から目線」だったという。

出典:産経ニュース

 

 

「国民を甘やかすことになる」

 

この発言は財務省の発言として事実と確信できるほどに強力な力で緊縮財政をすすめています。

 

彼らは緊縮政策で国民を困窮させる事を何とも思っていないのでしょうか?

 

さて、いよいよ核心です。

財務省はなぜ執拗に緊縮財政を進めるのでしょうか?

 

徴税権を拡大する事

 

財務省では、省益が優先されます。

彼らは徴税権を拡大する事によって、みずからの権力を拡大する事ができます。

 

例えば、消費税の増税を実施しながら特定の企業や業界に軽減税率などの措置を付ける事によって、その業界に恩を売る事ができます。

ここから、財務省エリート層は大企業に天下り先を確保するルートが作られます。(※事実、財務事務次官など財務省の上層部は名だたる大企業の役員に天下りをしています。)

 

あるいは消費税の増税を実施する一方で、法人税の引き下げし、経団連などの財界に利するような措置を行う事で天下り先を確保する事も可能です。

 

つまり、財務省は緊縮財政の他方で特定の業界に甘い汁を吸わせる事で、権力を誇示しながら省益(自分たちの利益)を確保するのです。

 

私は、財務省の人たちのすべてを批判したり、彼らのすべてが国民の事を考えていないという気はありません。

日本を思う立派な方もたくさんいらっしゃるのも理解しています。

 

しかし、組織としての財務省は日本経済の未来や国民の事には全く関心が無いのだと思っています。

 

 

なぜ財務省の権力は強大なのか?

 

✔️止まらない増税路線

 

第2次安倍内閣では、2度の増税延期局面では財務省と戦う報道もチラホラと目にしました。

しかし残念ながら2019年10月、消費税率10%への引き上げが実施されました。

参考記事:消費税10%への増税は日本経済を破壊する

 

なぜ増税への流れは止まらないのでしょうか?

 

原因は以下のように推測されます。

 

政治家の経済への理解が乏しい

 

政治家に、基本的なマクロ経済政策の知識があれば日本の失われた20年は消え自殺者数の激増という惨憺たる結果を作る事は無かったでしょう。 

 

 

参考記事:失われた20年とは?

 

この政治家の知識不足という深刻な問題がある為に、彼らは職務の遂行を役人に頼らざるを得ないのです。

 

緊縮財政を進める財務省の権力

 

財務省が緊縮財政を進めている理由は前述した通りですが、日本の緊縮の流れが止まらないのは財務省の権力が強大である事も原因の1つです。

 

財務省の権力の源泉は

徴税権予算編成権

にあります。

 

国税庁による徴税権

 

財務省の下部組織に国税庁、さらにその下には国税局と税務署があります。

 

彼らは徴税の警察権力を保持しています。

脱税を取り締まる組織として活躍していますが、この脱税におけるシロかクロは、グレーゾーンが極めて大きいのです。

極端な表現をすると、財務省(国税庁)がクロと言えばクロなのです。

 

当然、この取り締まりの対象は、政治家も例外ではありません。

 

予算編成権

 

資本主義社会において、財布を握る事は権力の頂点に立つ事を意味します。

参考記事:資本主義とは?

 

財務者主計局は、国家予算を各省庁に振り分ける権限を持っており、権力の大きさを想像する事はそう難しくはないでしょう。

 

また、財務省は政治家をサポートする側面を持ちます。

例えば、国会の予算委員会での答弁は財務省の官僚が考えています。

法律を緻密に理解している政治家はほとんどいないでしょう。

かれらは、官僚のサポートなしでは国会答弁すらまともに行えないでしょう。

それだけのサポートと引き換えに、ある意味では政治家より強大な権力を保持しているのです。

 

 

そして何より、この2つの大きな権力を1つの省庁に集約してある事が真の問題なのです。

 

私たちは、選挙で政治家を選ぶ事はできますが官僚を選ぶ事はできません。

 

ひとたび強大な権力を持つ官僚組織が緊縮財政に邁進すれば、止める事は極めて困難なのです。

 

歳入庁の創設

 

それでは、この財務省を中心とした緊縮財政を止める方法はないのでしょうか?

 

これは、財務省の権限を縮小させることで可能です。

 

具体的に言えば歳入庁を創設することで、1つになっている歳入と歳出を明確に分離するという事です。

 

既に歳入庁は海外の国で創設されています。

 

海外で歳入庁を持っている国

米国、カナダ、アイルランド、イギリス、オランダ、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、ハンガリー、アイスランド、ノルウェー

 

歳入庁の創設は権力の分離だけでなく、世界的の風潮である税と社会保険料の徴収一元化も効率化する効果があります。

 

しかし、徴税権という強大な権力を保持したい財務省としては、権力の分散となる歳入庁の創設に大反対するのは言うまでもありません。

 

今までも国会では、歳入庁創設の案が出ては消え、出ては消えを繰り返しているのです。

 

このように、根深い権力構造も影響し日本は未だに緊縮財政から脱却できていません。

 

これは、私たち国民側にも責任がないとは言えません。

 

もともと日本人には「清貧の美徳」という美学、美的感覚を持っています。政府が公共投資を行う際にも

「バラマキだ!」「無駄を減らせ!」

 

そんな批判が四方八方から飛んできます。

 

また、基本的な経済政策への知識がないために、緊縮政策に迎合し、それを推進する政治家を選んでしまう事も大きな原因の1つです。

 

いくら強大な権力を持つ財務省でも、民意を無視することは出来ません。

 

私たちは増税路線真っ只中の今、改めて正しい経済を学んでいく事が必要なのです。

 

 

 


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10 件のコメント

  • すごくわかりやすかったです。
    国民はいち早くこの問題点に気づき、疑うべきでしょうね
    これからも応援してます

    • みゅー様

      嬉しいコメントをありがとうございます。
      いかにずさんな経済政策の結果、失われた20年間が作られてしまったかを沢山の人に知ってほしいものです。
      世論の変化でしか最終的には変えられませんからね。
      これからもどうぞよろしくお願いします。

  • 財務省が世界の流れに逆行し、緊縮財政を進めるのは、一つには国会議員が馬鹿な事、そして、東京大学に入り首席級で卒業したのに、回りの同大学卒業者より収入が少ないのだから、国民はもっと労働しろって思っているのでしょうね!

    消費税アップにより、日本の人口が更に加速度的に減り、日本が世界地図から、やがて消えるのでしょうね!

    • 山びと源様

      コメントありがとうございます。
      本当に、この緊縮政策だけは転換させなければデフレに逆戻りです。
      国民が塗炭の苦しみを味わう事になることだけは避けたいと切に思います。
      これからもどうぞよろしくお願いします。

  • とても分かりやすかったです。
    でも、歳入庁が創設されても、しばらくしたら金融庁や国税庁のように財務省の事実上の下部機関になるんでしょうね。
    やっぱり、財務省を1度徹底的に解体しなければいかんでしょう。財務省から国民を守る党を希望します!
    財務省をぶっ壊す!

    • 大輔様

      コメントありがとうございます。本当に、歳入庁の創設のみでは、現実としては心許無いばかりです。
      財務省が発信する国家財政認識から生まれる国民の誤解を一刻でも早く解く必要があると感じています。
      これからもどうぞよろしくお願いします。

  • 残念ながら財務省は日本の管理下に無いと解釈するのが自然だと思います。

    残念な話ですが、CFR(CSIS)や日米合同委員会などのグローバル金融資本の管理下に置かれていると考えないと財務省の動きが不自然すぎるためです。
    日本には軍隊も諜報機関も無いことや、海外放送が持てないことなどから純粋な独立国ではないという最低限の前提が必要です。

    経済、外交、国防、そして金融、歴史、宗教を無視して議論しても答えはわかりません。
    世界で誰が金融を握ってきたかを無視して議論しても机上の空論になります。
    机上の空論だから財務省が悪玉だという結論になるのです。

    そして自国通貨建てで国債が発行できるとしても、その信用を支えるのは国民一人ひとりの頑張りなんですね。
    無制限に発行できるとなったら国が乱れる、これはお金持ちのボンボンがどうなっているか見たらわかりますね。
    国債の発行と国民の頑張りは表裏一体なのです。日本人が以前の勤勉さを取り戻さないと国債をいくら発行しても娯楽に回ってしまうでしょう。

    歴史を勉強すると、国民が気を引き締めて頑張った時期は国が栄えていますし、遊んで緩んだ時期は国が乱れていっています。
    我々にできることは、財務省の責任を追求することではなく、正しく知識を得た後は真面目に働いて国富に尽くすことだと思います。

    上から目線で恐縮ですが、もう少し大きな視点で考えられるようになると良いですね。

    • キワキワ様

      コメント頂きましてありがとうございます^_^

      私は日本人はいつも勤勉だと考えています。
      ただ、失われた20年など経済失政期はブラック企業がはびこり、働けど働けど報われません。(過労死や自殺など最たるものだと思います)

      戦前の世界恐慌時には高橋是清による金融財政拡張政策が行われ恐慌を脱却しました。
      戦後の高度成長期には池田勇人によって360円固定レートと積極財政によって発展しました。(もちろん国民も頑張っていたと思います)

      通貨の増刷と国債発行も、国民の頑張りは置いといてせめて物価目標2%の達成はお願いしたいです。
      コロナ危機で世界恐慌の到来の可能性はかなり高いと考えている為です。

      私も財務省だけがすべての根源だとは思いませんが、もう少し方向転換してくれたらなとは思っています。

      詳しくコメントありがとうございます、参考にさせていただきます。

  • とても分かりやすかったです。
    これって、財務省に収支を一致させなければならないっていう法があることが問題なんですよね。
    財務省は役割を全うにこなしているだけなのである意味被害者な気もします。

    • はいよる様

      嬉しいコメント頂きましてありがとうございます^_^

      かつては収支の法制化が叫ばれた時期もありましたが現状では、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の法律はありません。(そんな法律が制定されてしまっては大変ですが。。。)

      ですので、やはり財務省の方向性の問題が大きいかと思います。
      もちろん、省庁で働いている役人さんのすべてが緊縮財政を推進しているわけではありませんが、歴代の財務次官ら言動を見ていますと省庁としての権力と方向性は極めて重要な問題だと考えています。

      これからもどうぞ、当サイトをよろしくお願いします^_^

  • キワキワ にコメントする コメントをキャンセル

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